豚バラ肉より安い韓牛ロース登場(上)

飼育数は増加、輸入牛肉に押され農家は困惑

 サムギョプサル(豚バラ肉)よりも安い韓牛(韓国伝統の肉牛)1等級ロースが登場した。2年前には最高級品の競り価格が1頭当たり1200万ウォン(約90万円)だった韓牛が、なぜ大幅な値崩れを起こしているのだろうか。

 大型スーパー「イーマート」は2日、全国韓牛協会と共同で4日から、韓牛1等級ロース55トンを100グラム3220ウォン(約240円)、韓牛スープ用・プルコギ(韓国風すき焼き)用150トンを100グラム1960ウォン(約147円)で販売すると発表した。これはKB国民カードまたはサムスンカードでの購入客を対象としたイベントで、通常価格より30%ほど値下げしたものだが、デパートの一般的なサムギョプサル(100グラム3290ウォン=約246円)、黒豚サムギョプサル(100グラム3600ウォン=約270円)よりも安い。韓牛でもスープ用・プルコギ用の肉であればサムギョプサルの価格を下回ることもあるが、消費者が最も好む高級肉の韓牛1等級ロースがサムギョプサルより安くなるケースはめったに見られない。

殺処分にも韓牛の飼育頭数は大きく減らず

 このところ韓牛の価格が大幅に下落しているのは、ここ2-3年で韓国畜産農家の飼育頭数が過去最大に増加した半面、家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫により殺処分された牛が比較的少なかったためだ。飼育頭数はこれまで240万-250万頭だったが、2009年から10年にかけて280万-290万頭に増加した。

 農村経済研究院・農業観測センターのホ・ドク畜産観測チーム長は「口蹄疫により11万4000頭が殺処分されたにもかかわらず、今年3月の韓牛飼育頭数は前年比6.5%増の288万頭だった。6月、9月の飼育頭数は前年比3-4%増の303万-304万頭になる見通しだ」と語った。韓牛の値上がりを受け、農家が韓牛を多数飼育するようになったというわけだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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