記事入力 : 2011/06/03 11:28:10
リーダーシップの危機続く日本政界(下)
■圧倒的支持集める候補なし
次期首相候補のうち、支持率が10%を超えるか、党内で圧倒的な支持を集めている候補はいない。結局は派閥間の合従連衡で首相が決まるのではないかとの見方が出ている。次期首相の任務は地震災害の復興と原発事故の収拾だ。その役割をしっかり果たすためには、ねじれ国会、民主党内での派閥対立を克服する必要がある。そのためには、国民からの圧倒的支持が欠かせない。そういう下支えがなければ、誰が首相になっても短命に終わってしまう。橋下徹大阪府知事は「今のような政治システムでは、誰が首相になっても同じだ」と述べ、国民が首相を直接選ぶ案を提言した。
■菅首相の退陣時期が争点に
菅首相の退陣時期は、新たな政争の火種となる見通しだ。鳩山前首相は退陣時期が早ければ6月末になる可能性があると語った。しかし、菅首相は2日夜の記者会見で、9月に予定される訪米を終え、福島原発が冷温停止の状態となった後が退陣のタイミングになるとの認識を示した。現時点で冷温停止は来年1月にずれ込むとの見通しが示されている。
自民党と民主党小沢グループは、菅首相の早期退陣を求め、政局運営に協力しない可能性が高い。自民党の谷垣禎一総裁は「菅首相が退陣時期を明確にしないのは、政権にとどまるという意味だ」とし、菅首相が交代さえすれば、民主党と協力する用意があると表明している。
菅首相の退陣宣言で、「平成の開国」を掲げて推進してきた「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」をはじめ、政府債務の削減、消費税引き上げ、福祉制度再編なども白紙に戻った。
東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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