リーダーシップの危機続く日本政界(上)

 東日本巨大地震と東京電力福島第1原子力発電所の事故で、日本が戦後最大の危機を迎えた状況でも、リーダーシップの空白が続いている。菅直人首相は2日、地震と原発事故の収拾に一定のめどが付いたら退陣すると約束して、内閣不信任案の可決を防いだ。野党が1日に提出した内閣不信任案は、2日の衆院本会議で賛成152、反対293という圧倒的な差で否決された。これにより、民主党政権は最悪の局面を乗り切った。しかし、民主党内には有力な次期首相候補がいない。「国家が絶体絶命の危機に直面している」と懸念する声は多いが、このままでは派閥間で1年ごとに首相を順に務める慣行が繰り返されそうだ。

枝野官房長官ら若手が候補

 菅総理は退陣表明で「若い世代に責任を引き継いでいただきたい」と述べた。このため、比較的若手の議員が候補に挙がっている。枝野幸男官房長官(47)、前原誠司前外相(49)、原口一博前総務相(51)らだ。

 枝野官房長官は、原発事故関連の情報発表を担当し、認知度が急速に高まった。しかし、原発事故の状況について「直ちに健康に問題はない」という言葉ばかりを繰り返し、「オオカミ少年」との批判も受けた。斬新なイメージで次期首相候補に挙がった前原前外相は、3月に在日韓国人から少額の政治献金を受け取っていたことが問題となり、自ら辞任した。しかし、辞任後の人気は依然高い。原口前総務相は大衆的な認知度こそ高くないが、民主党内の最大派閥である小沢グループが推す候補だ。しかし、党内では小沢元代表と距離を置く若手議員も多いという。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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