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上関原発建設計画:中止求め議会意見書案 交付金対象市町でも動き /山口

 上関町の上関原発着工後に電源立地地域対策交付金の対象となる市町議会で、建設計画中止を求める意見書案の提出を目指す動きが活発化している。交付金対象外の周南市議会が先月末に全会一致で意見書を採択しているが、交付金対象の市町議会で採択されるかどうかは不透明だ。

 平生町議会(定数12)は、反原発派の2議員が1日、国や県、中国電力に計画中止を求める意見書案を福田洋明議長に提出した。3日の議会運営委員会で取り扱いを協議する。

 この日、4月に当選した議員の構成を決める臨時議会があり、渕上正博=共産、松本武士=無所属=の両議員が、再任された福田議長に提出した。2議員は文言の修正には応じられないとしている。議員の間には、「全会一致でないと意味がない」「他町の政策へ口出しすべきでない」との意見もあり、採択の見通しは立っていない。同町に配分されている交付金は21億5607万円。

 意見書案では、平生町は全域が建設予定地から20キロ圏内にあり、事故があれば、多大な被害を被るとして、原発建設計画の中止▽新安全基準を作り、現存原発の総点検▽原発の新増設の凍結▽自然再生エネルギーへの転換を求めている。

 一方、光市議会(定数22)の為光会、こう志会、共産党の3会派(計11人)は1日、中本和行議長に上関原発計画に関する意見書案を提出した。3会派の案は「中止」「凍結」と内容が異なっている。

 同市議会では、意見書は全6会派の一致で本会議に上程することを申し合わせている。2回の議運を経て、30日の最終本会議で全会一致での上程を目指す。中本議長は「何らかの形でメッセージを発したい」と意欲を示す。

 また、5月に設立された原発のない社会を目指す市民団体「自然エネルギー推進ネット・光」(国弘秀人代表)は2日、計画の中止を求める請願を市議会に提出する。

 同趣旨の意見書案は柳井市議会(定数18)で共産党の2議員が提出を決めており、周防大島町議会(定数20、欠員1)でも共産議員が賛同の議員を募っている。【小中真樹雄、丹下友紀子】

   ◆  ◆

 同交付金の対象でない岩国市議会(定数32)では1日、共産党市議団(3人)が会派代表者会議に、上関原発建設中止を求める意見書案を提出した。意見書案では「市の一部が予定地から30キロ圏内に入っており、風向きによっては市内全てが影響を受ける」と指摘している。次回の17日の会派代表者会議で再度話し合う。賛同する会派がある一方、「建設中止ではなく、凍結なら応じられる」「国の安全対策や原発震災の検証を見定めたい」という会派もあり、調整が続くとみられる。

〔山口東版〕

毎日新聞 2011年6月2日 地方版

 
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