６億円強奪、手配の男逮捕　５００万円所持、容疑認める

　東京都立川市の「日月（にちげつ）警備保障立川営業所」から約６億円が奪われた事件で、立川署捜査本部は３日、強盗傷害と建造物侵入の疑いで指名手配していた住所不定、職業不詳渡辺豊容疑者（４１）を逮捕した。逮捕時に約５００万円を持っており、捜査本部は奪った金の一部とみて調べる。

　捜査本部によると、同日未明、匿名の男から「（渡辺容疑者が）出頭したいと言っている」と捜査本部に電話があった。待ち合わせ場所のＪＲ品川駅前に渡辺容疑者が１人で立ち、持っていたキャリーバッグに約５００万円が入っていた。駅までは「タクシーで来た」と話しているという。

　逮捕容疑では、植木秀明容疑者（３１）＝強盗傷害容疑などで逮捕＝と共謀して５月１２日午前３時すぎ、同営業所に侵入し、仮眠中の男性警備員（３６）に暴行して２カ月の重傷を負わせた上、金庫室の暗証番号を聞き出し、約６億円を奪ったとされる。

　捜査本部によると、「３０代ぐらいの男と２人で強盗に入ったのは間違いない」と容疑を認めている。営業所内の防犯カメラの映像から、渡辺容疑者が紙幣入りの布袋を金庫室から運び出し、植木容疑者が男性を見張っていたとみられる。

　渡辺容疑者は、事件前日の１１日夜に植木容疑者に電話をかけ、逃走時は車を運転していた。事件に関与したとみられる暴力団関係者ら１０人以上とも頻繁に連絡を取り合っており、捜査本部は渡辺容疑者が主導的立場だったとみている。

（中日新聞）