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2011年6月2日(木) 19:20 |
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250年前の天井画が鮮やかに復元
250年以上前の江戸時代中期、瀬戸内市の寺に描かれ、劣化が激しかった天井画を、岡山市の女性画家が模写して、鮮やかに蘇えらせました。 完成した絵が寺に奉納され、2日、お披露目となりました。
漆塗りの天井から優しく微笑みかける天女です。 極楽浄土の象徴として描かれた貴重な天井画ですが、雨漏りなどによる傷が目立ち、色も剥がれ落ちています。 龍と鳳凰をあわせた体で和楽器の笙を奏でる、「迦陵頻伽」と呼ばれるこの天女が、色鮮やかに模写され、ついたてとして寺に奉納されました。 天井画があるのは、瀬戸内海に面した瀬戸内市牛窓町の妙福寺の本堂です。 模写を手がけたのは、岡山市東区に住む画家の堂千恵蔵さん。 1年半前に交通事故で亡くした娘に捧げる「天使の絵」を描きたい、そう願っていたときに、この天女に出会いました。 天女を模写して蘇らせたいという堂さんの思いは、寺にとってもまたとない機会でした。 250年以上たち、劣化が進む一方の天井画を、いつかは修復して後世に残したいと考えていたからです。 3日は、堂さんと親しい音楽家の友人達が、妙福寺に集まりました。 模写した天女の絵の完成を祝う、奉納演奏です。 寺では、奉納された天女のついたてを、毎月第1日曜日に公開することにしています。 いずれは、天井画そのものの修復や、町の復興につなげたい、色鮮やかに蘇った天女は人々の思いを見守っています。
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