東京電力は2日夜、循環型の冷却システムを稼働させた福島第1原発2号機の使用済み核燃料プールの水温が、1カ月かかるという当初の予想よりも早く2日間で40度にまで下がったことを明らかにした。近く原子炉建屋内部の高湿状態が改善されているかどうかを調べる。高湿度が解消されていれば、建屋内に漂う放射性物質の除去など作業環境の改善に着手する。
2号機の建屋内は大きな破損がないため、使用済み核燃料プールから発生した水蒸気がこもって湿度が99.9%もあり、作業員の立ち入りやロボットによる調査が難しかった。このため、プールの水を循環させ、空冷式の冷却装置で熱を取り除く仮設システムを5月31日から稼働させたところ、当初67度だった水温が2日午前11時には40度まで下がった。
東電の松本純一・原子力・立地本部長代理は「湿気の収まり具合も予定より早いと予測できる」と話した。循環型冷却システムは、6月中旬から7月中旬にかけて1、3、4号機の使用済み核燃料プールでも稼働させる予定。【西川拓】
毎日新聞 2011年6月3日 11時24分(最終更新 6月3日 11時43分)