事件・事故・裁判

文字サイズ変更

生肉食中毒:「焼肉酒家えびす」が営業再開の準備

フーズ・フォーラス社の勘坂康弘社長=金沢市で2011年5月6日午前、幾島健太郎撮影
フーズ・フォーラス社の勘坂康弘社長=金沢市で2011年5月6日午前、幾島健太郎撮影

 焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」を巡る集団食中毒事件で、経営するフーズ・フォーラス社(金沢市)が、自治体の営業禁止処分を受けた店舗を除き、営業再開の準備を進めていることが2日、分かった。同社は食中毒発生後、20店舗全ての営業を停止しており、「収益がなく、被害者全員に十分な賠償をするには再開が必要。ただし実際に再開できるかは未定」としている。

 20店舗のうち、病原性大腸菌O111の感染者が出た富山と福井、神奈川3県の4店舗は営業禁止処分を受け、同社は4店舗以外も営業をストップさせている。

 一連の食中毒で4人が亡くなり、患者も100人以上いることから、賠償金が高額になるのは必至。同社は再開への了解を得るため、遺族を含めた被害者や、再開店舗を所管する金沢市保健所などに説明してきており、大半の被害者からは了解を得たとしている。

 一方、同市の山野之義市長は「市に法的拘束力はない」としながらも、「従業員への衛生教育の徹底や食中毒の原因究明が明確になっていない段階で再開するのはいかがなものか。営業を自粛してほしい」と、否定的な見解を示している。【松井豊】

毎日新聞 2011年6月3日 9時50分(最終更新 6月3日 11時08分)

 

おすすめ情報

注目ブランド

毎日jp共同企画