ホーム > タイガース > タイガース最新紙面記事

金本決死の休日返上!命がけ4連勝や

 札幌から帰阪後、金本は野手でただ1人、休日返上で黙々とバットを振った
【拡大写真はコチラ】
 札幌から帰阪後、金本は野手でただ1人、休日返上で黙々とバットを振った

 阪神は2日、遠征先の札幌から帰阪した。現在チームは20イニング連続無得点中で借金9の5位と低迷。V奪回が絶望的な状況の中、野手で休日返上練習を行ったのは、金本知憲外野手(43)ただ1人だった。ソフトバンクに負ければ借金10。CS進出も絶望とならないためにも、勝つしかない。3日からの甲子園4連戦が正念場だ。

  ◇  ◇

 敵地で日本ハムに連敗を喫し、過去データ上のV確率は0%になった。38試合を終え、14勝23敗1分け。長いプロ野球の歴史上、借金9からリーグ制覇を成し遂げたチームはない。阪神がここから球史を覆す奇跡の巻き返しを果たせない限り、覇権奪回どころかCS進出も危うくなる。

 窮状打破に必要なものは何か。この日、チームは午前の便で札幌から帰阪した。関西空港からバスで甲子園に戻り、その場で解散。室内練習場で行われた公式練習は岩田、能見、久保、スタンリッジの4投手のみで、野手には休養が与えられた。道中、真弓監督が口を開くことはなかったが、遠征に同行していた沼沢球団本部長は、野手陣に異例のゲキを飛ばした。

 「こういうときは、ひたむきに練習するしかない。もともと力を持った選手たちだから、その力を出せるように、コーチ陣が選手の力を引き出してな。何か起爆剤は欲しいけど、とにかく選手は汗をかくしかない」

 チーム関係者によれば、野手で休日返上した選手は、金本1人だったという。金本はチームと離れ、早朝の便で帰阪。チーム便が札幌をたつ時刻には甲子園に到着し、一塁ベンチ裏で約1時間、黙々とバットを振っていた。言われて、やるものでもない。危機感を力に変えるために汗をかく。本人にすれば、至極当然の行動かもしれない。

 低迷の原因は明らかに攻撃陣にある。前夜はダルビッシュに完封を許し、チームは20イニング連続無得点。真弓監督は「(借金を)返していくしかない」と懸命に前を向くが、深刻な貧打を解消できなければ、タクトの振るいようがない。

 3日から甲子園に目下10連勝中のソフトバンクを迎える。1戦目の先発はダルビッシュと最多勝を争うホールトン。2戦目は前回対戦(5月21日)で完封された杉内が予想される。ともに防御率1点台の難敵だ。今季、阪神打線は外国人の先発投手相手に7戦全敗で、対先発左腕は3勝12敗1分け。限りなく分の悪い相手と戦う前日、全体練習は行われなかった。

 金本の右肩は依然、万全に至らず、投手陣に迷惑をかけられない思いは強い。プロ20年間で染みついた責任感は健在だ。96年のメークドラマ、08年のメークレジェンドと広島、阪神で2度、巨人に歴史的大逆転を許した唯一の男。それだけに奇跡は起こると信じている。

 敗れれば借金は10。地元の4連戦は天地を分かつ戦いになる。虎は、勝つしかないのだ。

(2011年6月3日)

ソーシャルブックマーク・RSS・twitter・Facebook

オススメタイガース写真ニュース








Copyright(C) 2010 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp