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韓国弾道ミサイル、最大射程引き上げか 米韓が最終調整

2011年3月11日7時32分

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 【ソウル=牧野愛博】米韓両政府は、韓国の弾道ミサイル開発の上限を現行の射程300キロから800キロに引き上げる方向で最終調整に入った。韓国政府関係筋が明らかにした。北朝鮮のほぼ全域を射程に収めることが可能になる。

 米韓両国は昨年末から「米韓ミサイル指針」の改定作業を進めていた。現行指針は朝鮮半島の緊張を高めないよう、韓国が米国から技術提供を受ける条件として、韓国の弾道ミサイル開発の射程を300キロ以内、弾頭積載重量を500キロ以下に、それぞれ制限している。

 関係筋によれば、両政府は現在、射程を最大800キロまで延ばす方向で調整している。今後の調整次第では、射程を500キロ程度まで抑える可能性もある。弾頭積載重量は現状を維持する。

 韓国内には従来、弾道ミサイル開発の制限に不満があった。北朝鮮が射程300〜500キロのスカッドを約600発、同1300キロのノドンを約200発、それぞれ実戦配備しているためだ。2009年4月の北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射で、指針の改定を求める声が韓国内で急速に強まっていた。

 これに対し、米国が韓国の要求に応じて射程延長を認めた背景には、日米韓の弾道ミサイル防衛(BMD)体制構築の環境を整える狙いがあったとみられる。韓国は日米主導のBMD体制への加入に慎重な姿勢を維持している。

 米国には、東アジアで「核ドミノ」が起きる事態への懸念も強い。韓国内の一部には北朝鮮の軍備増強への不安から、核の自主開発を求める声がある。2月25日の国会質疑では、1991年に撤去された在韓米軍の戦術核の再配備を求める意見も出ていた。

 ただ、韓国側には射程千キロまでの延長を求める声もあったが、米国は応じなかった。日中ロなど周辺国を刺激する可能性を考慮した結果とみられる。

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