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【サッカー】

<城福の目>後半も続けるべきだった3−4−3

2011年6月3日 紙面から

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 後半開始から、3−4−3を4−2−3−1に変えてしまったことに疑問が残る。前半に攻撃、守備の両面で修正点が見えていた。ザッケローニ監督が何を問題点として捉えたか見たかったが、残念ながら前半で3−4−3を放棄したような形になってしまった。

 攻撃面では、4−1−2−3を敷くペルーの「1」(アンカー)の両脇のスペースが空く(図1)。しかし、先発した岡崎も関口もそのスペースでボールを受けるタイプではない。サイドに張ってドリブルやDFの裏に抜けるのを特長としている。彼らが悪いのではなく、2人のどちらかをこのスペースでボールを収めるタイプにしないと機能しない。

 例えば、本田だ。後半から出てきた時、関口か岡崎かどちらかを代えると思った。もし、本田のようなタイプが入れば、アンカーの両脇で仕事ができる。ペルーの「2」(中盤前め)がプレスバックすれば、ボランチの遠藤か長谷部が自由になる。そこから、裏に抜ける岡崎へパスを出す形もある。また、SBが中に絞ってくれば、空いたサイドのスペースを突ける。岡崎も前半途中からは、このスペースでボールを受けようとしたがつぶされてしまった。

 これは一例。3バックのうち2枚は余っていた。ビルドアップで3バックの一角を前に出せば、攻撃の第一歩でマークを引き剥がすこともできた。また守備面では1トップに対して最終ラインで2枚余るため、中盤の枚数が足りなかった。ペルーのアンカーがフリーになり、プレスのスイッチが入らなかった。ザッケローニ監督が、後半から4−2−3−1に変更したため、いくつかある問題点のどこを抽出し、どう修正していくのかが見えなかった。

 アジア杯で機能した4−2−3−1には残り20分で切り替え、そこから勝負に出ればいい。W杯予選まで残り3試合。ペルー戦は270分のうちの貴重な90分。チームづくりの点から見れば、後半も3−4−3をやり切るべきだった。ザッケローニ監督就任後、一番理にかなっていない采配だった。我慢が足りなかったと感じた。 (城福浩・FC東京前監督)

 

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