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【大リーグ】上原 イチロー斬り!! 2年ぶり対戦、速球一本で三振2011年6月3日 紙面から
【シアトル秋野未知】速球一本でイチロー斬りだ!! オリオールズ・上原浩治投手(35)が1日(日本時間2日)、マリナーズ戦の1点リードした8回に登板。1死から、イチロー外野手(36)と2年ぶりに対戦し見逃し三振に仕留めるなど、1イニングを無失点に抑えチームの連敗ストップに貢献した。一方のイチローは、今季2度目となる指名打者で4打数2安打1盗塁。日米通算596盗塁として、広瀬叔功(元南海)に並び歴代2位相当となった。 この日、この瞬間を待っていた。09年6月11日以来となる背番号51との2度目の激突。上原は高ぶる気持ちをグッと抑え、冷静にイチロー封じに思いを巡らせた。 上原「フォークボールを待っているのかな、という雰囲気はちょっと感じていた」 18・44メートル間で繰り広げられる一流同士の駆け引き。上原が独特の嗅覚を働かせたのは、1ボール2ストライクと追い込んだ4球目からだ。伝家の宝刀フォークを封印して速球を多投。ただ、外角に集めた速球を3球続けてファウルされる。6球目には首を振るサインで幻惑するなど、仕留めるために全力を注いだ。 「速球を続けた? キャッチャーのサイン。でも、カットの仕方を見ていて自分も真っすぐの方がいいのかなと思ったんで、それでいきました」 勝負の7球目。90マイル(約145キロ)の速球を低めに決めると、背番号51のバットはピクリとも動かず球審の右手が挙がる。ジャッジに不満だったのだろうか。イチローは右手親指でアゴをさすると、ゆっくり一塁ダッグアウトに引き揚げた。 「ちょっと低すぎるかな。審判が手を挙げてくれたんでボクにとっては助かりましたけど」 運も味方につけ2年ぶりの激突に勝利。この回を三者凡退に仕留めチームの連敗を5で止める原動力となった。 5年前のWBC第1回大会。歓喜の宴で上原は口に含んだシャンパンを“口鉄砲”でイチローの顔面に浴びせるなど、大阪人らしくはしゃぎまくった。イチローから「先輩をうやまえ!」とお小言を頂戴したが、その存在が偉大すぎることは今も痛感している。 「アメリカで対戦できることがすごい感動ですよ。何回やってもそう思いますね」 今季は22試合で防御率が2・66と安定。今やセットアッパーの地位を確立した上原が、刃を研ぎ再びイチローと相まみえる日を待つ。 PR情報
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