内閣不信任決議案を否決:識者はこうみる

2011年 06月 2日 16:39 JST
 
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 [東京 2日 ロイター] 自民・公明・たちあがれ日本の野党3党が提出した内閣不信任決議案は2日午後に開かれた衆院本会議で、反対多数で否決された。投票総数は445票で、反対293票、賛成152票だった。

 市場関係者のコメントは以下の通り。

●混乱に伴う財政拡張の思惑棚上げ

<BNPパリバ証券東京支店 投資調査本部長 島本幸治氏>

 2日の東京債券市場は大きく買われた。前日の海外市場で米10年債利回りが節目の3%を割り込む一方、日米とも株価が下落したため。コンセンサスではないが、さらなる政治的混乱の可能性が低下し、「当面とはいえ菅政権であれば、(自民党が主張する総事業規模30兆円の第二次補正予算の早期成立に伴う)ばらまき財政が遠退く」との思惑も、一部参加者の脳裏にあったのではないか。

 今後は高値警戒感が広がりそう。野党の懐柔策として今国会を延長し追加の補正予算が編成される公算が大きい。その場合は、もともと9月以降とみられた国債増発の時期が、前倒しされるだろう。増発対象は超長期セクターが優先されるが、大型補正予算となれば10年物も対象になり得る。夏以降は、景気の持ち直しとあわせて国債需給緩和に対する警戒感が、相場の上値を抑えかねない。

●ドル主導の相場へ回帰

 <クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクター、斉藤裕司氏>   続く...

 
 
 6月2日、自民・公明・たちあがれ日本の野党3党が提出した内閣不信任決議案は衆院本会議で、反対多数で否決された。写真は反対票を投じる菅首相(2011年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
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内閣不信任案が否決されたが、菅首相が一定期間後の首相退陣を表明したことで政権のレームダック化は避けられない。