ドイツ北部を中心に病原性大腸菌の感染が広がるなか、ロシア政府は、EU=ヨーロッパ連合から出荷された野菜の輸入を全面的に禁止すると発表し、EUは不適切な対応だとして強く反発しています。
ヨーロッパでは、ドイツ北部を中心に強毒性の病原性大腸菌の感染が広がり、これまでに合わせて18人が腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群などで死亡したほか、患者の数は1000人を超えています。この大腸菌の感染源を巡っては、当初、スペイン産のきゅうりが疑われたことなどから、ロシア政府は2日、EU域内から出荷されるすべての野菜について輸入を禁止したと発表しました。これに対してEUは声明を出し、「きゅうりは感染源でないことがすでに判明しており、感染もドイツ北部にとどまっている。ロシアの対応は行き過ぎだ」として、禁輸の措置を直ちに止めるよう求めました。また、貿易相手のほかの各国に対しても、過剰な反応をとらないよう呼びかけています。今回患者から検出された病原性大腸菌は、過去にはほとんど検出されたことがない、極めてまれな種類との見方が出ていますが、その感染源は依然特定されておらず、EU域内の消費者の間では生の野菜を控える動きも出始めています。