一部には「被災地を助けるために、被災地で獲れた野菜を食べよう」という風潮がある。その発想を否定するものではないが、国や県が発表する「野菜は安全キャンペーン」を鵜呑みにしての行動なら、慎んだほうがよさそうだ。
「自己責任で食べる」という人は止められないが、その判断を幼い子供や若い女性に押しつけてはならない。炉心のメルトダウンを隠していたような政府が、国民の命を守ってくれると思わないほうがいい。
野菜と同様、「魚は安全」と言い張る水産庁に、三重大学海洋個体群動態学研究室の勝川俊雄准教授が警鐘を鳴らす。勝川氏は水産原子力村に反旗を翻す、数少ない科学者のひとりだ。
「福島原発1号機と3号機から出た、基準値の100倍と言われる汚染水を海に放出する時に、東電と国は2号機の超汚染水との比較で『低濃度汚染水』という呼称を使った。魚でも『(化学物質の)PCBやDDTに比べると、放射性物質は魚に溜まらないから安全』と言う。一事が万事この調子です。
海にバラまかれた放射性物質は、生物濃縮を経ていずれ人間に返ってくる。それは科学的に証明されていることです。政府が意図的に流す『安心デマ』によって、意識を持っていれば防げた内部被曝を引き起こしてしまうのではないか。私はそれが心配でならないのです」
グリーンピースの調査を政府が嫌がるのも、コントロールが利かないからだ。誰の声に耳を傾けるか、国民一人一人が真剣に考えなければならない。
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