県下第2位の都市、郡山市の北西約10km、本宮市の小規模農家でもグリーンピースは調査した。
●ブロッコリー=1万8845ベクレル/kg
●カリフラワー=2万5180ベクレル/kg
さらに同じ場所で、土壌の調査も行っている。その検体は二つあり、一つは3万2980ベクレル/kg、もう一つは、なんと「高すぎて計測不能」という結果だった。9万9999ベクレル以上、ということだ。
前出のグリーンピース・ジャパン事務局長、佐藤氏はこの福島市と郡山市近くのデータを重視する。
「政府から一定の情報が開示されている現在、最も恐ろしいのは、『自分たちの住んでいる場所は安全だ』と思い込むことです。福島・郡山両市の人口を合わせると60万人超。それだけの人々が、長期的かつ無自覚に放射能汚染にさらされる可能性があるのです」
福島県は、福島市、郡山市で5月16日に採取された野菜からは、放射性物質はいっさい検出されなかったと発表している。
「私たちの調査からは日が経っており、当時より数値が下がっている場所もあるでしょう。しかし、放射能汚染を考える時に重視しなければならないのは、『ホットスポット』の存在です。少し離れたら何でもないのに、突然、驚くほど測定値が高くなる地点がある。放射性物質の蓄積は、地形や気象の影響を大きく受けるからです。
福島、郡山両市の人々を全員避難させるのは、もちろん現実的な対応策ではありません。我々が国や県に求めているのは、『ホットスポット』を見つけて、そこをすみやかに除染することなんです」(佐藤氏)
政府が流す「安心デマ」
グリーンピースが4月11日付で菅首相に要請した項目の一つにこうある。
〈放射線量が依然として高く、人口も多い福島市や郡山市を含む地域を「特別管理地域」と指定し、汚染度の高い地区を除染するなど適切な措置を早急にとること。さらに、住民に対して放射能から身をまもるための実行可能なアドバイスを提供すること〉
実行可能なアドバイス、それはいたって基本的なことだ。外出から戻ったら丁寧に手を洗う、外出時には必ずマスクをする、雨にはなるべく濡れないなど。これらを注意して実行することで、無用な外部被曝を防ぐことができる。
「危険性のアナウンスをする、それが政府にできるいちばん簡単なことです。結果的に危険がなかったとしても、それは喜ぶべきことです。少なくとも、危険を小さく見せようとする現在の態度よりは、よほど正しいでしょう」(佐藤氏)
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