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[政治]ニュース
【民主漂流】究極の延命策 “死んだふり続投”
2011.6.3 01:07
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「偽りの退陣表明」-。その効果は絶大だった。70人以上が造反の意思を確認し合っていた小沢グループは大混乱に陥った。
「今日、不信任案を採決するのはやめて出直してくれないか…」
ある小沢系議員は衆院本会議直前、自民党議員に泣きついた。曲がりなりにも首相が退陣表明した以上、内閣不信任案に同調する大義はない。かといって否決すれば、当面は首相を信任することになる。小沢氏は側近に「今までなかったこと(辞意表明)を引き出したんだから、採決は自主判断でいいだろう」と言い残すと衆院議員会館事務所に引きこもってしまった。
それでも「反菅」路線で突っ走ってきた一部小沢系議員は潔しとしなかった。
内閣不信任案の賛成・反対討論のさなか。衆院本会議場に入ろうとした松木謙公元農水政務官は同僚議員に取り囲まれた。「賛成票を投じるくらいなら欠席しろ」という意味だった。
何とか議場に入ったが、渡部恒三元衆院副議長から「親分が裏切ったものを義理立てする必要はないぞ」と切々と説かれた。
それでも松木氏は採決の際、右ポケットに隠し持った賛成の「白票」をとっさに投じた。議場を出て記者団にもみくちゃにされながら松木氏はこう言った。
「信任できないから賛成した。自分で決めるんだよ、最後は!」
首相は狡猾(こうかつ)な延命策で九死に一生を得たが、引き換えに民主党に埋め難い亀裂とわだかまりを残した。
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