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[政治]ニュース
【民主漂流】究極の延命策 “死んだふり続投”
2011.6.3 01:07
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そんな美談ではないことはすぐに明らかになる。
首相の「退陣」発言直後、鳩山氏がマイクを握った。「首相と鳩山の間で合意させていただいた」。鳩山氏は十数分前の会談で提示した退陣の2つの「めど」を公にし、首相が“早期退陣”を了承したことを強調した。
ところが、代議士会直後、岡田氏は記者団に「合意の文書には出てくるが、それが(退陣の)条件になっているわけではない」と鳩山発言を全否定。これを伝え聞いた鳩山氏は「それは嘘です。人間、嘘ついてはいけません」と色をなして反論したが、夜の首相の記者会見で、鳩山氏が騙されたことが明白となった。
昭和61年、中曽根康弘首相(当時)は衆院解散を否定し続けた末、衆参同日選挙に突如踏み切り、自民党大勝へと導いた。後に「死んだふり解散」と呼ばれる。今回の菅首相は「辞める」とみせかけて不信任案否決にこぎ着ける「死んだふり続投」だったのだ。
さらに首相は「退陣表明」の中で、ある布石を打つことも忘れなかった。
「若い世代のみなさんに責任を引き継ぎたい」
自らが退陣したら、後継は「若い世代」に「禅譲」することを意味する。裏を返せば、長きにわたり党内抗争を繰り広げてきた小沢一郎元代表や鳩山氏に権力を譲り渡すつもりはないという意思表示だった。
このトリックも鳩山氏は見抜けなかった。鳩山氏周辺は「首相との会談では『若い世代に引き継ぐ』なんて話は出なかった。あれは首相が後から付け加えたんだ」と悔しがったが、後の祭りだった。
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