灰は外に出ていた。
理由は簡単。なんとなく外に出たかった。
只、それだけが理由である。
「外に出たはいいけど…どうしよう?」
何かをしようと考えると散歩するぐらいしか思い浮かばない。
仕方が無いから外へかなりの時間を掛けて散歩しようと考えた。
「あれ?な、何が起こった?」
灰は気づいたら、鬼に囲まれた。
「何だこいつ?餌か?」
っと灰を見ながら鬼の一人はこんな事を言っている。
また、別の鬼達は
「美味しそうな奴だな」や「食べてみたいぜ」
っと言っている。
灰はそのようなのを聞いて気分が非常に悪くなった。
「(ムカつく奴らだな…まあ、怒る気はないが少しだけボコしとくか。)」
灰はそう思い、自らの口で鬼の一人に軽く叩いた。
灰は手加減してるつもりだが簡単に鬼の体が引き裂かれ、皮が剥け、血の雨が降った。
「(あれ?手加減したつもりなんだが…殺しちゃったか?)」
灰はそんな事を思ってると
鬼達は驚いたのと同時に恐怖をしていた…
「こ、こいつ…!!!」 「な、何なんだ…!!」
「(や、厄介な事になっちまった…!!)」
灰は困った表情をする。
「(仕方ない…全員、殺しとくか。)」
灰が吼えて襲い掛かった後、その鬼達は一瞬にして食いちぎられた。
「さて、散歩の続きをしますか。」
「あ、その前に血を洗わなきゃ…湖へ行くか。」
そんな独り言を言い…轟音を出して一瞬にして消えた。
~???サイド~
あの八意が連れてきた奴…なんとしても利用したい。
あいつを兵器として扱いたい。それぐらいの力が宿っていると思った。
そう思い、何度も何度もあいつを観察してきた。
綿月の餓鬼があいつは何度も遊んでいたな。
だが、綿月の餓鬼はかなり強い。
俺じゃあ、連れ去る事などできんだろう。
だから、あいつが1体になった後、捕まえれば良いと思った…
あいつが1体になり、何処かへ歩いていたら
妖怪が現れた。我々にとって忌まわしき穢れの象徴、妖怪であり、その頂点の種族、鬼。
それも複数。
私はあいつを捕まえられる程度に弱くなったら鬼を殺し、あいつを捕まえようと思った。
それは難しいが今の兵器でなら簡単にやれると思ったからだ。
だが、そんなのは不可能。
いや、できる奴がむしろ危険。
あいつは鬼の一人を叩いた。
たったそれだけ、たったそれだけなのに鬼の体が引き裂かれ、皮が剥け、血の雨が降った。
私は恐怖した。あれを兵器だと何故思った?あれを何故、兵器程度の力が宿っていると思った。
あれは化け物。どんな存在をも遥かに超えている。
神も鬼も人間も何もかもこいつには勝てない。
戦ってはいけない………そう、確信した。
そして同時にこいつとは関わってはならない。
そんな恐怖を感じたのだ…絶大な恐怖を…
帰ろう、我々地上派は月に行こう。
そう、報告しなければ。
じゃないと………!!
~灰サイド~
さてと、ここは湖だよな?
灰は血を洗うために湖へ行っていた。
「ん?ありゃ何だ?」
灰が湖を見ると…
「キュ~」
湖には蛇が居た。まだまだ、白く、美しい小さい蛇が居た。
「お、可愛いな。」
灰は言いながら、白蛇を見た。
白蛇は灰が見ているのに気づき、灰を見る…
「キュ!!キュ!!」
白蛇は笑顔で灰に接してくれた。
灰は喜んだ。
「(お、動物に好かれるなんて初めてだ。)」
そう思い、白蛇と一緒にのほほんっと座り深夜まで過ごす。
「ふわ~楽しかったな。」
灰は喜びながら、白蛇に聞く。白蛇は楽しいという表情で灰の言葉に頷く。
「キュ!!」
白蛇もそれに応えて言う。
「お!!そうか!!お前さ、名前は何て言うんだ?」
「キュ!!キュ!!」
白蛇は己の名前を言う。動物の言葉で。
「ははは!!そうか!!解ったぜ!!」
灰はそれを理解したのか言う。
「キュ!!キュ!キュ!!」
白蛇は嬉しそうに灰に巻きつく。
灰は空を見るとこれ以上は居られないと解った。
「悪い、もう、帰らなきゃいけない時間だ。」
灰がそう言うと…
「キュ!?キュ~キュ~!」
白蛇は灰にまだ居て欲しいと頼む表現している。
「何だ?まだ居て欲しいのか?」
灰は白蛇に聞く。
「キュ~…」
まだ居て!まだ居て!!そんな事を言う。
「悪いな、だけどお前さんが生きてたらまた会いに行くぜ。」
灰は目を瞑りながら言う。
「キュ?」
白蛇はその言葉に反応した…
「ああ、本当だまた会えるぜ。」
灰は言う。
「キュ!キュ!」
白蛇はとても喜んでいる。また会えるという可能性があると知って
「じゃあな!!ミ…ク…ジ!!」
灰はそう言い、永琳の家へ轟音が鳴るぐらいのスピードで帰っていった。
「キュ………キュ!キュ!!」
白蛇は何かを決意したようだ。
何を決意したかは誰にも解らない。
その後、灰は永琳、依姫、豊姫に怒られたそうだ。
怒られた灰はどのように接すればいいか解らない為、灰は自分を抱き枕代わりにして
永琳達と一緒に寝た。
何故抱き枕にしたし…そう思った灰であった。
この白蛇は次の部の伏線的なものです。
解る人なら解るかもしれません。
次回ぐらいで月の民編はラストスパートです。
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