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東日本大震災:塩釜のカキ「支援オーナー」が1万口を突破

支援オーナー制度を発案した小泉善雅さん=宮城県塩釜市浦戸桂島で、渡辺豊撮影
支援オーナー制度を発案した小泉善雅さん=宮城県塩釜市浦戸桂島で、渡辺豊撮影

 東日本大震災による大津波で養殖資材や設備を流失した宮城県塩釜市浦戸桂島のカキ生産者が、養殖復興を目指して4月中旬から始めた1口1万円の「支援オーナー制度」の申し込みが1万口を超えた。宮城県漁業協同組合浦戸支所のホームページ(HP)で募集したところ「震災を忘れない」と震災発生日にちなんで311口を振り込んだ人もいた。支援金は既に1億円を超し、生産者は復興への希望を抱き始めている。【渡辺豊】

 カキ生産者、小泉善雅さん(36)が発案したオーナー制度は、浦戸の海産物を販売する同支所のHP「うらと海の子」を活用。オーナーから集まった支援金は組合員が共同で使う養殖資材・設備の購入費に充てる。オーナーには収穫したカキやノリ、ワカメなどを発送する。

 申し込みは国内だけではなく、仏ブルターニュ地方でカキ養殖に関わる日系人ら海外からもあった。27日までの件数は計約1万1000口(約6700人)で、支援額は約1億1000万円。

 同支所は来週中にも市の担当者を交えて実行委員会を開き、購入する養殖資材・設備を決めるほか、オーナーへの還元策を詰める。思わぬ反響に「オーナーへの証書や礼状を送れない状況が続いている」と小泉さん。予想以上の応募があったため、収穫がオーナー数に追いつかない懸念も出てきており、オーナー募集をいつまで続けるかについても検討する方針。

 小泉さんは「これだけの支援に応えるには立派なカキを作るしかない」と決意を新たにする。同支所の千葉真澄運営委員長(69)は「オーナーになってくれた方は、大切な顧客として末永い付き合いをお願いしたい」と話している。

 問い合わせは、HP「うらと海の子」(http://www.urato‐uminoko.jp/)

毎日新聞 2011年5月28日 15時00分

 

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