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'11/6/2

怒り収まらぬ「小沢王国」被災者

 「小沢王国」といわれる小沢一郎元民主党代表の地元、岩手県の被災者も不信任騒動をあきれながら見守った。

 「わたしたちの町は壊滅したんだよ。ばかにするなと言いたい」。陸前高田市で被災した田んぼの塩害対策に取り組む村上富夫さん(63)は怒りを抑えきれない様子。「駄目なリーダーでも支えるのが普通でしょ」と語気を強めた。

 大槌町の避難所「城山公園体育館」のロビー。テレビに否決のテロップが出ると、数人が無言のままうなずいた。

 父(62)が行方不明となった無職菅谷康行さん(33)は「可決されて総選挙になっていたら、もっと大きな空白ができていた」と険しい表情。

 津波で亡くなった町長の職務を代行する東梅政昭副町長も「町は選挙に対応できない。どうなるのかと心配だった」と振り返り「被災者や被災自治体の方を向いて議論してほしい」と批判した。

 宮古市の小学校で避難生活を送る伊藤正義さん(71)は、棄権した小沢元代表を「ずるい。責任を持って投票すべきだった」と指摘した。

 奥州市にある小沢元代表の地元事務所は終日無人。陸前高田市から奥州市内の旅館に避難している男性(60)は「小沢さんは除名されても仕方ない。避難生活も2カ月以上になり、まだ義援金ももらっていない。被災地に目を向けてほしい」と訴えた。

 小沢元代表の後援会幹部は「菅首相の退陣表明で、決議案に賛成表明していた小沢氏は目標を達成できたはずだ」と分析した。




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