民主党代議士会:菅首相と鳩山前首相の発言要旨

2011年6月2日 20時30分

 民主党代議士会での菅直人首相と鳩山由紀夫前首相の発言要旨は次の通り。

 <菅首相>

◆当面の課題

 代議士会にもっと頻繁に出て皆さんの声を聞くべきだったが、果たせなかったことをおわびしたい。私に不十分なところがあって、東日本大震災の中でも野党が内閣不信任決議案を出すことにつながった。迷惑をかけることもおわびしたい。

 私たちは今、復旧・復興の道筋をつけ、福島第1原発事故の一日も早い収束に全ての力を傾注させなければならない。この間、政務三役はもちろん、全ての与野党国会議員、公務員が全力で課題に取り組んできた。

 今後は三つのことを目標に取り組む。(1)原発事故の収束、復旧・復興に全身全霊を挙げて最大限努力する(2)民主党を決して壊さない、壊してはならない根本に立って行動する(3)民主党中心の政権を自民党に戻さないようしっかり対応していく--ことを基本に置く。

◆進退

 私には地位にしがみつくために発言、行動しているとの厳しい批判もあるが、首相という極めて重い立場の責任を、議員や内閣メンバーと一緒にどこまで果たせるかを考えてきたつもりだ。

 震災復旧・復興、原発事故の収束に一定のめどがつき、やるべき役割を果たせた段階で、若い世代にいろいろな責任を引き継ぎたい。私には(四国八十八カ所巡礼の)五十三番札所から八十八番札所までお遍路を続ける約束も残っている。

 責任を持った民主党として若い世代が国民の理解を築き上げることが、政権交代の時に国民が期待し、被災地の皆さんが望むことにつながる。しかし、一定のめどがつくまで私にその責任を果たさせてほしい。不信任案を一致団結して否決するようお願いする。

◆鳩山氏との会談

 1年前に鳩山由紀夫前首相の発言をこの場で聞き、身を捨てて国を考えて行動されたことを思い出した。鳩山氏とは直前に文書を確認し、重要な役割を担うに足りる若い世代が育ってきていると100%一致した。私の性格が強気で勝手すぎるところもあるが、この国難を乗り越えて民主党がしっかりと政権を担当し、次の時代に備えるために、私に先頭に立たせていただきたい。

<鳩山前首相>

◆首相発言の意味

 ちょうど1年前の同じ日に、私は今の菅首相の立場の中で、両院議員総会で話していた。私は先ほど首相が、重大な決意を申されたと理解している。

 先ほど、首相と官邸で二、三十分ほど話した。「大震災の復興に国を挙げて努力しなくてはならない時に、停滞は許されない」「与野党が協力する体制の中で、迅速に物事を決めていかなければならない」「このような時に、内閣不信任案が提出される状況になり、党の中で厳しい環境が出てきている」ことを申し上げた。

◆進退

 そして、一定の仕事を果たされたあかつきに、大変恐縮だが、身を捨てていただきたい、職を辞していただきたいということを、お願い申し上げた。そのことによって、身を捨ててぜひ党を救うというよりも、国難を救っていただきたいということも申し上げた。

 そのことに対して、先ほど首相が重大な決意を自身の言葉で述べられたと私は理解する。

 具体的には、復興のために現在議論を進めている復興基本法案を成立させる。さらに2次補正予算案の早期編成のめどをつけていただく。成立というよりもめどをつけていただきたい。そのあかつきに恐縮ながら、自身の身をお捨て願いたいということも申し上げた。首相と鳩山との間で、今のことで合意した。

◆不信任案反対を

 ここは国難の時だ。民主党がバラバラに見えてしまっては、国民にも何をやってんだとのそしりを免れないことになろうかと思う。ぜひ、一致して行動できるように、今日は代議士会の皆さま方に私の方からのお願いをさせていただきたいと思っている。

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