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福岡県警元警部補の着服隠蔽か、発覚後借用書作成

 福岡県警東署交通2課の元警部補(50歳代)が在職中の2009年12月から昨年1月にかけ、課員によるレクリエーション用の積立金約50万円を使い込んでいたことが2日、関係者への取材で分かった。

 元警部補は読売新聞の取材に対し、着服を認めているが、昨年1月の不正発覚後、同署では元警部補から上司への借用書が作成されており、着服を金銭貸借にすり替えて隠蔽した疑いがある。県警は、当時の事実関係を確認するとしている。

 関係者の話や読売新聞の情報公開請求に基づく開示記録によると、元警部補は課内のレクリエーションや旅行などに充てるため、課員が積み立てていた金の管理を1人で担当。複数回にわたって流用を繰り返したという。

 昨年1月28日、県警博多署の交通1課員が同様に課員から集めた積立金約100万円を着服したとして懲戒処分を受ける事案が起きたため、翌29日、東署でも積立金の管理を確認しようとしたところ、突然、元警部補が姿をくらまし、長崎県内に失踪。東署幹部から説得されて同30日に署に戻り、使い込みを認めた。パチンコなどに興じて数百万円の借金があったという。

 借用書が作成されたのは同31日。元警部補名で、上司宛てに作成され、全額返済された。その後、東署では、かん口令が敷かれたという。

 県警監察官室は元警部補から事情を聞いたが、昨年3月31日付で、「2日間にわたって所在不明となり、職務を放棄した」として、懲戒処分ではなく、内部処分にあたる本部長注意として公表せず、着服については処分しなかった。元警部補は同日付で辞職した。

2011年6月2日  読売新聞)
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