東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて原発の新規建設計画を凍結したイタリアで、原発の是非を問う国民投票が今月12日と13日に行われることになりました。
イタリアでは、1986年のチェルノブイリ原発の事故を受けて、すべての原発が廃止されましたが、ベルルスコーニ政権は電力の自給率を高めようと原発の新規建設を打ち出し、これに反対する野党側の求めで、国民投票が計画されていました。しかし、福島第一原子力発電所の事故でイタリア国内で反原発の世論が高まったため、ベルルスコーニ政権は国民投票を避けることを狙って原発計画の無期限凍結を打ち出しました。この国民投票についてイタリアの最高裁判所は、1日、原発計画を凍結することと、完全にやめることは異なるとして国民投票は当初の予定どおり今月12日と13日の2日間、行うべきだという判断を示しました。国民投票では原発再開に反対する人が多数を占めるとみられるだけに、国民投票を避けたかったベルルスコーニ政権にとっては思惑が外れた形です。福島第一原発の事故のあと原発の是非を問う国民投票が行われるのはこれが初めてで、イタリアの国民投票の行方は、ヨーロッパ各国の原発政策にも少なからぬ影響を与えることになりそうです。