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SRAM使いへの道13 - DoubleTapを分解する

2008.08.27 Wed 23:06 | 自転車 > 道具と機材

乗鞍ではアウターギアを必要とするような場面が存在しない(表彰台の常連であるBSの藤田選手も前は36Tのシングル)ため、3年前に初めて出場した富士ヒルクライム以来久しぶりに自転車をフロントシングル化することにした。ただ、今回は年に一度の大一番だけに、どうせやるなら徹底的にと思い、左シフターのメカ取り外しにもチャレンジしてみた。

なお、SRAMコンポの分解図は公式サイトSpare Parts Listからダウンロードできる。
下の図はREDの分解図。REDはリーチアジャストの機能がついているため少々部品点数が多いけど、基本的な構造はFORCEもRIVALも同じ。

RED分解図
RED分解図(ブラケット部拡大)
ブラケット部分を拡大したのが左の図。ブラケットを持ったときに掌が包み込む部分の内側(赤で示した部分)にシフトの機構が入っている。この図には描かれていないんだけど、ここからもう1ステップ踏むことでこの機構部分も切り離すことができる。

ここからは、実際に僕が作業した手順を追っていく。

ラバーフード
まず最初にブラケットのラバーフードを取り外す。シマノと同じく手前側から外すタイプのため、レバーをハンドルから取り外さないと作業できない。レバー単体になってからの作業は単純だが、ブレーキワイヤーまで外す必要があるし、作業が終わってからレバーの取り付け位置を決め直さなければならないので、機構の単純さからイメージしていたよりは作業量が多い。

ラバーフードは21g。レバー全体で151g(実測)しかないことを考えると意外と重く、外したくなる人の気持ちが少しだけ分かる。

フードを外した
内側3本(写真赤枠内)、外側1本のネジをそれぞれプラスドライバーで外す。内側はメカの蓋を留めているもので、外側はワイヤー巻き上げの機構全体(ラチェットとシフトレバー)を貫く軸の抜け止めになっている。


ワイヤー巻き上げ部分
蓋をあけるとこんな感じ。ワイヤーを巻き取るラチェットの歯車と爪、そしてシフトレバー。部品は大きく分けてこの3つしかない。

本当はここから先の作業をする前にブレーキレバーを外した方が楽なはずなんだけど、ブレーキレバーを固定している軸(最初の分解図1番)がどうしても抜けないのでひとまず諦めて裏技的な方法で対応した。レース直前に壊してしまうといろんな意味でダメージがでかいので無理はできない。この辺については今度なるしまへ行ってSRAM使いの小畑さんにでも聞いてこようと思う。

さてその方法は、というと…

ラチェットの<br />
軸を抜く1
まずシフトレバーを動かしてスペースを作り、ブレーキレバーを限界まで握った状態にする。するとブレーキワイヤの差し込み部分が大きく開くので、ここから棒を突っ込んでラチェットの軸を押し出す。軸は写真の赤線のあたりを通っていて、棒を突っ込むところからライトで照らすとその先端が見えるはず。

ラチェットの<br />
軸を抜く2
うまく押し出すと写真の位置から軸が飛び出してくるので、これをプライヤーで掴んで丁寧に引き抜く。この難所を越えれば後は楽なものだ。

シフトレバーを外す
軸が抜けるとシフトレバーは簡単に外れる。ラチェットの歯車も軸が抜けたことでフリーになっているが、押さえつける爪のバネが強いため歯車を外すのは難しい。先に爪を外してやる。

ラチェットの爪を外す
爪の支点になっている軸を抜く。この軸には抜け止めのリングが嵌っているので、マイナスドライバーなどを使ってこれを押し出して外すと、軸は抵抗なくスルっと抜けるようになる。

からっぽ
後は爪と歯車をそれぞれ取り外しておしまい。ブラケットの中はきれいさっぱり空になった。蓋を閉めてラバーフードを戻し、組み付け直そう。

取り外した部品
今回取り外した部品。重量は合計で40gあり、これで左レバーの重量は151g→111gに。これだとシングルスピード用のブレーキレバーよりも軽かったりする。部品の点数が少なく作業が比較的容易だったことを考えると、(手間+費用)対効果は悪くないと思う。

実は一度全バラシした後、今回の撮影のために再度組み立ててまたバラすという手順を踏んでいるんだけど、手順が分かってしまえば全然難しくなかった。少しでもバイクを軽くしたい人、どうですか。

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cabbit 2008.08.28 16:26
おぉーっ、気合はいってますねー
乗鞍、天気も回復しそうで良かったですね。

ぜひ頑張ってきて下さい! 
RYO the Black 2008.08.29 01:00
ちょっと気合を入れる方向を間違った気がします(笑)
ともかく、乗っているマシンに恥じない走りをしてきたいと思います。

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