「敵役って大変なんだな」　「三銃士」の山口祐一郎

　ミュージカル「三銃士」（７月１７日〜８月２６日）の制作発表が公演のある東京・帝国劇場で行われ、出演する井上芳雄、山口祐一郎らが出席。井上は「闘いは基本的に大嫌いで、体を動かすこともできるだけ避けたいタイプ。殺陣も得意と言えるように練習したい」と意気込みを語った。

　おなじみのデュマの「三銃士」が原作。フランス国王を守る銃士隊に憧れる青年ダルタニャン（井上）は、パリで出会った３人の銃士と固い友情を誓う。フランス王室を巻き込んだ陰謀を知り、ダルタニャンら４人は、リシュリュー枢機卿（山口）と対決することに…。

　悪役の山口は「三銃士とダルタニャンの若さと魅力的な人間性を際立たせるため、そういうものがまったくない役を一生懸命頑張って演じております」と小声であいさつ。仲のいい共演者を横目で見つつ「いいなあー。本当に僕の役は孤独なんだな。敵役って大変なんだな」と消え入るような声で会場を笑わせた。

　剣での戦闘シーンも魅力の一つ。共演者から「殺陣が一番うまい、格好いい」と褒められた紅一点の瀬奈じゅんは「すごく楽しいです。こんなに振り回すのが楽しいなんて」とニッコリ。

　山口がベテランらしく「どんどん（作品の）出来が良くなってくると、フェンシングの（剣の）先は折れます。舞台の奥から、（客席の）一番奥まで飛びます」と注意すると、ファンが詰め掛けた客席からは「エーッ」とどよめきが起きた。

　「どうやって気を付ければいいですか」と井上が突っ込むと、山口は「目をかっと開けて、ご覧になっていただければ。当たった場合、漏れなく何かついてくるってことありませんか？　そうしましょうよ」と話すと大きな拍手が起きた。

　福岡・博多座での公演は９月３〜２８日。