東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、東京都は、海外に輸出するすべてのコンテナ貨物を対象に、放射線量を自動的に測定する機器を東京港に設置することになりました。
原発事故による放射性物質の拡散を恐れて、海外では先月もオランダで日本のコンテナ船が荷降ろしを拒否されるなど、日本製品の輸入を控える動きが続いています。東京都は、東京港から輸出する貨物を入れたコンテナに放射線の検査器具を近づけて異常がないか調べる検査を先月から始めていますが、態勢に限りがあるため1日当たり平均して4700個のコンテナのうち50個ほどしか検査できないのが現状です。このため、すべてのコンテナを検査して安全性をアピールしようと、東京都はコンテナを積んだ車が2本の柱の間を通過するだけで自動的に放射線量を測定できる機器を東京港の64か所の入り口すべてに設置することになりました。国土交通省によりますと、同じような機器は核兵器の輸送を監視するため国内外で設置されていますが、放射線量を測定するために設置するのは国内では東京港が初めてです。東京都は、今後、メーカーに機器を発注して納入されしだい、設置を進めることにしています。