菅内閣に対する不信任決議案は、2日午後の衆議院本会議で採決が行われます。民主党内では、小沢元代表や鳩山前総理大臣らが賛成する考えを表明するなど、NHKの取材では、70人近い議員が賛成する意向を示しているほか、態度を明らかにしていない議員もなお多く、党執行部と小沢氏らとの間で、決議案の賛否を巡るぎりぎりの攻防が続いています。
菅内閣に対する不信任決議案の提出に先立って、自民党の谷垣総裁と公明党の山口代表が1日に会談し、菅総理大臣の下では、東日本大震災からの復旧・復興や原発事故の収束は実現できないという認識で一致しました。そして、1日夕方、自民・公明両党、それに、たちあがれ日本の3党で決議案を提出し、衆議院議院運営委員会の理事会で取り扱いが協議された結果、2日午後1時からの衆議院本会議で採決が行われることになりました。野党側のうち、共産党は採決を棄権するとしているほか、社民党も棄権する方向で調整しています。その場合、不信任決議案の可決ラインは232となり、野党側の150人に加え、民主党から82人以上が造反して賛成に回れば、可決されることになります。NHKの取材では、70人近い議員が賛成する意向を示しています。また、40人近くが態度を明らかにしていません。こうしたなか、小沢元代表は1日夜、みずからに近い議員ら70人余りが集まった会合に出席し、記者団に対し、菅総理大臣の原発事故への対応を批判し、不信任決議案に賛成する考えを明らかにしました。また、鳩山前総理大臣も、みずからに近い議員との会合で決議案に賛成する意向を表明しました。さらに、小沢氏に近い副大臣3人と政務官2人が決議案に賛成したいとして辞表を提出しました。小沢氏に近い議員の間では、80人以上の賛成は確保しており、可決の可能性は十分にあると見ています。一方、岡田幹事長ら党執行部は1日夜、都内のホテルに集まり、党内の情勢を分析しました。この中では、「現状では否決できる」という見方が多く出されましたが、賛成に回る議員の数は50人程度には上っており、情勢は予断を許さないとして、態度を明確にしていない議員への働きかけを続けることを確認しました。また、決議案に賛成した議員には厳しい姿勢で臨む必要があるとして、衆議院本会議のあと、速やかに役員会や常任幹事会を開いて、執行部として、除籍処分とすることを提案する方針を確認しました。さらに、菅総理大臣は、仮に不信任決議案が可決された場合は、直ちに衆議院を解散して総選挙に踏み切りたいという意向を周辺に伝えており、党執行部と小沢氏らとの間で、決議案の賛否を巡るぎりぎりの攻防が続いています。