高濃度汚染水 水位の上昇続く
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高濃度汚染水 水位の上昇続く

6月2日 4時15分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所では施設にたまった高濃度の放射性物質に汚染された水の水位が上昇を続けていて、東京電力は、雨などでさらに水位が上昇した場合に備え、新たに敷地内にある2つの施設を汚染水の移送先として使えるか検討しています。

東京電力によりますと、福島第一原発では1日午後5時までの24時間に、▽2号機のトレンチと呼ばれるトンネルの縦穴部分とタービン建屋の地下が、いずれも6センチ、▽3号機ではトレンチが2.6センチ、タービン建屋の地下が2.4センチと水位が上昇しました。特にトレンチの汚染水の水面から地上までの高さは、▽2号機で30.6センチ、3号機で25.2センチと、当初、東京電力が水を移送する目安としていた1メートルを大幅に下回り、あふれないか懸念されています。このため東京電力は、梅雨の大雨などで急激に水位が上昇する場合に備えて、新たに2つの施設を汚染水の移送先として使えるか検討を始めました。ただ、これらの施設は地下が1階までしかなく、それほど多くの汚染水をためることはできないということで、東京電力では、今月中旬を目指している水の浄化装置の稼働を確実に行い、高濃度の汚染水の処理を急ぐとしています。一方、1号機の原子炉建屋の地下では、汚染水の水位が先月31日の夕方以降、低下していて、1日午後5時の時点では、前日に比べて3.5センチ下がり、水位が上昇しているほかの施設の汚染水とは反対の傾向を示しています。東京電力では「蒸発などによる変動の範囲内かもしれないが、放射線量が高いところがあり、調査ができず原因は不明だ」としています。このため周囲の地下水の放射性物質の濃度を測定して建屋から汚染水が漏れ出していないか、調べています。また、3号機のタービン建屋から移送した汚染水を保管している施設でも僅かながら水位が変動していることから、周囲に漏れ出していないか、引き続き監視しています。