部屋には、先客が居た。
男が一人椅子に座っていた。
梶原だった。
「か、カジさん!…俺を売ったのか?」
目をそらしてこちらを見ようともしない。
長谷川一人がテーブルを挟んで向かい側に座らされる。
テーブルの上には宇宙食のような物が並べられていた。
「すまんね。ご馳走では無くそんな物を食べさせて。しかし、しばらくこの食事に慣れてもらわないといけないことになる。申し訳ないが我慢してもらうよ。」
「何で俺がこんな物食べないといけないの…か…?」
険しい顔をして長谷川は呟いた。
「まあ、後で分かる。どうだ、腹は減って無いのか?気が進まないなら後でゆっくり食べなさい。それで、質問だが…。」
「その前に俺が質問してもいいか?」
「なんだね?」
「一体、お前らは何なんだ?」
「なるほど。簡単だよ。君は今、世界中のエージェントから狙われている。金の卵なんだよ。これだけ言えばわかるだろう?」
「?」
「なんだ、まだ呑み込めていないのか。少しは賢い奴だと思っていたんだが。」
男はもったいつけるような仕草をしながら話し始めた。
今、日本で起きている怪異な現象。
すべてはウイルスが原因である。何故か今は日本人にだけ感染し、発症すると異常活性化する事。
他の国々は日本の暴走を恐れていると同時に、分析し軍事利用したいと考えている事。
最後に、あらゆるウイルス感染と同様、抗体が存在し、その抗体を持つ人物が長谷川たった一人だと言う事。
男はこれらを一気に説明した。
「わかったろう。さて、次は私達の質問に体で答えてもらおう。」
男の横に居た3人が立ち上がり、長谷川の体を押さえつけた。
椅子にタイラップで括り付ける。そしていきなり注射器で血液を抜きにかかる。
注射器は50mlが15本並んでいた。
「これが一本十数億ドルだ。一番高値で買うのは北朝鮮とアルカイダだな。」
長谷川の呻き声が空しく部屋に響いた。
BOZZ@AGAN
芸能サブカル裏情報コチラ
総力特集