十八日の参院予算委員会集中審議で、福島第一原発事故を受けて政府が設置した「原子力災害現地対策本部」の本部長が、頻繁に交代していたことが明らかになった。政府は事実関係を認めた上で陳謝した。
原子力災害対策特別措置法では、現地対策本部は緊急事態が想定される地域に設置。事務を掌握する本部長は、首相が副大臣や政務官の中から指名することになっている。今回の原発事故を受けて、三月十一日に設置された現地対策本部の本部長には、経済産業省の池田元久副大臣が就任した。
原子力災害対策本部によると、池田氏の就任後、本部長ポストは四日後に松下忠洋副大臣、その十四日後に再び池田氏、その三日後に中山義活政務官が務めるなど、三人の間で六回も交代した。四月十一日以降は池田氏が務めている。
この問題を取り上げた岩城光英氏(自民)は「本部長がころころ代わって、現地で責任ある対応ができるのか非常に疑問だ」と迫った。
これに対し、海江田万里経産相は「これほどころころ代わってはいけなかった。おわび申し上げる」と陳謝。「(本部長は)現地に二十四時間詰めていないといけないので、池田氏が(政府への)報告で現地を離れる時、もう一人の副大臣か政務官に辞令を出し、本部長に任じた。菅直人首相の許可は得ている」と釈明した。
首相は「現地本部には、重要な役割があると認識している」と述べるにとどめた。
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