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[28072] 光菱財閥奮闘記!!~1982年から頑張って~
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c
Date: 2011/05/31 13:44
【習作】光菱財閥奮闘記!!~1982年から頑張って~
はじめまして、カバディと言います。

ここの先輩方の作品を読んで、感化してしまったしがない学生です。
初作品でありながら、早いペースであげることを一つの目標にしているため、拙い所ばかりになってしまうとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。

読者様に読み始めていただく前に、注意事項として

・主人公の能力がチートに属することから目的が高く、チート対チートになること

・この現実世界の軍事技術で太刀打ちできない敵がBETAとしているので、マブラヴ本作品よりもBETAが強い描写が多いこと、こじつけですが人類が負けている理由を独自解釈しての独自設定を繰り広げる作品となっていること


・上記の理由により独自設定だらけであること

・恋愛要素はない

・自分なりに適度に現実的(笑)な物語にしなければと考えているため、所々否定的な面があること

・どちらかと言えば、マブラブ世界の設定を借りたオリ主を別に置いたオリジナル作品であり、原作のシナリオ通りには進まないこと

・マブラヴ世界の所々の部分については独自解釈、独自設定となるため、オリジナルと食い違いがあること

・テンポ良く進めたいため、時間が進むのが早く、会話や感情描写が著しく少ない

・主人公がBETA大戦での人類を導く行政官でもあるため、戦術単位の戦闘描写がほとんどない、あるいは中盤以降までないこと

・未だ未熟の上、速さを求めており、描写が三人称だったり一人称だったり変化してしまっていること

・・また上記にある通り、BETAの強さがUPしているので筆者の実力不足によりご都合主義になってしまうかもしれませんがご容赦のほど、よろしくお願いいたします。




このような話となる予定のため、上記の内容が気に入らない読者様は大変心苦しいのですが、ご遠慮戴いたほうがよろしいかと思います。


------本編に入る前に簡単な初期設定を--------

主人公は転生系に近く、「攻殻機動隊」という作品の世界の中の2030年の日本から1982年へ、
というお話です。

いろいろな世界の知識を持っていますが、ある問題のため欠落が発生しています。題名のとおり、原作でも出てくる光菱重工は財閥系企業として、その財閥に奇妙な習わしがあったなら…というお話です。

主人公の性格は、転生後の体にある元の人格に引きずられるため、基本、明るくダークな性格ですが、ところどころ正義感があふれでてしまう…と考えています。

BETAに対しては人類が勝てない理由を独自設定ですがこじつけており、本編の一部を改変した形で少し強くなっております。

最後に、自分の実力をつけるためなのですが長い目で見て頂けたら助かります。





[28072] 第Ⅰ章 1話 誕生
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c
Date: 2011/05/30 00:44
BETA
-Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race-

サクロボスコ事件が発生した1967年に命名された「人類に敵対的な地球外異星起源種」と呼ばれる、人類歴史学上最大の危機を生む可能性の高い宇宙生物。

人類が初めて遭遇した地球外生命体であり、数多あるパラレルワールドの中で人類を滅亡の淵に追いやってきた非炭素生命体からの殺戮の使者。その醜悪な見かけに相まって、純粋な暴力と物量による蹂躙は人類の半数を死に至らしめてさえ、止まることを知らない。

その人類の死神たるBETAから極東の島国を守るべく、ある儚い電子精霊が多重世界から一つの奇跡を手繰り寄せようとしていた。

第16次元世界管理者日記より抜粋


日本 某所


・・・
・・・・・
・・・んっ・・・
・・・あ、頭が痛い・・・・

体が動かねえ・・・

事故ったのか俺?

大学入学で浮かれすぎて車にはねられでもしたか?
…まさか電脳を焼かれたか?おれが?
くそっ!!意識がはっきりしない!靄がかかってやがる!なんなんだ!!これはっ!!

そう少年が慌てふたむきながら自分の状況を把握するために周りを見回して見たが、そこには信じたくない情景が目の前にあった。

「・・・はぁ? 森?なんで?」

そう 少年が先ほどまでいた都会の灰色のジャングルとは違い、何かの冗談であるかのように神霊な森に囲まれ、その中央には荘厳な雰囲気を醸し出したこの世の中心であるかのような巨大な大樹が目のまえにある。

なんだ?ユグドラシルか?この木は?と彼が呆けている時だった。
「孝明(こうめい)様!孝明様!お気を確かに!」

あっ!?なんだこの美人?誰だ?知り合い…だっけ?

そう思うのも無理はない。このようななにもかもがおかしい状況ではあるが初対面なのは確かなのだから。だからこそ、本当に知らない人物が気遣ってくれていることにおかしいと思う反面、この人に心配をかけてはならないのだと確信できる自分に気づいてしまった。

・・・いや・・俺は知っている・・のか?

「孝明様、私がお分かりになられますか!?孝明様!!!」
うるさいなぁ・・・・え~えっと・・・エリコ。そう恵理呼だ。

おぼろげな意識と感覚の中、少年は答える。
「恵理呼だろ。ちょっとうるさいよ。頭痛いんだから耳元で騒がないでほしいんだ」
少年の前にたたずんでいる彼女はこの俺に仕えている秋元 恵理呼 というらしい。
たしか17才だったはず。俺の教育係さん。専属メイドさんみたいな感じか?外見の雰囲気は…ブリー○の八番隊副隊長 伊勢七緒ってキャラが丸くなった感じ…かな?

と、場違いな感想を抱いた自分に一番驚いたのは彼だった。
だがしかし、それ以上の驚きが彼を襲う。

・・・・あれっ!?
なんだ!?

なんか急に泣きだしたんだけどっ!?
なにっ!?ちょっと強く言い過ぎたのか?
彼女なんていねぇし、女の扱いなんてわかんねぇよ!!誰か助けて!!!てか頭痛ぇぇーし、現状がわかんねぇよっ!!

完全に混乱状態である。
「孝明様(こうめいさま)・・・天霊祭をよくぞ、よくぞ・・ご無事で・・・私は、私は嬉しくて・・うわぁ~ん!!」
まさかのうれし泣きですかぁぁ!?            

・・・ってか天霊祭って!?
祭りではしゃぎすぎて頭でも打ったのか?そうだったら俺がドジっ子やん!!
何が何やらわからない状態で今の現状を把握することが最善なのだと考え始める少年。
「ど、どどういうこと!?」
ど、どもったーっ!!!
「孝明様・・・やはり記憶の欠落が・・・無理もありません。
光宮家始まって以来、天霊祭の成功者たる天主様は財閥創設者たる弥太郎様のお一人だけ・・・
・・・そうですね、大業を成し遂げたあと・・混乱していらっしゃる今、最初から説明したほうがよろしいですね・・・」

なんか一人納得して説明しだしたよ!?置いてけぼりなんですけどぉぉお!?

※注…しばらくお待ちください…

まぁ・・・そのあとの恵理呼さんのありがたーくてなっがぁ~い話を要約するに
皇帝陛下の近衛として先祖代々仕えてきた光宮家。(天皇陛下じゃないんだね)
その第83代目頭首であり(それまでの位は低かったらしいんだけどね)光菱財閥の創設者でもある光宮 弥太郎 ってご先祖様が森の大天樹に埋まっていた神器(まぁオーパーツってやつか?)を触れるたことで、他の世界からの情報を脳に流入することでそのご先祖様が類稀な技術力と想像力等を手にいれ、それをいかすことで今ある大きな財閥を作ったってわけだ。説明乙

…待てよ?皇帝陛下?光菱財閥?なんだそれ?
まぁ、ちょっと保留ということで(現実逃避ですがなにか?)

で、対象者にその神器による情報の流入を起こす儀式ってやつが「天霊祭」ってわけだ。
なんてオカルト(笑)当事者じゃなきゃどこ新興宗教だよっ!!ってツッコめるんだがなぁ…当事者だし笑えん…
しっかし良く考えてみると光宮家の人間しか成功せず、その光宮の人間でも成功者が1人だけってとんでもなくひどいな・・

・・・まあ頭に容量オーバーの情報を無理やり詰め込むわけだからしゅうがないちゃ~しょうがないか・・・・・・

と少年は恵理呼から聞いた内容を整理しながら気づいてしまった。
っ あれ?成功率低すぎじゃね!?
あれっ!?俺を殺す気だったの!?   と。

「まさに孝明様の言うとおりなのですが、状況が祭りの強行を促してしまい、わたくしめにはどうすることもできず・・・・・」
わかった!わかったから泣かないで!!!泣きぼくろ持ちの女性はずるいよっ!!!



ということは…

いろいろおかしいよね?
第一、俺の体小さくね!?
大学1年のはずなんだけど!?てか孝明って名前だっけ?・・・あれっ?ボケたか?

そう考える少年は自分の記憶が正しければ、彼が生きてきた世界というのは
西暦2030年、光や電子となった意思をくみ取ることが出来る時代であり、その最先端のテクノロジーを駆使した電脳をもつ最先端サイボーグであるはずの体は、19歳になったばかりのはずであるときづいた。 
しかし、四肢に働きかける信号が己の体は生身であることを証明している。そしてあまりに脆弱で小さすぎるということを。

そんなわけのわからないことだらけの世界でパニックになり始めた自分の脳を、フルに使って自分の現状を把握することに努める。
そうすることが生きる道だと、まだ20歳をこえたばかりの十分でない経験が告げていた。いや彼自身に宿ったゴーストが。
そして気づく。
あれっ!?なんだこれ・・・
いろいろな人間の記憶が頭にあんぞ!?なんなんだよ!?

そして気づく。電脳世界で疑似的に経験できるデータとしての記憶ではなく、しっかりと時間をかけて培い、死んでいった現実であった記憶が生身となった脳内のシナプスを駆けめぐていることに。

「ほう・・・珍しいこともあるものだ。体を持つ人格が主ではなく、他の記憶が主になった人格を形成するとは」

誰だよっ!?説明終わってねぇのに新しいキャラが出てきてんじゃね~よ!!!

彼自身が今の現状を把握しだした時、いかにも怪しげなモノがその思考を止める。
「す、すまない・・・」
ってか足ねぇーぞ!!!?この女!!幽霊か?幽霊なのか!?今日はエイプリールフールの大量発注ですかっ!?うわっぁあああ~!!!どうなってんだっぁ!?
パニックのなか、必死にクールになろうとした脳がまた発熱し始めていると自覚しながらも止めることができない彼。そんな彼に怪しげなモノが語りかかる。

「多元宇宙漂流物であり、今は亡き弥太郎との盟約のもと、光宮家、ひいてはこの日の本の国を守護する電子精霊 それが我たる マリヱ だ   
あと、ちなみに今日は2月7日だぞ?」
冷静なツッコミどうもありがとね♪ってパニックってる時に出た戯言ですよ!!
意外にもその言葉に冷静を取り戻した自分に気づいてない彼は、脳内で思っていることが相手に通じていることさえも気づいていない。

「そ、そうか、やはり人間の言い回しにはいつになってもなれんな。
  
おっ!!そうだ。そうだ。あまりの珍事に大切なことを忘れていた。
まず始めにお主に話さなければなるまいことがある。こころして聞くが良い。」
「えっ?なにっ?」
「お主が混乱しながらも、今一番知りたいであろう、そうなった原因、そしてこれからの人生で大切になるだろう問題。
それは、そう、主がそうなった原因たるこの天霊祭において、祭りを施行したのは我たる神器:マリヱであり、記憶の渦から主人格たる主を呼び寄せる結果を導いたのは我だ」

あっ!?
今なんて?  なんか顔がコー○ギアスのC2似た顔で何言ってんの!?
いきなりの犯人の自供に怒りを通り過ぎて呆然とする少年。
そこにさらに言葉を重ねる魔女。
「このような特殊な例は初めてではあるが、人一人の人生を誤らせたのは事実、責任を果たさねばなるまいな。謝って許されるものでもないが、主の下僕と成ってでも弥太郎との盟約の沿う形の中だけではあるが主の全ての願い叶えるため、尽力しようと考えてはいるが・・・」
てめぇが犯人かっ!!!!!?早く元に戻せよ!!早く帰らねぇと冷凍庫のアイス食わないと妹に食われちまう!!!!
しかも電子精霊って!!

あ~頭痛治まってきたけど、逆に腹がムカムカじゃーっ!!!!
「す、すまない・・・
だがしかし、今のところ元に戻る術は見つかっていない・・・のだ。

誠にすまないとは思う、いきなりで混乱してしまうのもわかるのだが・・・・今現在、BETAなる異形の怪物が人類の未来をも喰らおうとしておるのだ。それを食い止めるためにも異界の技術が、主の存在がこの人類には必要なのだ!!!!その犠牲を少しでも、少しでも減らすために主を呼んだのだ・・・厚かましいとは思うが・・・協力してほしい。…いや、まだ判断は無理であろう。今言った、なぜ主を呼んだのかを知ってほしい。そしてしかる後、答えを聞かせてほしい。」
で、その犠牲を無くすための犠牲が俺ってわけですか・・・・

「すまない・・・」
んっ!??

ってかBETAっ言った!?まさかこの世界って!? マブ、マブラ・・・
おいっぃぃぃぃぃいいいい!!!!今いつだよ!?
「今か?1982年日本、BETAが地球に飛来してからちょうど10年、今日はお主、光宮 孝明 生まれて8回目の誕生日だ」

・・・・・・えへっ♪ぼく みつみや こうめい はっちゃ~い♪
まぶらぶせかい に ひょうい しちゃった♪ あっはは~♪ぼくってなんてドジっこなんだ♪てへっ♪


っじゃねーーーよっっ!!!!!!
びっくりしすぎて精神だけ、精神と時の部屋に飛んじゃったヨ!!!
ってかどうすんだ!!頭パックンチョされてる自分の将来がありありと見えるよっ!!!
たすけてーーーっ !!!!タケルきゅーん!!!


恵理呼「っ!?いきなり孝明様が独り言を・・・・・・・まっまさかっ!?天霊祭の影響で重度の記憶障害が!?まさかっ!!?孝明様に!?孝明様!!!お気を確かに!!!孝明さまぁぁぁああああつ!!!!!」
情報生命体であり一つの精霊であるマリヱは他者から観えないため、心の中でこれからも守り続けると誓った相手である少年が、いきなり彼方に語りかけ、いわゆる電波クンにしか見えない恵理呼であった。

こうなった原因とこの世界が自分の知る「あいとゆうきのものがたり」であることだけがわかった今日、

彼がもう少しの人生を歩んでから、俺がこの世界に降りたった一日はこんな慌ただしい一日だったなぁ~
と思う一日の始まりであった。



[28072] 第Ⅰ章 2話 契約
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c
Date: 2011/05/31 17:39
「マブラヴ」という作品がある

ストーリーは主人公である白銀武が彼の生きていた世界の平行世界に迷い込んでしまい、その平行世界で世界を滅ぼそうとする、陸戦型劣化宇宙怪獣(BETAとも言う)と戦う物語。

ここで浮かぶ一つの疑問、2030年から来た者である「俺」が、この世界であるマブラヴという作品をなぜ知っているのかだが、唯一の趣味となった「ネットダイヴ」で情報の海の中から掘り出した、30年以上前のレトロ小説書庫の中に入っていたからだと言える。

その中でもお気に入りとして登録した「マブラヴ」ではあるが、原作がエロゲーとは思えない頭パックンチョ事件はある意味で新しい次元を開発した作品だと個人では思っている作品だ。(えっ?)

このマブラヴという作品の本編を簡単に説明するにあたって、元の世界のギャルゲ風な話と平行世界の軍事的な話の一周目とその経験を活かした二周目の話に別れていることがあげられる。

人気のある二周目(マブラヴオルタネィティヴ)では、一周目の知識と後悔が大半となっている経験を活かして、地球を救うために努力し、結果、多大な血を流しながらもBETAの司令塔である上位存在を見事撃破して終わっている。

しかしその結末はハッピーエンドでは決してなく、
"多大な血"の中にゲーム内のヒロインほぼ全てが入っているという、エロゲーでも珍しい「ヒドい結末」が最も良い"結果"となるヒドく現実的なゲームでもある。

言ってしまえば、主人公が主人公らしく未来知識を活かしてオレTUEEE!!しようとした。

が、人類のウチワモメに巻き込まれるという現実的な流れによって主人公の働きも虚しく、BETAが人類に対してオレTUEEE返しをされる結果になる話だ。(えっ?えっ?)


そんな物語という物の中で、最強の概念生物である「主人公」でもハッピーエンドは無理であるストーリーの中に、紛れ込んだオレ…

未来の知識を持つだけの個人など、禁則事項ごと光線級によって薙払われるのは、必定であるこの世…

どうすんだょぉおおおお!!!!!である。


たまたまオレが昔の作品が好きな少年(決して金がないから無料電子図書で読み漁っていたからではない)だったから良かったものの、原作知識が無ければ調子にのって「オリシュュュュユ!!万歳っ!!」と叫びながら戦車級のお口にダイヴしていたはずだ。

そんな現実逃避を敢行しているオレに対し「だいぶ落ち着いたか?」とマリヱは合っているのか違うのかわからない言葉を心配そうに話しかけてくれた。


「おかげさまでね。
昨日はゴメン‥ こんなこと初めてって言い訳にはならないけど‥」
マジで悪かったと思ってる。怒鳴り散らすなんて人生で初めてだよ‥うわぁ…カッコ悪いなぁ‥
そう思う「オレ」はこの世界ではない未来から憑依という形で顕現した、ただの少年である。

「いきなり他人の体に憑依して、混乱しているときにその原因を作った張本人が目の前に居ったのだ‥それが普通であろう。我の稚拙な説明も悪かったはずだ。」

まぁ…そうなんだけどね。怒る理由はこちらにもあるんだけど、それでも同じテーブルについて話し合いと言う「交渉」にならなければ問題は解決には至らないってのは、俺の短い人生経験で学んだことだ。

「…でさ、俺の体がこうなった理由と今の体のことを教えてほしいんだけど…

あと、あったら…元の世界に戻れる方法があったら教えてほしいんだけどさ

…良いかな?」

改めて落ち着いて考えると、こんな憑依をした状態が奇跡の状態であることは、普通の人間なら気づくはずだ。記憶とはただの情報ではあるが、それは記憶する場所を選ぶものだということを。
くやしいが・・・・

元の世界に戻るなんて…絶望的である。なんてことにも

それに嘆いていつまでもガキのようにわめき散らしているよりかは、

建設的にこれからどうするか…どうやって、この世界で味方を作るか

それが絶望的な中で元の世界に1人置いてきてしまった妹の元に戻る方法だと…その道を模索する最短の道だと思うことにする

そう考えて行動しなきゃやってられない

「…そうだな…現状の把握こそが両者にとって、もっとも有益なものと考える。
できるかわからないが、できるだけ分かりやすく説明するよう努めてみよう。



・・・ではまず一つ目だが、
君の体がそうなった理由は、先に言ったように、この國がBETAによる…いやそれだけではないな…米国の影響から逃れるためにも、この國に未来や科学といった「力」が欲しかったからだ。
こちらの勝手だと思うがな」
…本当、改めて聞いても勝手なことだな
「…なぜ俺を選んだの?」

「それは、…私にもわからないのだ。」

…今なんて?

「天霊祭とは、言ってしまえば、多重なる異なるこの世界において、唯一繋がり合う情報という海の中から、光宮家に連なる血脈だけを頼りに、この世界の技術の系統に束する情報を抜き出す
それが神器たる我、マリヱの力なのだ。それがどのような結果になるか私にも…わからない」

「…ってことは異世界中の人間をランダムで拉致ってくるってことか!!!?」

我慢、我慢しろオレ!!ここだけはっ!!

「いや、写し取る と言ったほうが正しいな」
あっ?”なんだって!?


「"情報"とはあるだけで"意味"を持つ。多重なる世界の中でも唯一干渉し合うのが、そのものの在り方を導く"情報"なのだよ。
そのため、平行世界と言った聊かしか違いがない世界などが在る。
"我思う故に我あり"というこの地球の言葉は本質を良くとらえたもので、自分を思うことで世界を自覚し、両者に影響を与えていることを表しているのだ。
結局は物質を司る原子や、全てを照らす光子でさえ、波の顕現であり、それに"在"を与えるのが神であり、人でもあること示している。

先に言った我の力はその世界の在り方を繋げている"情報の海"に我が繋がって、元の世界から光宮家の血脈の幹たる情報の塊、その記憶を写し取るということだ。

つまり簡単に言えば、
並列に並ぶ世界群の中から我が探そうとする情報に該当したモノを探し出し、

その情報をコピーし、

当事者に与える力ということだな。

そして最も情報という力を持つのが、そのモノの在り方を示し自覚できるモノ、自分を自覚できる人の記憶ということになる。

しかし、主は情報としての記憶だけでなく、その人格さえ有益である情報としてコピーされたということだ・・・おそらく主の世界は、人格さえも情報と捉えるほどに発達した高度情報化社会を形成する世界だったのであろうな。」


なんだとっ…!?

なんてこった…

俺はコピーで

俺はオレだが、生まれてから在り続けたオレじゃない…モノで

俺はもう帰る場所さえないのかよ…

本来、俺には2つ下の妹が借り家で待っているはずなんだ。

高性能な義体と電脳でありながら、危険と知りながらアルバイトをし、自分の稼ぎ出した金で兄妹二人きりで生活してきたはずの自分の人生…

貧乏ではあったし辛い生活ではあったがやっと楽しみが生まれ、一度は両親の死を皮切りに奈落まで落ちたはずの人生に、期待を持ち始めたのが"昨日"だったんだ。

どうすりゃ良いんだよ…これから…

「……次に主の体についてだが、
主の体自身は、光宮 孝明 8歳 光宮家宗家5男にて唯一の男となった。当たり前だとは思うがこれからの人生、光宮 孝明としてすごしてもらう。
そして…いいづらい事実ではあるが知らなければならない事実でもあるから今言わせてもらう。

他の兄弟達についてだが…一人を除いて天霊祭を請けてもらった。」




…あっ!?

ちょっと待て!!!他のヤツらどうした?まさか…

「…そうだ…主の考えた通り天霊祭にて…」
「人殺しじゃねぇかよっ!!! てめぇっ!!!兄弟全員殺しただとっ!!!

…冗談じゃねぇ、オマエ等おかしいだろ、正当性だけ上げ連ねてやがって、やってることは計画的な殺人じゃねぇかっ!!」

自分の人生まで狂わされて、

おまけに大量殺人の狂言者だとっ!?

相手がこれからの自分の人生を左右するであろう人物であることはわかる…

冷静な自分が自制しろって言っている理由もわかる

今、その兄弟と俺の妹と重ねているのもわかる

でもな。兄弟だぞ!!!

俺はもう会えないキョウダイを、この体のキョウダイも殺しただとっ!!!

「わかっているっ!!許されざる大罪だとっ!!
どのような美麗美句を並べたところで、やったことは盟約を結んだ血脈の幼い命を
この手で…葬り去ったことに変わりないことなどっ!!

だがな…!!どうしろと言うのだ!?ただ座して死を待てと?一億人全てを?

あの弥太郎が何よりも愛したこの国全てが喰われていくのをただ見ていろと言うのかっ!?」

「っ!?正当性を上げ連ねるなって言ってんだろうが!!!」

いきなり来た世界で、世界を守るためとはいえ、自分の唯一守りたかった妹と同じ兄妹を犠牲として殺さしたんだぞ!!!

はいそうですか、なんて言えるものか?

守りたいモノのために切り捨てることをあの場所で覚えてしまった"俺"だけどな

どうしても。クソッ その犠牲が妹と被っちまう…

話にならねぇ…


ってあれか…俺がアイツらの言うこときかねぇと文字通りの頭弄くられるのか!?
「それは…君次第だな…」

やっぱりね♪って頭の中読むな!!!

「堅実的な話をするために話を続けよう…

次に、その体についてだが、君の体と我、マリヱとは一心同体となっている。

いや共通して記憶を認識できると言ったほうが分かりやすいか。
わかりやすく「能力」としてあげるとするならば
1、記憶分野では我と繋がっていることで常人には有り得ない記憶力、情報解析能力、想像した物、記憶をデータ化することが挙げられるな。」

プライバシーなんてねぇってことか!?

「二つ目に身体能力の変化だ。」
ムシかよっ!!
まず良い面だが、莫大な量の情報を、生身の脳一つが経由しただけで大きなダメージがあるため、我が常時、演算を肩代わりすることで仮想実験などの膨大な量の情報を扱うことなどで発生するダメージを減らしている。

つまりは脳内に巨大な演算装置と大きな図書館を自由に扱えるということだな。

他には結果だけ言えば、睡眠時間の貯蓄や、身体能力の成長を我から直接操作が行えること、
主の体は主という存在を守るために15歳から身体の老化が遅くなること、
栄養剤と成長操作による身体能力の大幅なアップ、…性行為に対してもだが 
それ等が挙げられるな」


ってもう人間じゃねぇな  ショッカーになった気分だ…スペックでは雲泥の差だが

しかも最後顔赤らめて言うなよ…不覚にもドキっとしたわ

「…で、デメリットはやっぱあるんだよな?」

こんなハイスペック、人間の身体が持つわけがないってことはバカでもわかる

「それなのだがな…1日、7時間以上の睡眠が必ず必要になる、

…簡単に言ってしまえば、脳を酷使すれば強制的に睡眠(レム睡眠)に陥ってしまうのだ。どのような状態でも、な。
 
睡眠の貯蓄や、脳にダメージを蓄積させないノウハウで多少は改善出来るだろうが、勝手に停止することは死に繋がる。
これだけは気をつけてほしい。

他には、その身体に"我"が定着するまで能力の全てが使えるわけではないこと、
 主人格の記憶の定着がすむまで、情報としての他世界の記憶が欠落していること、
一月に一回、定期的に我の神器と同化している天霊樹の樹液を飲まなければならないこと、
我が電子精霊のため他の人間には見えないため、独り言のように気味が悪がられること、そして最後に君の人格がその体の主人格だが、身体の成長と元の"孝明"たる人格に感情が引きずられることがあること等が挙げられるな」

うわっ…緊急停止ってパソコンかよオレ…

独り言も地味に嫌だなぁ…

しかもさっきから一回聞いたことがスラスラ頭ん中にインプットされてる感じがするし…
この体の持ち主に感情が引きずられるのはしょうがないとして…人間本格的にやめちゃった感があるな。

「次に主の記憶についてだ。これがこれからの主の、人類にとって最大の力となるものなので心してきてほしい。
主の記憶は「孝明」という幼い脳の容量をフルに使い、我に情報を受け流し蓄積した結果が、主の「記憶」となっている。
常人からしたらとんでもない量の情報を蓄積しているため、普段は断片的な記憶しか思い出せないようにしてはいるが、関連した他の世界の技術体系を思い出したり、見つけることで、副次的に思い出すことがあるとされている。」

要するに、芋づる式に技術を思い出すわけだ…

あれ?他の世界?
「…そうだ。主の今の時点で思い出されている記憶、つまり我と共有して閲覧できる情報は、おおよそ7世界あると言える。」
ん?どういうことだ?
「…主の身体の主人格たる世界を基準にした並列世界、…いや作品を基準にした世界か。その一つがこの世界ということだ」

う~ん…
それからの話を聞くに

この世界は、何週目かのマブラヴの世界であるってことらしい


どうやらオレがいた世界にあったスパロボでいうリアル系作品のうち、オレが将来あり得ると思っている、実現性の高い技術を基準にマリヱが情報を集めたということ…らしい…

変に現実的なところをフィクションに求めてしまうことがここに来て仇になるとは…
スパロボのスーパー系なら真ゲッターロボ量産とかで楽勝なのにな…


まぁ…わかりやすく使えそうな情報の例とその情報の修復具合をあげるとするなら



1、宇宙世紀0090年時点のアナハイム重工 第二技術部 部長の複合素材技術を中心にした転用可能な情報の27%ほどの記憶とデータ

2、フルメタルパニック ミスリルのAS開発第一人者、大型潜水艦技術士から55%

3、フロントミッション、OCU側 坂田重工 電子関連技術及び無線誘導技術 20%

4、アーマードコア 有澤重工、 砲、砲弾加工及び誘導技術関連体系と水素による発電基礎技術体系の30%

5、エヴァンゲリオン NERV技術開発部兵器部門担当者と
戦自研 N2爆雷小型改良を担当した第二研究所、研究員、合成食糧開発第一任者の3人の記憶と周辺データ42%

6、俺がいた基準世界の拉致られた時点の、2030年陸海空軍の兵器技術体系と一般電子関連技術体系が68%

7、そして一番大切な
この世界の並列世界(マブラヴALかな?)
光菱重工 不知火改良に携わり、その時にボーニングとのコネを使って亡命し、第4、5世代機の戦術機開発に携わった亡命技術者を基準に使えそうな情報が34%

それ以外にも活用できるであろう、20年以上先の経済や組織の運営などの知識、etc,etc…

といった具合に情報が復活しているらしい。他にも自己修復技術や重力操作技術などもあるけど10%を切ってるものが多く、使えそうにない。
この修復の度合いというのは今現在の、この世界の技術体系と俺自身の記憶分野によって収集・修復されるため、行き過ぎた技術の獲得には、レベルを上げる必要があるわけだ。

そして手に入れた情報も人一人の情報処理能力を大幅に超えたものであるため、時間をかけて実用化のための情報に消化していかなければならない。つまりは断片的な情報の種を使ってこの世界の人という豊饒な大地でその種を育て、立派な技術体系を構築しろってことだ。

感情論を他のフォルダに移動させて冷静に考えると
脳の三割が宇宙人のオーバーテクノロジーに敵対的吸収合併されたオレは、人の域を軽々と超えた演算力等(チートとも言う)を持っているが、ヒトで形作られた世界であるため、もっともむずかしい「ヒトの感情」を理解するための因子であるらしい。

そのためにも、ヒトのまま人を超えなければならない矛盾と戦い続けなければならないんだと。そのため人の感情を理解することより優先度の低い「情報理解力」が天才の域スレスレで設定されているため、上に挙げられた問題を起こしている…らしい。

言ってしまえばBETAと戦うには己自身が人類内での役回りを果たさなければならないため、超絶チート技術を持つことも必要だが、それが原因での争いを生み出しては元も子もないために持っている技術を有功的に使うための外交力と政治力としてオレという人格が必要だったというわけだ。

俺がそうなるかもしれなかったコンピュータ生命体がこの場にいれば言うだろう、「なぜ、人は無駄や害悪になるとわかっていること率先してやり、必要と断言できるものから目をそむけるのか」と。

たった一人しか「オレ」の考えを理解してくれるモノがいない状態でBETAに勝つには、

一人で文字通り、万の働きを乗数倍していかさなければならず、
ヒトでいる幸せを味わうことが唯一の楽しみとなる戦乱の世をオレは謳歌せねばならず、

それが俺が「オレ」でいられる唯一の世界となってしまった。

まぁそんな鬱?話は置いといて、先の未来情報についてである。


正直、脳内の情報を整理できる前(と言っても情報に名札をつけ分類する作業だけだが…)
はスーパー系で、もっと俺TUEEEE!!!!状態になれると思ってたわけだけど、現実はそう甘くなかった。スーパー系ならそのエネルギーと成り得るこの世界にある「愛と勇気」ならBETAなど万回滅ぼせるのだが、世界の構成(設定とm(ry)


ってか!頭の中に他人の生々しい記憶分野があるのはそのせいかっ!!と気付いた自分。なんか情報分析をすると自分のことに疎い冷静な自分が出てくるなぁ~怖い怖い。

「いや、主の言うスーパー系の技術を得たとしても、それを実用段階に持ち込み、費用対効果が見込めるほどになるには、残念だが、この世界は万能には出来ていないのだ…」

…あ~あ…なるほど。設定のせいじゃないのね♪

まぁ冷静に考えればスーパー系といった隔絶とした技術格差を持つ世界とは、1982年って言っても国全体の技術力を上げるには19年じゃあ~短いしそれに賭けるのはリスクが高すぎるわな…

なにより、世界全体の人口と経済力を維持したい自分からしたら、早期に実現できる、この世界の兵器体系に近いリアル系の兵器のほうが良い。なにより、その技術の派生した民間技術を経済にいかせることがでかい。

…スパロボの世界から一個艦隊持ってこれればなぁ~と思ってしまうけれども


「…主が今考えている妄想のように、いきなりでもスーパー兵器をこの世界に持ってくることが出来たとして、補給と修理が出来ずにゴミ屑になってしまうのは目に見えている。それほどまでに現代の延長線上にある兵器というのは単独ではひどくもろい。

ビーム兵器であれ超兵器であれ、何かを消費せずに運用できる兵器もなければ、使えば使うほど使用限界を迎えてしまうことは物質であれば当然のこと。
(*ちなみに36mm、120㎜の砲身寿命は8000発ほどと見られており、レールガンやビーム兵器になるほど熱による部品劣化が速くなるためそれ以下になる)


人類を救うほどの技術で作られた戦術兵器というのは、それを他の世界で作りだし、継続的に使用できなければ意味がない。
そのために必要な技術水準と工作機を含めた工場を含めると本体の重量と作りだした時間の何十倍の質量と時間が必要になるとおもうのだ?」

あれ?なんかマリヱさんキレてる?自分が有能じゃないって思われてるようだからキレてる?

「キレてなどおらん!!もし生み出せたとしても、だ。単艦でその部隊の運用・修理・補給ができるのは一、二回の作戦までで、それ以上は無理なのは知ってほしかっただけだ。
自己修復能力?工作機を内蔵している?そんな今の人類が喉から手が出るほど欲しい兵器が目の前にあったら、部隊員何人か拉致してコマンド部隊で制圧されてるわっ!!!
人類の現状なめんなっ!!!国家の存亡のためだったら虐殺が肯定される世界だぞ?
兵器なら戦場に出すよりも先にオーバーホールされて戦場に出れるのは10年後だ!!BETAに勝つには純粋な国力と技術そして人類を導くための政治力じゃ!!!ボケ!!!」

わかった!!わかったから!!!キャラくずれてるキャラ崩れてるってっ!!!!




強力であればあるほど、兵站に求められる技術水準が高くなってしまうものであり、
…要約するならば、現実を見ろっ!!!ってことかな

「有り体に言えばだがな」

う~ん 怒りなんかの感情論を抜きにして、俺自身の利益だけを追求すれば、前の世界で極貧生活だったオレに比べて将来はあるし、意味のある人生はおくれそうだわな

「そ、そうか!?主にそう言ってもらえると助かる」
怒りは抜きにしてだけどなっ!!

「だけど、なんで俺なんかが基準に選ばれたんだ?」

そこがずっと気になっていた。俺は天才とは言えないし、優秀とは言えない…

まぁ確かに軍事、経済系の漫画や小説好きで良く30年も前の作品なんか電脳図書からダウンロードしてたし、仮にも理系だ。けど…なんでだ!?
「そこは…この体、「孝明」との相性、親和性と言えば良いのか?が高かったからだ…と思う」
わからないのね。加害者なのに!!!
「すまない… 」

「で…対価(ごほうび)は?」
どっかの錬金術師じゃないが、世界を背負うほどの責任だ。それに見合う対価、
…もし俺が了承したとして、平社員からスタートじゃこの国を救うなんて大業、絶対無理だしな

「それが4つ目だ。
対価として上げられるのはまず安全、
考えたくはないが人類の敗北が濃厚になった場合、限られた者たちだけが宇宙に脱出する計画が必ずあるだろう。そのキップを必ず与えることを確約する」
そんなんじゃねぇーよっ!!
って男らしく言い切りたいが、いきなりこの世界に来て一緒に死ぬ覚悟で頑張りましょう♪なんて言われて「はーい♪」なんて言えるほど出来ちゃいない

それにどっかの党みたいに確約なんだから破んなよな!!ごめんなさいじゃすまないぞ!!

「当たり前だ。確約は必ず守る。

最後に地位だが
そうだな…簡潔に言うなら







光菱財閥の総裁の椅子だ



へっ!?


えええええええっ!!!!!!!!???????




恵理呼「(やはり孝明様おひとりだわ…先ほどからご自身のお部屋でひとりごとを…やっぱり脳に障害がっ!?その状態でこれからあの小さなお体で、重責に耐え続けねばならないなんてっ!?非才の身ながら私が一番近き場所にて孝明様の小さなお体をお支えしなければ!!!)」

一人の少年に降りかかった大きな責務、そして人類にとっても大きな転機になる重要な一日に、誰にも気づかれることなく、近くにいた従者も大きな決断をしていたことは意外にも知られていない。 

続く

ーーーーーーーーー

能力だけ見ればとても、チートな主人公ですが…(でなければ勝てないので)
現実で知識が技術になり、兵器になるには…途方もない金と時間がかかります。しかも人類の兵器体系に属さないオーパーツと化している知識
さて主人公はどうするのでしょう…



[28072] 第Ⅰ章 3話 財閥
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c
Date: 2011/05/30 18:50
この世界では太平洋戦争が条件付き降伏だったために財閥解体が行われなかったため、日本では今なお、三大財閥としてあげられるほどの巨大財閥の一つとして名が上がる財閥である。

重工業、電子産業、銀行、商業、土木、自動車等幅広く手がけており、今の時点で世界のベスト30に入る総合企業グループである

のだが、まあ...上位欧米10社とは隔絶した規模の差があるため…欧米企業からしたら只の大手総合グループでしかないのは悲しいところでもある。

その(日本では)巨大財閥である光菱財閥だが名前の通り、岩崎弥太郎氏が作った三菱財閥に酷似している
が、違う点も多く見られるようだ。


それは、この国の歴史としては征夷大将軍が未だにいる世界であることが絡んでくる。
倒幕派と将軍家が大同団結して大政奉還し、五摂家が形成した帝国議会の上位執政機関たる元枢府が作られた世界であるこの世界

その日本の歴史では、その元枢府の長が征夷大将軍となっている複雑な政治体系をとっている。

その政治体系が現代まで続いているのがこの世界であり、皇帝陛下の近衛の出である光宮家は、創設者、初代総裁、光宮弥太郎がマリヱの力を借りて明治維新の流れに乗って大きくなったとされている。





で、その財閥の次期総裁が俺になるんだって(笑)

さすがに今すぐってわけじゃないんだけどね
財閥内と限られた場所だけでは、すぐにでも総裁の次にすげぇ権限を持てるらしく

早い時期、言ってしまえば二十歳手前くらいで総裁就任らしいよ?

次期当主なのは…上の兄達がいなくなったためなのはわかるけど…
裏とはいえ、いきなり総裁って…
当主は父親のままなんだけど、裏で働きながら財閥の方向性のかじ取りは俺に移るみたい。


8歳に実権を与える財閥ってどうよ(笑)

ここまでの地位を与えられるとは俺もびっくり♪だし、

まぁ全て思いのままってわけじゃないんだろうけどさ…
普通、次期当主っていっても、ぽっと出てきたガキ相手に社員が言うこと聞くもんかね!?

まぁ…なれるまでは父親たる当主が助けてくれるって言ってたけどさ…

だけど、財閥の象徴でもある大天樹の写し身(笑)として見られてるから、しょうがないっちゃ~しょうがないのかな?
軋轢とかには細心の注意でって頭に入れとくか…あとは父親任せでよろしく♪



で、昨日説明を受けてからマリヱとの契約を了承したわけだけどさ…
(恥ずかしいので省略。いや、だって人類のために~誠心誠意~とか甲子園でスポーツマンヒップにもっこり発言よりハズいっしょ!!)

契約が施行されたために、今日、その天霊祭が終わり、
大天樹の写し身たる俺が初めて現世の人(財閥関係者のことね)に会う降霊の儀が行われたんだけどさ…

これまたビックリ!俺が一番上の上座だよ?なにそれって感じだわ…

まぁ…難しい手順で儀式を執り行ったわけで、初代総裁しか成功者がいないため形式だけは決めてあった初儀式だったわけなんだけど・・・

感想として、王族とか皇族って羨ましいって思えないって感じだったねぇ。あんなかったーい儀式やらなんやら年がら年中やらされるって、疲れる!!

しかもこんなんじゃ、この世界で友達できそうにないんだけどどうしよう!?まさかボッチ確定申告されたのかオレ!?



「主はなにを言っておられるのだ?」
あっ…稀代の殺人者さんだ♪

「むっ…そうなるのであるな…」

…あ、謝らないぞ?俺は!!

…でもおまえとは契約しちゃったんだよね…バカみたいな「この世界を救う」って契約をさ…あつい・・・あついよぉぉ~オレ!!


だから…もう言わないようにするよ…これからは唯一の仲間であり共犯者になるんだからね。

「いや…いいんだ。拒まなかった私の責任でもある」
おっ?拒否った。今の良い流れを断ち切りやがった!!!


…でも良いんだって…
話を聞いた時、あんなに反対していたのに、なんでマリヱとの契約を了承したかなんだけど、

すごい最低なことを言うようだけど、その死んじゃった兄や姉の知識としての記憶はあるんだけど…ね…

…残念だけど今は他人としか感じられない。ってことがでかいんだよなぁ…

あの時は孝明くんの感情とかに引きずられて反発したわけだけど・・・今では完全な他人にしか見ようとしない。そんなの自分がクズとは思えるし、もしこの身体の人格だった孝明くんだったら君を許さないとは思うけど…
今から変えなきゃ俺がいる人類が滅亡する可能性はデカイんだし、俺は最低と言われようが自分の"利"を求める。妹一人抱えながらでも働きながら大学合格できた身だ。どんな手でもおれのこれからの人生は守らせていただく。それに、ただでさえ味方がいないんだ。なりふり構っていられない。

「…主が…そう言うのならそうすれば良い…
だが…味方がいないなんて言わないでほしい…」
おっ?儚げな顔だ!

「いや、違うんだって。
恵里呼やマリヱが俺を裏切るとは思っていない。…逆なんだ。俺と君たちとの仲は孝明くんからの借り物なんだって。その仲を本物にするには、これから俺がどうするかで決まるんだよ。その仲ってやつはさ」

それに・・・さっきの追加なんだけど、

この体の持ち主だった孝明くんから唯一もらった記憶がある。
それは諦めなければいけない己の人生の中であっても、抱き続けた少年の願い

「ヒーローになりたい」

っていう可愛げでありながら、意志が死ぬ瞬間まで思い続けた熱い意志だったんだ。そんな男の意志を受け継ぐことが俺の唯一の贖罪だと思うんだよ。その意志を受け継いでいくことが血脈であり、この國の本当の礎なんじゃないかなぁ~ってさ。

それを遂行するためにも契約したんだ。
それに…未だに元の世界の妹に対しての未練は多分にあるんだけど、その妹から・・・解放されたと思ってしまう自分もいるのに気づいてしまうんだよね。もうオレは自分だけの人生を歩んでもいいんだと、自分の強欲さに反吐が出る、…が、その気持ちこそが本心なのであろうということにある種の安心感を感じている自分もいたんだ。
これからのオレだけの人生を謳歌するためにもまず成果をあげないとね♪期待に応えるにも。この身体の孝明くんへの贖罪のためにもな

「…主がそう言うのなら・・・我が言うことなど無いのだろう…な。
では今日のこれからの予定についてだが、


光宮家に帰るぞ。」


そうだよね…って・・・えっ!?

天霊祭の事実を知っているヤツらからの圧力があったとはいえ、子供七人生け贄に捧げた親だぞ…
本心からとは言わないけど気まづいでしょっ!!まだ会うのはさぁ・・・

しかも俺の父 光宮  天元 てんげん 52歳って人が脂の乗ったやり手でコワモテのおっさんなんだわ…  
降霊の儀の時も一人だけ次元が違うオーラ出てたよ…
漢っ!!って感じでホルモンバランスぶっ壊れてる感じの俺の苦手な感じ…
死ぬときに「我が人生に一片の悔い無しっ!!!」とか言いそうなあんな感じ。

戦争に負けた日本の中、アメリカに力を削がれてしまった財閥をこの20年の高度高成長で持ち直し
一躍、世界に名だたる大財閥にしたってんだから、仕事命の冷徹おじさんなんだろうってことは予測はつくわなぁ…
しかも今は三人目の妻の光宮 日名子 28歳(若っ!?うらやま…)おれの母らしいんだけど、男としてうらやまけしからんやつだ。そんなやつとの対面がギクシャクすんのは当たり前だろ!!!常識的に考えてさぁ~!!!
………






「おぉ~孝明があの天霊祭を乗り越えるとはなぁぁ~
パ~パ、パ~パは、とっても嬉しいぞぉ~ヽ(´ー`)ノ♪♪」


……えっ!?ええええっ?親バカですかぁあああ?
予想外なんですけどっぉおおっ!?


「と、と父様?」

「なんだ?孝明?呆けた顔をして?息子の生還が嬉しくない親がどこにおるのだ?」
ま、まぁそうなんだけどさ…こんな対応は…ねぇ

「そう言ってもらえるのは大変嬉しいことなのですが…兄上達のことを考えると…居た堪れなくて…」

ん?うおっ!?
こいつも泣き始めたぞ!?コワモテの顔で泣くなよっ!?

「おおぉ…!!!息子や娘の中に一人馴染めなかった孝明が、そのような言葉を真っ先に
かけてくれるとは…息子たちもさぞや嬉しかろうて…」

知らねぇーよっ!?そんな思い出!!!孝明くんの記憶どうなってんだ?ところどころほつれてんぞ?お~いっ!!!

「そ、尊敬している兄上や姉上には、その…いつも緊張していたものですから、上手く会話が…」

ど、どどうよ!?うまく乗り切ったんじゃね?

「そうか、そうか!4年の間に逝かせてしまった孝明の兄や姉たちも勘違いをしていたのだろうな…」

よ、4年っ!?なんだそれ!?聞いてないぞっ!?おいマリヱっ!どういうことだ?

「人と人の思い出とは両者の思いによって作られる、思いだすには、ただの情報としての箱だけではなく、人の繋がりといった鍵が必要なの…か?」

オマエもわかんねぇーのかよっ!?くそっ!!

あっ!?ヤベっ!?母親も来たっ!!!

「孝明っ!私の愛しい孝明!良かった、良かったわ!!!
無事にあの天霊祭を終えることが出来て…
私の初めての子が、あの天霊祭を受けるなんて聞いたときなんて・・ママは、、ママはもうっ!」

その後は色気ムンムンのナイスバディーのお母様が
「母親失格ね」やら「ごめんなさい」やら言いながらそのデカイ何かを押しつけて抱きついたりして…
心の中ではおっ立ってながら(わーい♪♪)家族談議を続けていたのだが…

これからのためにも、真面目に今やらなければならないことがあるんだが・・・

このおっぱい邪魔だぁあああ!!!画面で端でブラブラ揺れやがて凶器だなこれは!!!オレの視線と思考が一直線じゃねぇーかっ!!!

この素晴らしいおっぱいに包まれた桃源郷(アヴァロンとも言う)

残念ではある!!しかしっ!!!区切りの良い所で切らなければならないだろう。
なぜならばっ!!親父がこっち睨んでるぅううううっ!!!!

------1時間経過----------


ふうぅ…ったく性欲など人間にはいらないものなのだよ。私は冷静である。
えっ?さっきのテンションはどうしたって?それはあれ、あれだよ。ほらなんだっけ

親父との話会いで、オレの母親愛情所有株(東証一部上場)でおっぱいの所有権の一部を主張したところ大株主である親父によって「俺の物は俺の物」条約の発動によって拒否権を発動され見事失敗
だがっここでトラップカードオープンっ!!!「お風呂は一緒に入っていいよね」を発動!!

・・・・ってなに考えてんだ。冷静になれ冷静に。


「孝明!」
「は~い父上今行きます」父上がよんでおられるので、その話はまた今度ということで
「すいません父上、二人だけでお話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

「むっ?…どんな話だ?」

うぉっ!?いきなり空気がいきなり変わったよ…さすが商才にとんだ親父殿だな
商売の話にはお鼻がきくね、ピクピクと。

「将来の財閥とお国の話について…天主としてのお話です」

どう食いつくかな?

「ほう…おもしろい…やはり力はあったか。明日にしようかと思うっておったが…良いだろう。おい、おまえ!!」

とギャングのボスのようにニヤリと禍々しくした俺の父…完全に悪役です…

「はい…わかりました… ですが、夕飯までには終わらして下さいましね、家族全員での久しぶり食事なのですから…」

母さんが話足りなそうに部屋を出て行く
ってか色気がヤバい、バルサンみたいに部屋中に広がってやがるっ!!母親として見れねぇって!!

って違う違う、大人のお話についてだ
「…もう、良いだろう、話せ」
・・・・やっぱり、この父親、実権を譲るとか言って俺の天主としての偉功を使って、財閥全体の引き締めとかに使う気かな…
あわよくば天主としての知識も…ってそんな感じがする

まぁ…8歳のガキだからそんぐらいの使い道しかないわな。財閥「命」と言われてる父親だ。子に甘い人間ってだけではここまで光菱をデカくはできない

「まず、天霊祭にて私、孝明が得た力についてご説明しようと思います。祭りが終わってから自分で整理してみたのですが…」
とマリヱからされた説明をちょっと拡大したり、俺の人格のこととか伏せたまま伝えてみた。

「ほう…あの偉大な財閥創設者たる光宮弥太郎曾祖父様の意志を受け継ぐ者か…敬語のほうがよろしいか?」
目が笑ってないよっ!!!
「いえ、そんな。初代総裁の日本を守り抜く意志、欲望といったほうがわかりやすいと思いますが、それを引き継いだだけのことです。
今は何も出来ず、苛立ちを覚えるだけですが、なにか…この光宮家、日本のためにといった焦るほどの気持ちが私のここに根付いている気が自分でもするんです。

それに…私の父上はこの世で1人だけなのですから…そう言われると少し…」
速攻魔法発動!!ちょっと照れつつ哀しげに目線を逸らして言ってみた。少しは親子の情というものがあってほしい…おもに打算的な目的のために…
「そ、そうか!?いや、降霊の儀を迎えてから、あまりにも孝明が大人びて、そう、輝かしく見えてな?パパもどうすれば良いのか計りかねていたのだ!?本当だ!?」

そうだわな。さっきの甘い顔の父親の一面も持ってはいるんだ。それを律しているだけで、無いわけじゃない。

しかも他人ではなく52歳といった歳になってしまった父には、後継者を育てる段階に入り、後継者候補が1人状態の父親には嬉しい誤算のはず

そこを上手く突いてやれば、早い段階で完全に実権をとることも可能なはず。

マリヱ(主よ…あくどい思考が透けて見えるぞ…)

「天霊祭にて、大天樹様から大人の知識や断片的な未来の情報、最新の技術などを貰えたました。ですが…
未熟な私の心もあるのです。もちろん、これからの日の本のためにもこの知識を生かし、早くから世界と闘わなければならないとは思うのですが…

今はまだ…パパとママに甘えることはダメですか?」

ウル眼で落とすっ!!!

「す、すまぬ!!そう、そうだな!たった2人の親がおまえの第一の味方でなくててわな。
しかもあの天霊祭を無事終えたとはいえ、8歳になったばかりのおまえがそのような知識を手に入れて戸惑うのも無理もない、どのような態度で我らに接すれば良いのかわからなかったのだろう!?」
おっ!?かかってきたな?
「…はい、天主としての自分を出せば良いのか、いつもの自分を出せば良いのか、正直迷いました…父上の喜ぶほうを選んでみたのですが…ダメでしたか?」
モジモジしてみたっ!!褒めてよビームもくらえっ!!

なんかオヤジ相手にときメモって悲しいけど楽しいな♪

「うっ!?そ、そんなわけない!そんなわけないぞっ!?孝明は我らの自慢の大切な息子が、あのような立派に見えて、とてもとても嬉しかったぞ!?」
今日のポイント稼ぎはもう良いだろう…また、捨てられるのはたまったもんじゃないが、これなら無さそうだ。ボロ雑巾のように、とまではいかないが、BETAとの戦いで手足のように財閥を運用しなけりゃあ~ならないため、"親"とは変に慣れ合うより、仮面を被りながら付き合っていったほうが両者にとっても楽だろう。


「もちろん、お仕事の時は忌憚なき意見をお聞きしたいです」
これはマジだ。未来の知識等を知ってても財閥の運営など、経験がものをいう分野ではミスもでるだろうし、最初は実力がものをいう技術系を中心にし、運営は慣れながら徐々にいきたい

「それはもちろんだ」
即答っ!!?…まぁ~そうだわな
「あと…お願いがあるのですが…」
「なんでも良いぞ!!言ってみろ!!」

「明日、兄上と姉上の墓参りに行きたいのです」

マリヱ(…)
父「……そうだな…息子たちも喜ぶだろうよ…」
…これは打算や策謀抜きにして、同じ被害者として、なによりも冗談みたいな計画をやり抜く意思表明として何としてでも行っておきたい。それと・・・
「あと…」
「…あと…なんだ?」
「今日は母上と一緒に寝たいのですが///」

今度はシモという打算満点ですっ!!ありゃ~いかんぜよっ!Fカップ以上の大鑑巨砲主義を実現させた黒船に僕、撃沈です!! フェロモンという名の尊皇攘夷の風も載せてね♪

「まだまだ母親が恋しいか…良いだろう
…パパは?」
おまえの席ねぇーからっ!!!!…とは言えないわな

「…一緒だよ?」
「おぉ~そうか、そうか!!」


恵里呼「あんなに当主様と仲良くなって…私は、私は…嬉しくて…」

そんな家族の慎ましい団欒を影から見守っている侍女がいることは、意外にも知られていない。



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カバディです。話がなかなか進みません。まずは足場作り…からですかね。頑張ってみます。



[28072] 第Ⅰ章 4話 目標
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c
Date: 2011/06/01 17:32
大戦略のお時間だよっ♪♪
昨日父親から

「3日後にこれからの光菱についての大方針を幹部達と話し合うことになった。
それまでにおまえが言うプレゼンテーションの内容を考えておけ。もちろん、言う内容は前日にワシに話しておくことも忘れずにな。」

と言われた孝明です♪♪

で、その会議で言うべき内容を決めるべく、2人(?)で悩んでいるわけですが…
 

その前に

「ねぇ~マリヱ、前から言ってた君の体を他のヤツらに見せる方法ってありそう?あとはデータを転送する方法とかさ」

他の惑星から来たっぽいマリヱと今あるパソコン(あるよな?)との規格がぜんぜん違うのは百も承知なんだけど、さっき言ったことがこれから出来る、出来ないじゃこれからの計画が随分変わっちまうわけだ。

「う~む…やったことがないからなんとも言えないのだが、データにある知識を流用すれば可能そうではあるな。なにせ我は地球外生命体が残した"生命を守るために残された安全装置"として自我を持つ機械生命体だからな…時間はかかるだろうが元は同じような物だ」

「―――えっ!?なにそれ!? 」
知らなかった…まさかそんな秘密があるとは…
「…言ってなかったか?」
「聞いてないよ!!あれ?じゃあ00ユニットいらなくね?」

「さすがにハッキングできるような性能はないよ。なにせ、万に一つの可能性のために、数多くの星に何万年も活動できるようにした物だ。一つ一つの性能は良いものではないさ」

「…これで性能が良くないってどんだけの知性もってんの?助けてくれない?SOSとかさ」

「この星の生命体の成長を促進させて勝てないのなれば、それまで。っていう放任主義だからな、助けにこないさ。
…それに比べて弥太郎は良かったなぁ…とてもやさしく、正しく"人"だった。短い時間を供にしたが、あれほど充実した時間はなかったよ。」

「―――なんか元彼と比べられているみたいで嫌だな…」

「ん?嫉妬っというやつか?ん?ん?」

「…で、どうなんだ?できるの?できないの?」

「(無理やり話を流したな…)データの転送などは、この時代の電子機器の技術力を上げつつ光学機械を使うことで最低でも…そうだな…長くて5年ほどはかかるだろうが、我の身体を写すだけならばそう難しいことではなさそうだ。映写機能を使えば良いのだからな。」


「まぁ~データ転送のほうは妥当な時間だろうな。
そうか映写機か…さすがに他の者とのアクセス方法が無ければ他種とのコミュニケーションもとれないからな…

…ん?それが出来るのならオレらの頭の中のデータを投写機とかで写すことができるんじゃねーの?」
それなら10年もかけずにできんじゃね!?戦術機開発

「ま、まぁ出来るだろうな。…だ、だが投射できるデータは、現有技術を凌ぐものであれあるほど、情報解像度が下がるため、情報はかなり限られるぞ!?」

コイツ気づいてなかったな…ほんと発想力ってないんだな。

マリヱ「(…悪かったな)」

その話は置いといて

「なら、3日後にマリヱ本体の神器と投写機使って、おまえ自身を写せることはできるのか?」

「そうだな…画像は荒れるだろうが、神器についてる光学機構をレンズなどで拡大するだけでも出来よう」

そうかそうか、それが出来るならば、今度のプレゼンテーションの武器になり得る。

20年近くの期間があるとはいえ、早々に財閥が俺を中心とする中央集権化をしなければ、技術開発が大きく伸び悩むのは必定だ。裏切りによって国連を通じてアメリカのモルモットにされたら洒落にならない。



あっ…でも香月博士ならされたいかもな~♪
年も近いし、美人だし、意外に彼女に出来るんじゃね?初の原作組と協力できるじゃね!!







―――いや冷静になれ冷静に!!あの東洋の魔女だったら、一夜を共にしたら次の日はホルマリンに入ってた、なんてことになりかねない!!却下だ却下!!!おれは外に出れないッ!!!圧倒的孤立ッ!!!


…疲れてるな、俺。話が変な方向に簡単に飛んじまう

話をもどすと、そもそも俺とマリヱの脳内には人の「記憶」その人に付随してきた「データ」そして人と人との「思い出」であり、解析し転送する難しさは、データ→記憶→思い出の順番で難しくなっていく。

今のところデータには目処がたったが、重要な概念で形成されている「記憶」は今は無理といったところだ…
だから情報の解析がなかなか難しいんだわ。そこまで都合が良い造りはしていないのが「人の脳」、てわけ。






では本題に入るか…


これからの俺らの行動を決めるためにも、目標と目的の順位付けから始めなくてはならない。

全ての行動もそうだけど、大きなことを成すには、当たり前だけど自分の目標、指標にそって行動しなければ目的通りにはいかないもんだ。
しかもこれからの世界について(冗談ではなく)のことなんだからいい加減にはしてられない。

なまじ最新技術と未来知識といった最高の力を持ってしまっているわけだから、人類内の内輪もめの原因にならないためにも、慎
重に目的と目標を定めなければならない。

で…だ。

「マリヱ、おまえのいう弥太郎さんの盟約って具体的にはどんな優先順序が存在するんだ?
ほら、人類とか、日本とか、それともこの地球とかさ。なにを優先して守るかっていう順列とかあるんでしょ?」

「……主の聞きたいことから察するに、守るべき順位として
人類を守ることを前提に
第一に地球にいるBETAへの勝利
第二にこの日本のこと、
第三にこの光宮財閥のこと、

といった感じだな」

まぁ…そうだろうな。愛国心があった弥太郎さんだ。1に財閥と言わないだけでもマシだ。

日本をアメリカの奴隷国家にして財閥を繁栄させ、技術を売り、裏からアメリカを操るほうが対BETA戦だけを考えるとするならば有功ではある。

ほぼユーラシア大陸全土がBETAの生息圏の状態からスタートするマブラヴでも、人類全体で戦うとしたら指揮系統、開発スピードの両方から見ても史実以上の超大国アメリカの一国独裁のほうがいろいろやりやすい。

…いろいろなデメリットはあるんだけどね



でも弥太郎さんのオーダーは違うわけだ。

この日本を中心に世界を救う、太平洋戦争で財閥の敵でもあるアメリカの力を殺ぎつつ、財閥をデカくするってのが弥太郎さんの採点では100点に近いと思う


それを踏まえつつ考えたシロガネタケルがくるまでの大目標はこんな感じにしてみた♪




一つ、原作スタート時に日本の対BETA総合戦力を300%以上の向上、
他の諸国の対BETA総合戦力は日本の比率ー100%、つまり史実の倍の戦力向上を目指す。


まず、原作のラストステージである桜花作戦のような、桶狭間の戦いみたいな奇襲をする必要を無くさなきゃならない。(実際は桶狭間は奇襲じゃないってツッコミは無しの方向で)

そのためには人類全体の戦力を増強させなきゃならない。

決戦時、オリジナルハイヴの攻略一年以内に、ハイヴの半数を攻略することで、BETAを殲滅しようと考えている。

そのために人類の人口が10億ちょっとじゃ勝てないし、BETAの成長を上回る戦力で押し切る必要があるためだ。





二つ、国際社会において、アメリカと対等な日本、それを主とする勢力の構築

これはBETAを駆逐するのが目に見えるようになった段階で、国土を奪還したい国、共産中国、ソ連、ヨーロッパ、インド、中東といった国とアメリカとの争いが大きな戦争にならないようにするためにも必要となるわけだ

このままの歴史通りに行けば、争いに勝ったアメリカの独裁となるのは目に見えているし、そうなった国連っていうはファーストガンダムの地球連邦と、とても近いと思う。どっちも頭が固そうだし。

そうならないためにも、新興の日本勢力は必要になる…日本もしっかりシビリアンコントロールが出来る上でないといけないんだけどね。
それに人間は楽観し始めるとすぐ内部の勢力争いが常だし、それを仲介する勢力が日本の国益を無視しても、必要と考えた。



…だが難しいことでもあるんだよな

まず今、日米和親条約を結んでいる状態の日本じゃあ対等とは言えないし、じゃあ大東亜共栄圏♪と言った理想を掲げても、人間だから欲に眩むヤツは必ず出てくるし、過去の面影と似て見られてしまう。

それについては今度ということにして…次っ!!




三つ、光菱財閥の規模の増大と、協力企業の増加を見込んだ上での原作開始時比較での国力、GDP比600%アップ

はぁっ!?600%って無理だろ!!って思うと思うんだけど

これは、日本にBETAの侵攻の阻止(3600万と西日本の壊滅、一時西部関東占領)、日本のてこ入れをして、周辺諸国での遅滞防御戦術を使うことでの、諸国を在命させることによる市場確保と、未来知識と異世界パワーでいけると思うんだわ

それにこれからアメリカにケンカを売るようなもんだし、アメリカの国力の半分、欲を言えば三分の二はほしいところだ。600パーセントで7割だから、この世界のアメリカのチート具合はWW2時のアメリカと同じぐらいすごいよね…

もちろん光菱財閥だけの繁栄はもってのほか。12、5事件のようなアメリカに付け込まれる内乱を起こしてしまう原因になるからね。




四つ、早期からの前線国家への救済

1982年1月現在、BETAはオリジナルハイヴからの西進を強めている最中で、中東方面では、帝政イランを飲み込み終わっている。
主攻となる欧州方面では、北欧のフィンランドに8個目となるロヴァニエミハイヴを去年から作り始め、ソ連、ポーランド以外の東欧陣営国家の国土で日々激戦を重ねているのが現状で、1984年から始まる大攻勢にむけて準備を進めている最中だろうってところだ。

その二つの方面において光菱財閥がなにかしらのアクションを起こし、可能な限り国土の維持させるというのが、まず最初の目標だ。

マブラヴ史実において、1986年までに反攻が無理な状態にまで落とされた中東、欧州。それを知るものからすると来てから3~4年でどうにかできるものなのか疑問に思うだろう。

しかし、本来の歴史※1を知るものからすると少々おかしなことにも気づくはずなのだ。

本来、欧州は世界の先進国密集地帯であり、東西冷戦によってその時代において最大の戦力密集地帯でもあったはずだということに。

その欧州が、中国が主攻を10年も持ちこたえられたのにもかかわらず、あっさり落とされたのかが疑問に思い浮かぶはずだ。

その陥落の原因にはいろいろな要素があるが大きくわけて3つある。

1・パレオロゴス作戦の失敗
東西の半分の戦力をつぎ込んだ大作戦の失敗により、欧州に大きな痛手を負わせ、戦力の枯渇状態になっているのが今の欧州の状態であり、その作戦の時に核を使うか使わないかの行動方針の差異によって東西の不仲が促進してしまったこと。

2・ダンケルク作戦による資本の流出
先の大作戦の失敗から欧州各国が海外に脱出する計画が打ち出され、欧州が貯蓄していた資金が、戦争以上に減少させ、経済が混乱状態となったこと

3・常任理事国フランス・イギリス・ソ連の発言力減少を狙うアメリカの采配

アメリカはパレオロゴス作戦の失敗から、欧州を見限り、裏で欧州の救済から、欧州の資金回収へ方針転換したことだ。

これはそれまでNATOや国連の元に置かれた指揮権を1980年にEU統合軍に引き渡されたことからもうかがえるし、なによりマブラヴ史実において最大の同盟国である日本に対して行った1998年の日本侵攻時の米軍撤退からその行動方針がうかがえる。

そう、米軍はそこを守るための陣地ではなく、東欧、ソ連が守れなかった国土の割譲のための策源地として居座っている、その方向性のほうが強い。もちろん戦後からの投資した場所を守りたいとは思っているだろうが、欧州の脱出時の本国への引き抜きで回収できる見込みがたったのだろう。
そこは米帝、スーパードライだ。




現状説明が長くなったが、その3つの要素から欧州は戦力を整えられずに負けたマブラヴ史実なわけだけど、上の3つの目標のために介入しようってのが4つ目なわけだ。方法はまた今度。次っ!!





五つ、オルタネィティヴ4への協力

これは原作を知っている自分にとっても原作のキャラとお近づきになりたいって打算もある。けれど、それ以上にBETAの主である非炭素生命体との和平にある。

原作でも判明しているだけで、火星、月といった星までもが、ただの手先であるBETAに占領され、しかも10の何十乗だかの惑星を占領していることから考えても、俺の持つ知識の遙か上をいく文化レベルを持っている可能性が非常に高い。

それとの和平か、時間稼ぎが出来れば良いかなぁ…と思う。
それに国連主導の計画のため、誘致国になれば対BETA戦略のイニシアティブを握り、戦力の向上と世界への発言力の向上にはなる。それをいかして、アメリカの奴隷に見られている国連の中に、新たな派閥を生みだし、アメリカの力を削ぐ結果になる。







この5つの目標にそった形でこれからの政戦両略を考えていくわけだ…
一目見ただけで大変だよね~本当マリヱがんばれよな

「…主は疲れたのだな。休むと良いぞ?」

「うわぁぁあ~!!その憐憫の目で見るのやめてえええ!!!」

「完全に憑かれておるな…」

――――――――――――――――――――

筆者です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
最初にハッキリ目標を明確せずに人類を救うのは、おかしいと感じ1話割いてみました。

また、ここらへんから独自解釈、独自設定全開で活かせていただきます。



注意事項を付随させていただきます。


※1 「こちらの世界」
主人公が来た世界は、私たちがいる世界と非常に近い世界ですが違う世界でもあります。ですが、平行多重世界の基本となる世界がこの世界ということになり、報告義務がこちらの世界に沿った形になっている…という設定です。
そのためマブラヴの世界の史実を「マブラヴ史実」
主人公がいた世界の史実を「俺がいた世界の史実」
そして私たちの世界の史実に対しては「本来の史実」や単純に史実、歴史と表記させていただきます。

混乱の原因になってしまう恐れがあるため、先に書かせて頂きました。

では次回、4ー2話「愚痴」にて。
失礼いたします。










[28072] 第Ⅰ章 4ー2話 愚痴
Name: カバディ◆19e19691 ID:f630435c
Date: 2011/06/01 21:42
では前回ながながと説明した大目標だが、これに加えてこの目標を阻害する可能性のあるファクターも把握していなければならない(めんどくせぇーー!!)

その阻害する可能性のあるファクター、

そのファクターの一つ、それはいつのマブラヴなの!?ってことだ。何周目かわからないし、そもそもこの世界の主人公であるシロガネタケルはこの世界に来るの?って疑問も浮かぶ。来て欲しいものだけど…シロガネタケルが来ない時点でBETAに逆襲する手も考えた上で行動せにゃ~ならん…

次に2つ目、俺みたいな存在ってこの世界に1人か!?ってことだ。

これはマリヱみたいな特殊な物がそこらへんに転がっているわけじゃないから、可能性は低い……と思うが念頭にいれといたほうが良い。こっちの気も知らないで、アメリカに行かれでもしたら、たまったもんじゃないしね。


そして三つ目、
これが一番考えなきゃいけない、BETA側の成長だ。

BETAの成長は、情報をBETAの各固体→BETA各ハイヴ→オリジナルハイヴの上位存在に集められ、上位存在がこの地球の制圧を上位存在なりに計画的にするために戦略的に統括している。
それに合わせて地球制圧に邪魔であり有力な「災害」(敵対生命と認識されていない)である人類に合わせて学習し成長しているわけだ。

ならば、その敵中枢であるオリジナルハイヴを落とせば良いじゃん!!!といってオリジナルハイヴを落とすのは多少大変ではあるが無理ではない…

が、オルタネィティヴ4計画総責任者である香月博士が言ったように人類の戦力をすり潰してオリジナルハイヴを落としても「30年の時間的猶予」しか貰えないわけだ。

BETAと戦い続けながらでの時間的余裕であり、しかも、その時間というのは正確な情報というわけではなく、原作ではその先が書かれていないため、もしかするとBETA側の緊急用ブラックボックスの中にある作戦継続遂行システムによって、オリジナルハイヴが破壊されて何年後にバックアップが誕生し、

BETAの成長は止まらない!!!<完>ご愛読ありがとうございました。

みたいな可能性もある。そしてそれ以上の展開だって予想できるわけだ…(デスノートの第2のLみたいな感じ)


なにせ相手はカルダシェフの定義で言えば、最低でもタイプⅡ文明に相当する超先進文明だ。

未だにタイプⅠ文明に達していない人類と比べればそんな簡単に攻略できるほうが怖いのは言うまでもないだろう

考えたくはないが…考えなくてはならない。考えたくない情報を阻害することは旧帝国と変わりない。

しかし、そんなに考えなければならないものなのか…て思うかも知れないけど、BETAの成長のなにがヤバいって、BETAの対人類戦力として開発されたのが兵士級だけってところだ。

どこがそんなヤバいのかって、人類の最大の障害であり、人類の航空戦力を文字通り、根こそぎ薙ぐ払った重・光線級は、資源の切り崩しなどに使われていたものを転用しただけのものとされている。つまりは軍事転用した資源回収用固体にすぎないものに滅亡されそうってわけ…

対人類用に改良されたり、知らない新種なんか出て来た日にゃ~即BAT ENDなんかもあり得るわけだ…

なんて無理ゲ!?って感じだが残念ながら命がかかっているわけで現実なんだよね…変わってくれる? まぁ~叶えられない冗談だけどね。


と、言っためんどうなファクターを考慮しつつこれからの作戦を考えなきゃならない…






改めてあげてみるとBETAの鬼畜具合がわかる…

今の人類ってのはBETAの間引きをやってるふりして、間引きされている状態だ。兵士の成熟にはとてつもない金がかかるのだが、使い捨てのように死んでいくため、兵器を使う側の人間の実力が成長せず、高価な兵器を活かせず共に喰われていく。

そして、前にも上げたとおり、BETAは「脅威」と認定したら、成長する。

今の状態を例で言うなら、ブルドーザーやトラックといった重機を改良したものを大量生産して、良く考えずに邪魔モノを排除しているだけ。そんなんで対処出来てるんだから、敵としても見らるわけないってわけだ。…それが人類全体の寿命を延ばしている、と考えられればラッキーなんだろうけどね・・・

そもそも人類は地球環境内で生きていけるように進化したわけで、その体と文明は対外敵生命体に対する総力戦を考慮して進化してきたわけではない。

少しでも楽をしようとし、相手を疑い、地球というゆりかごの中で争いながら成長した人類は、人類内部でさえ「信用」である金を使ってでなければ戦力を作りだすことができない。

対してBETAはどこかの戦闘民族よろしく、外宇宙を侵略?するために生み出された純粋な戦闘生物だ。正面から勝てるわけがない。


ではそんな人類全体の憂鬱を取り除くにはどうすれば良いか?簡単だ。BETAを足止めしつつ、戦力を整え、緊急信号を発信する前にオリジナルハイヴ共々成長する前に全て落とす!!

幸いにしてBETA自体は超光速航法、超光速通信を持っていない。地球のハイヴを攻略することで、情報を隠ぺいし、月、火星のBETA進化を停滞させておきながら50年の時を稼げればイデオンでも使って月、火星を一気に攻略できる。

銀河全体に広がっている敵文明は地球や火星などからの信号が音信不通になっても許容範囲だろう。
なにせ銀河は広い。たがだが1惑星で発生した良くある原因不明の事故に戦力を集めるよりも他に対して集中したほうが良いのは自明の理だ。

それでも300年ほどの時の中で進化を続けることでBETAの親玉と対話できるように準備することが最善だろう。


それだけだ。それだけ・・・・・・大変だけど・・・ね
・・・だけど、まだマシではあるんだよね。
…これが原作開始頃からスタートなんてゾッとする。


そもそもBETAの怖さってなに?って言われればだいたいは、その「物量」とは答えられるけど、BETAが人類に勝利しているのはなぜ?と言われると詰まってしまうはずだ。

ではそのBETAが人類に"勝利する要因"いうものを、素人考えではあるがこの世界唯一の未来知識の情報と現在の情報を知っている人間としての、要因を説明していきたい。

マリヱ「(話の途中から完全に愚痴になってるが…言わないほうが良いだろうな…)」



ではまずBETAの地球における戦力、純粋な兵員についてだが

ハイヴ一個にBETAは20万+ハイヴの成長度、と言われている。ハイヴはフェイズ4より個体数は下がると言われている
が、それはハイヴの支配地域が広がったためにハイヴの各部分に支部のような場所でBETAを地下に大量に休眠しているためであり、BETAの個体数が人類の予想と食い違うのはこのためだ。これが各ハイヴに分散して「増援」という形で人類に押し寄せてくる。

原作内ではもっと少ない数値と予想されていたが
数ある平行世界の経験から推測するに、総BETA数は原作スタート時には・・・約900万に達するものと推測され、最低でも700万以上であると考えられる。

一見、物量で押しつぶしているBETAにしては少ないように?見える。
なにせこの世界では軍人さんが数千万人もいるからだ。がこれだけでも十分人類を滅ぼせるほどの数なのだ。

その理由として、現在、一つの国家(指揮系統)で維持できる兵数は約500万とされており、その中でもBETAに対して十分な戦闘力を持ち続けられるとされるのは、200万でも良いほうと言われている。
またその全ての戦力が一つの指揮系統に置かれているわけではなく、その戦力が足をひっぱり合い、内部で動作不良を起こすことが常であるのが人類の組織である「軍」であるわけだ。

また人類の中の戦闘集団である軍は、国民全体を守るためのものであり、軍は国内に分散配置され、近隣諸国に対しても防備を割かなければならず、対BETAに対しての戦力も研究も人類にもBETAにも対応できる中途半端な兵器しか開発できていないのが実情となっている。

そんな状態で勝てるわけがない。

そして人間の戦争で戦略の一番の足枷になる補給だ。
例を挙げれば、米軍は全軍の6割以上が補給部隊であり、純粋な戦闘部隊員は100万のうち40万以下になる。それほど、大部隊になればなるほど兵站の難しさ、労力はかかってしまうのが人間の軍であり、限界でもある。

それは作戦や活動にも影響し、滞ればたちまち木偶の坊となって、良くて自滅、悪いと人類のお荷物となってしまう。しかも軍を養うために後方支援となる国民は軍の人口の100倍は必要であり、BETAのように個体数=兵数にはなり得ない。

しかしもう一方のBETAはとんでもないほどのエネルギー効率と手間暇がかからないというエコ?な機構をもつ。

通常時は部隊の半分以上を休眠状態にし、生産に力を割き、防衛時には生産をストップ、反応炉に蓄えている全エネルギーをも戦闘に回すことで、とんでもないほどのエネルギーをクリーンに活用できる。

しかも進行時には侵攻に特化した反応炉、前線補給炉というべき炉を用いて、(反応炉のエネルギーを受け取るか、電池式なのかわからないが)脅威的な進撃速度を維持し続けられる力がある。

そのためBETAには「兵站」が作戦選択を阻害する要素には成り得ないため、BETAは個体数=兵数となっている。サイヤ人もびっくりの戦闘種族なわけだ。

それだけでも脅威的なのに、人間のよりも個体に対する"価値"がとんでもなく低いため、特攻なんて当たり前、怪我したからどうしたの?を地でいっている。者ではなく物として扱われているため人権(BETA権?)が生じない。


また補給行動がないから、戦線に人類ではありえないほど(地雷?機雷なにそれおいしいの?)の戦力集中密度を実現。

それを阻止するために一番有効な空爆なのだが、飛行機は光線級によって撃墜。

重要度の高いところから潰していく真面目さ(笑)
なにより個体別戦闘能力では人の10倍じゃきかないほどなわけで…900万の四割以上が戦車級という不整地80キロオーバーの軽装甲車なわけ…

これを考えると人類の軍の主力である歩兵はBETAに対してほとんど戦力として数えることが出来ないわけなんだよね。1000万もの兵を養うより10万の戦術機甲部隊となるのは自明の理ってやつだな。(もちろん歩兵科は必要だよ?)

組織面からしても人格がないため社会を形成せず、内輪もめや、指揮系統の齟齬等の組織としての問題が生じない。(社長からしたらめっちゃうらやまっ!!!である。)etc,etc…




原作見てて、ここまで追い詰められるとかこの世界の軍人バカですか?(笑)
なんて思ってたオレを小一時間ほど殴りたいっ!!
勝てないだけの理由はあるんだよっ!!

BETAの恐さは物量だけやないっ!!こちらが対応できない戦力集中密度での各個撃破、それを実現する機動力。なにより怖いのがこれからが成長期ってことなんやっ!!

他にも原作には書いてない、いやあげられていないことが沢山あるんだよ…

はぁ…

憂鬱になる…ハルヒの世界の長門とこっちの世界の長門(戦艦)を交換出来れば良いんだけど…
主にオレのテンション上げのために。

・・・
・・・・・・
・・・はぁ~・・・


マリヱ「(最後まで愚痴だったな…こんなのでいいのか孝明よ…)」





つづく









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筆者です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

最初にハッキリ目標の明確や注意事項を考慮せずに人類を救うのは、おかしいと感じ話割いてみました。

本来は2話に分けずに1話で会話形式で書いたのですが、4万文字を越えたので、決定事項だけにして、2話にしました。…逆に長く感じますよね(汗)実力不足を痛感しております。

また、ここらへんから独自解釈、独自設定全開で活かせていただきます。




では次回、5話「会議」にて。1~4日かかると思います。

失礼します<(_ _)>


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