「マブラヴ」という作品がある
ストーリーは主人公である白銀武が彼の生きていた世界の平行世界に迷い込んでしまい、その平行世界で世界を滅ぼそうとする、陸戦型劣化宇宙怪獣(BETAとも言う)と戦う物語。
ここで浮かぶ一つの疑問、2030年から来た者である「俺」が、この世界であるマブラヴという作品をなぜ知っているのかだが、唯一の趣味となった「ネットダイヴ」で情報の海の中から掘り出した、30年以上前のレトロ小説書庫の中に入っていたからだと言える。
その中でもお気に入りとして登録した「マブラヴ」ではあるが、原作がエロゲーとは思えない頭パックンチョ事件はある意味で新しい次元を開発した作品だと個人では思っている作品だ。(えっ?)
このマブラヴという作品の本編を簡単に説明するにあたって、元の世界のギャルゲ風な話と平行世界の軍事的な話の一周目とその経験を活かした二周目の話に別れていることがあげられる。
人気のある二周目(マブラヴオルタネィティヴ)では、一周目の知識と後悔が大半となっている経験を活かして、地球を救うために努力し、結果、多大な血を流しながらもBETAの司令塔である上位存在を見事撃破して終わっている。
しかしその結末はハッピーエンドでは決してなく、
"多大な血"の中にゲーム内のヒロインほぼ全てが入っているという、エロゲーでも珍しい「ヒドい結末」が最も良い"結果"となるヒドく現実的なゲームでもある。
言ってしまえば、主人公が主人公らしく未来知識を活かしてオレTUEEE!!しようとした。
が、人類のウチワモメに巻き込まれるという現実的な流れによって主人公の働きも虚しく、BETAが人類に対してオレTUEEE返しをされる結果になる話だ。(えっ?えっ?)
そんな物語という物の中で、最強の概念生物である「主人公」でもハッピーエンドは無理であるストーリーの中に、紛れ込んだオレ…
未来の知識を持つだけの個人など、禁則事項ごと光線級によって薙払われるのは、必定であるこの世…
どうすんだょぉおおおお!!!!!である。
たまたまオレが昔の作品が好きな少年(決して金がないから無料電子図書で読み漁っていたからではない)だったから良かったものの、原作知識が無ければ調子にのって「オリシュュュュユ!!万歳っ!!」と叫びながら戦車級のお口にダイヴしていたはずだ。
そんな現実逃避を敢行しているオレに対し「だいぶ落ち着いたか?」とマリヱは合っているのか違うのかわからない言葉を心配そうに話しかけてくれた。
「おかげさまでね。
昨日はゴメン‥ こんなこと初めてって言い訳にはならないけど‥」
マジで悪かったと思ってる。怒鳴り散らすなんて人生で初めてだよ‥うわぁ…カッコ悪いなぁ‥
そう思う「オレ」はこの世界ではない未来から憑依という形で顕現した、ただの少年である。
「いきなり他人の体に憑依して、混乱しているときにその原因を作った張本人が目の前に居ったのだ‥それが普通であろう。我の稚拙な説明も悪かったはずだ。」
まぁ…そうなんだけどね。怒る理由はこちらにもあるんだけど、それでも同じテーブルについて話し合いと言う「交渉」にならなければ問題は解決には至らないってのは、俺の短い人生経験で学んだことだ。
「…でさ、俺の体がこうなった理由と今の体のことを教えてほしいんだけど…
あと、あったら…元の世界に戻れる方法があったら教えてほしいんだけどさ
…良いかな?」
改めて落ち着いて考えると、こんな憑依をした状態が奇跡の状態であることは、普通の人間なら気づくはずだ。記憶とはただの情報ではあるが、それは記憶する場所を選ぶものだということを。
くやしいが・・・・
元の世界に戻るなんて…絶望的である。なんてことにも
それに嘆いていつまでもガキのようにわめき散らしているよりかは、
建設的にこれからどうするか…どうやって、この世界で味方を作るか
それが絶望的な中で元の世界に1人置いてきてしまった妹の元に戻る方法だと…その道を模索する最短の道だと思うことにする
そう考えて行動しなきゃやってられない
「…そうだな…現状の把握こそが両者にとって、もっとも有益なものと考える。
できるかわからないが、できるだけ分かりやすく説明するよう努めてみよう。
・・・ではまず一つ目だが、
君の体がそうなった理由は、先に言ったように、この國がBETAによる…いやそれだけではないな…米国の影響から逃れるためにも、この國に未来や科学といった「力」が欲しかったからだ。
こちらの勝手だと思うがな」
…本当、改めて聞いても勝手なことだな
「…なぜ俺を選んだの?」
「それは、…私にもわからないのだ。」
…今なんて?
「天霊祭とは、言ってしまえば、多重なる異なるこの世界において、唯一繋がり合う情報という海の中から、光宮家に連なる血脈だけを頼りに、この世界の技術の系統に束する情報を抜き出す
それが神器たる我、マリヱの力なのだ。それがどのような結果になるか私にも…わからない」
「…ってことは異世界中の人間をランダムで拉致ってくるってことか!!!?」
我慢、我慢しろオレ!!ここだけはっ!!
「いや、写し取る と言ったほうが正しいな」
あっ?”なんだって!?
「"情報"とはあるだけで"意味"を持つ。多重なる世界の中でも唯一干渉し合うのが、そのものの在り方を導く"情報"なのだよ。
そのため、平行世界と言った聊かしか違いがない世界などが在る。
"我思う故に我あり"というこの地球の言葉は本質を良くとらえたもので、自分を思うことで世界を自覚し、両者に影響を与えていることを表しているのだ。
結局は物質を司る原子や、全てを照らす光子でさえ、波の顕現であり、それに"在"を与えるのが神であり、人でもあること示している。
先に言った我の力はその世界の在り方を繋げている"情報の海"に我が繋がって、元の世界から光宮家の血脈の幹たる情報の塊、その記憶を写し取るということだ。
つまり簡単に言えば、
並列に並ぶ世界群の中から我が探そうとする情報に該当したモノを探し出し、
その情報をコピーし、
当事者に与える力ということだな。
そして最も情報という力を持つのが、そのモノの在り方を示し自覚できるモノ、自分を自覚できる人の記憶ということになる。
しかし、主は情報としての記憶だけでなく、その人格さえ有益である情報としてコピーされたということだ・・・おそらく主の世界は、人格さえも情報と捉えるほどに発達した高度情報化社会を形成する世界だったのであろうな。」
なんだとっ…!?
なんてこった…
俺はコピーで
俺はオレだが、生まれてから在り続けたオレじゃない…モノで
俺はもう帰る場所さえないのかよ…
本来、俺には2つ下の妹が借り家で待っているはずなんだ。
高性能な義体と電脳でありながら、危険と知りながらアルバイトをし、自分の稼ぎ出した金で兄妹二人きりで生活してきたはずの自分の人生…
貧乏ではあったし辛い生活ではあったがやっと楽しみが生まれ、一度は両親の死を皮切りに奈落まで落ちたはずの人生に、期待を持ち始めたのが"昨日"だったんだ。
どうすりゃ良いんだよ…これから…
「……次に主の体についてだが、
主の体自身は、光宮 孝明 8歳 光宮家宗家5男にて唯一の男となった。当たり前だとは思うがこれからの人生、光宮 孝明としてすごしてもらう。
そして…いいづらい事実ではあるが知らなければならない事実でもあるから今言わせてもらう。
他の兄弟達についてだが…一人を除いて天霊祭を請けてもらった。」
…あっ!?
ちょっと待て!!!他のヤツらどうした?まさか…
「…そうだ…主の考えた通り天霊祭にて…」
「人殺しじゃねぇかよっ!!! てめぇっ!!!兄弟全員殺しただとっ!!!
…冗談じゃねぇ、オマエ等おかしいだろ、正当性だけ上げ連ねてやがって、やってることは計画的な殺人じゃねぇかっ!!」
自分の人生まで狂わされて、
おまけに大量殺人の狂言者だとっ!?
相手がこれからの自分の人生を左右するであろう人物であることはわかる…
冷静な自分が自制しろって言っている理由もわかる
今、その兄弟と俺の妹と重ねているのもわかる
でもな。兄弟だぞ!!!
俺はもう会えないキョウダイを、この体のキョウダイも殺しただとっ!!!
「わかっているっ!!許されざる大罪だとっ!!
どのような美麗美句を並べたところで、やったことは盟約を結んだ血脈の幼い命を
この手で…葬り去ったことに変わりないことなどっ!!
だがな…!!どうしろと言うのだ!?ただ座して死を待てと?一億人全てを?
あの弥太郎が何よりも愛したこの国全てが喰われていくのをただ見ていろと言うのかっ!?」
「っ!?正当性を上げ連ねるなって言ってんだろうが!!!」
いきなり来た世界で、世界を守るためとはいえ、自分の唯一守りたかった妹と同じ兄妹を犠牲として殺さしたんだぞ!!!
はいそうですか、なんて言えるものか?
守りたいモノのために切り捨てることをあの場所で覚えてしまった"俺"だけどな
どうしても。クソッ その犠牲が妹と被っちまう…
話にならねぇ…
ってあれか…俺がアイツらの言うこときかねぇと文字通りの頭弄くられるのか!?
「それは…君次第だな…」
やっぱりね♪って頭の中読むな!!!
「堅実的な話をするために話を続けよう…
次に、その体についてだが、君の体と我、マリヱとは一心同体となっている。
いや共通して記憶を認識できると言ったほうが分かりやすいか。
わかりやすく「能力」としてあげるとするならば
1、記憶分野では我と繋がっていることで常人には有り得ない記憶力、情報解析能力、想像した物、記憶をデータ化することが挙げられるな。」
プライバシーなんてねぇってことか!?
「二つ目に身体能力の変化だ。」
ムシかよっ!!
まず良い面だが、莫大な量の情報を、生身の脳一つが経由しただけで大きなダメージがあるため、我が常時、演算を肩代わりすることで仮想実験などの膨大な量の情報を扱うことなどで発生するダメージを減らしている。
つまりは脳内に巨大な演算装置と大きな図書館を自由に扱えるということだな。
他には結果だけ言えば、睡眠時間の貯蓄や、身体能力の成長を我から直接操作が行えること、
主の体は主という存在を守るために15歳から身体の老化が遅くなること、
栄養剤と成長操作による身体能力の大幅なアップ、…性行為に対してもだが
それ等が挙げられるな」
ってもう人間じゃねぇな ショッカーになった気分だ…スペックでは雲泥の差だが
しかも最後顔赤らめて言うなよ…不覚にもドキっとしたわ
「…で、デメリットはやっぱあるんだよな?」
こんなハイスペック、人間の身体が持つわけがないってことはバカでもわかる
「それなのだがな…1日、7時間以上の睡眠が必ず必要になる、
…簡単に言ってしまえば、脳を酷使すれば強制的に睡眠(レム睡眠)に陥ってしまうのだ。どのような状態でも、な。
睡眠の貯蓄や、脳にダメージを蓄積させないノウハウで多少は改善出来るだろうが、勝手に停止することは死に繋がる。
これだけは気をつけてほしい。
他には、その身体に"我"が定着するまで能力の全てが使えるわけではないこと、
主人格の記憶の定着がすむまで、情報としての他世界の記憶が欠落していること、
一月に一回、定期的に我の神器と同化している天霊樹の樹液を飲まなければならないこと、
我が電子精霊のため他の人間には見えないため、独り言のように気味が悪がられること、そして最後に君の人格がその体の主人格だが、身体の成長と元の"孝明"たる人格に感情が引きずられることがあること等が挙げられるな」
うわっ…緊急停止ってパソコンかよオレ…
独り言も地味に嫌だなぁ…
しかもさっきから一回聞いたことがスラスラ頭ん中にインプットされてる感じがするし…
この体の持ち主に感情が引きずられるのはしょうがないとして…人間本格的にやめちゃった感があるな。
「次に主の記憶についてだ。これがこれからの主の、人類にとって最大の力となるものなので心してきてほしい。
主の記憶は「孝明」という幼い脳の容量をフルに使い、我に情報を受け流し蓄積した結果が、主の「記憶」となっている。
常人からしたらとんでもない量の情報を蓄積しているため、普段は断片的な記憶しか思い出せないようにしてはいるが、関連した他の世界の技術体系を思い出したり、見つけることで、副次的に思い出すことがあるとされている。」
要するに、芋づる式に技術を思い出すわけだ…
あれ?他の世界?
「…そうだ。主の今の時点で思い出されている記憶、つまり我と共有して閲覧できる情報は、おおよそ7世界あると言える。」
ん?どういうことだ?
「…主の身体の主人格たる世界を基準にした並列世界、…いや作品を基準にした世界か。その一つがこの世界ということだ」
う~ん…
それからの話を聞くに
この世界は、何週目かのマブラヴの世界であるってことらしい
どうやらオレがいた世界にあったスパロボでいうリアル系作品のうち、オレが将来あり得ると思っている、実現性の高い技術を基準にマリヱが情報を集めたということ…らしい…
変に現実的なところをフィクションに求めてしまうことがここに来て仇になるとは…
スパロボのスーパー系なら真ゲッターロボ量産とかで楽勝なのにな…
まぁ…わかりやすく使えそうな情報の例とその情報の修復具合をあげるとするなら
1、宇宙世紀0090年時点のアナハイム重工 第二技術部 部長の複合素材技術を中心にした転用可能な情報の27%ほどの記憶とデータ
2、フルメタルパニック ミスリルのAS開発第一人者、大型潜水艦技術士から55%
3、フロントミッション、OCU側 坂田重工 電子関連技術及び無線誘導技術 20%
4、アーマードコア 有澤重工、 砲、砲弾加工及び誘導技術関連体系と水素による発電基礎技術体系の30%
5、エヴァンゲリオン NERV技術開発部兵器部門担当者と
戦自研 N2爆雷小型改良を担当した第二研究所、研究員、合成食糧開発第一任者の3人の記憶と周辺データ42%
6、俺がいた基準世界の拉致られた時点の、2030年陸海空軍の兵器技術体系と一般電子関連技術体系が68%
7、そして一番大切な
この世界の並列世界(マブラヴALかな?)
光菱重工 不知火改良に携わり、その時にボーニングとのコネを使って亡命し、第4、5世代機の戦術機開発に携わった亡命技術者を基準に使えそうな情報が34%
それ以外にも活用できるであろう、20年以上先の経済や組織の運営などの知識、etc,etc…
といった具合に情報が復活しているらしい。他にも自己修復技術や重力操作技術などもあるけど10%を切ってるものが多く、使えそうにない。
この修復の度合いというのは今現在の、この世界の技術体系と俺自身の記憶分野によって収集・修復されるため、行き過ぎた技術の獲得には、レベルを上げる必要があるわけだ。
そして手に入れた情報も人一人の情報処理能力を大幅に超えたものであるため、時間をかけて実用化のための情報に消化していかなければならない。つまりは断片的な情報の種を使ってこの世界の人という豊饒な大地でその種を育て、立派な技術体系を構築しろってことだ。
感情論を他のフォルダに移動させて冷静に考えると
脳の三割が宇宙人のオーバーテクノロジーに敵対的吸収合併されたオレは、人の域を軽々と超えた演算力等(チートとも言う)を持っているが、ヒトで形作られた世界であるため、もっともむずかしい「ヒトの感情」を理解するための因子であるらしい。
そのためにも、ヒトのまま人を超えなければならない矛盾と戦い続けなければならないんだと。そのため人の感情を理解することより優先度の低い「情報理解力」が天才の域スレスレで設定されているため、上に挙げられた問題を起こしている…らしい。
言ってしまえばBETAと戦うには己自身が人類内での役回りを果たさなければならないため、超絶チート技術を持つことも必要だが、それが原因での争いを生み出しては元も子もないために持っている技術を有功的に使うための外交力と政治力としてオレという人格が必要だったというわけだ。
俺がそうなるかもしれなかったコンピュータ生命体がこの場にいれば言うだろう、「なぜ、人は無駄や害悪になるとわかっていること率先してやり、必要と断言できるものから目をそむけるのか」と。
たった一人しか「オレ」の考えを理解してくれるモノがいない状態でBETAに勝つには、
一人で文字通り、万の働きを乗数倍していかさなければならず、
ヒトでいる幸せを味わうことが唯一の楽しみとなる戦乱の世をオレは謳歌せねばならず、
それが俺が「オレ」でいられる唯一の世界となってしまった。
まぁそんな鬱?話は置いといて、先の未来情報についてである。
正直、脳内の情報を整理できる前(と言っても情報に名札をつけ分類する作業だけだが…)
はスーパー系で、もっと俺TUEEEE!!!!状態になれると思ってたわけだけど、現実はそう甘くなかった。スーパー系ならそのエネルギーと成り得るこの世界にある「愛と勇気」ならBETAなど万回滅ぼせるのだが、世界の構成(設定とm(ry)
ってか!頭の中に他人の生々しい記憶分野があるのはそのせいかっ!!と気付いた自分。なんか情報分析をすると自分のことに疎い冷静な自分が出てくるなぁ~怖い怖い。
「いや、主の言うスーパー系の技術を得たとしても、それを実用段階に持ち込み、費用対効果が見込めるほどになるには、残念だが、この世界は万能には出来ていないのだ…」
…あ~あ…なるほど。設定のせいじゃないのね♪
まぁ冷静に考えればスーパー系といった隔絶とした技術格差を持つ世界とは、1982年って言っても国全体の技術力を上げるには19年じゃあ~短いしそれに賭けるのはリスクが高すぎるわな…
なにより、世界全体の人口と経済力を維持したい自分からしたら、早期に実現できる、この世界の兵器体系に近いリアル系の兵器のほうが良い。なにより、その技術の派生した民間技術を経済にいかせることがでかい。
…スパロボの世界から一個艦隊持ってこれればなぁ~と思ってしまうけれども
「…主が今考えている妄想のように、いきなりでもスーパー兵器をこの世界に持ってくることが出来たとして、補給と修理が出来ずにゴミ屑になってしまうのは目に見えている。それほどまでに現代の延長線上にある兵器というのは単独ではひどくもろい。
ビーム兵器であれ超兵器であれ、何かを消費せずに運用できる兵器もなければ、使えば使うほど使用限界を迎えてしまうことは物質であれば当然のこと。
(*ちなみに36mm、120㎜の砲身寿命は8000発ほどと見られており、レールガンやビーム兵器になるほど熱による部品劣化が速くなるためそれ以下になる)
人類を救うほどの技術で作られた戦術兵器というのは、それを他の世界で作りだし、継続的に使用できなければ意味がない。
そのために必要な技術水準と工作機を含めた工場を含めると本体の重量と作りだした時間の何十倍の質量と時間が必要になるとおもうのだ?」
あれ?なんかマリヱさんキレてる?自分が有能じゃないって思われてるようだからキレてる?
「キレてなどおらん!!もし生み出せたとしても、だ。単艦でその部隊の運用・修理・補給ができるのは一、二回の作戦までで、それ以上は無理なのは知ってほしかっただけだ。
自己修復能力?工作機を内蔵している?そんな今の人類が喉から手が出るほど欲しい兵器が目の前にあったら、部隊員何人か拉致してコマンド部隊で制圧されてるわっ!!!
人類の現状なめんなっ!!!国家の存亡のためだったら虐殺が肯定される世界だぞ?
兵器なら戦場に出すよりも先にオーバーホールされて戦場に出れるのは10年後だ!!BETAに勝つには純粋な国力と技術そして人類を導くための政治力じゃ!!!ボケ!!!」
わかった!!わかったから!!!キャラくずれてるキャラ崩れてるってっ!!!!
強力であればあるほど、兵站に求められる技術水準が高くなってしまうものであり、
…要約するならば、現実を見ろっ!!!ってことかな
「有り体に言えばだがな」
う~ん 怒りなんかの感情論を抜きにして、俺自身の利益だけを追求すれば、前の世界で極貧生活だったオレに比べて将来はあるし、意味のある人生はおくれそうだわな
「そ、そうか!?主にそう言ってもらえると助かる」
怒りは抜きにしてだけどなっ!!
「だけど、なんで俺なんかが基準に選ばれたんだ?」
そこがずっと気になっていた。俺は天才とは言えないし、優秀とは言えない…
まぁ確かに軍事、経済系の漫画や小説好きで良く30年も前の作品なんか電脳図書からダウンロードしてたし、仮にも理系だ。けど…なんでだ!?
「そこは…この体、「孝明」との相性、親和性と言えば良いのか?が高かったからだ…と思う」
わからないのね。加害者なのに!!!
「すまない… 」
「で…対価(ごほうび)は?」
どっかの錬金術師じゃないが、世界を背負うほどの責任だ。それに見合う対価、
…もし俺が了承したとして、平社員からスタートじゃこの国を救うなんて大業、絶対無理だしな
「それが4つ目だ。
対価として上げられるのはまず安全、
考えたくはないが人類の敗北が濃厚になった場合、限られた者たちだけが宇宙に脱出する計画が必ずあるだろう。そのキップを必ず与えることを確約する」
そんなんじゃねぇーよっ!!
って男らしく言い切りたいが、いきなりこの世界に来て一緒に死ぬ覚悟で頑張りましょう♪なんて言われて「はーい♪」なんて言えるほど出来ちゃいない
それにどっかの党みたいに確約なんだから破んなよな!!ごめんなさいじゃすまないぞ!!
「当たり前だ。確約は必ず守る。
最後に地位だが
そうだな…簡潔に言うなら
光菱財閥の総裁の椅子だ
」
へっ!?
えええええええっ!!!!!!!!???????
恵理呼「(やはり孝明様おひとりだわ…先ほどからご自身のお部屋でひとりごとを…やっぱり脳に障害がっ!?その状態でこれからあの小さなお体で、重責に耐え続けねばならないなんてっ!?非才の身ながら私が一番近き場所にて孝明様の小さなお体をお支えしなければ!!!)」
一人の少年に降りかかった大きな責務、そして人類にとっても大きな転機になる重要な一日に、誰にも気づかれることなく、近くにいた従者も大きな決断をしていたことは意外にも知られていない。
続く
ーーーーーーーーー
能力だけ見ればとても、チートな主人公ですが…(でなければ勝てないので)
現実で知識が技術になり、兵器になるには…途方もない金と時間がかかります。しかも人類の兵器体系に属さないオーパーツと化している知識
さて主人公はどうするのでしょう…