日銀短観:震災後、景況感悪化 3月、異例の再集計

2011年4月4日 10時1分 更新:4月4日 11時19分

 日銀は4日、東日本大震災の発生前後の回答を分けて再集計した3月の企業短期経済観測調査(短観)を公表した。震災後の3月12日以降の回収分では、景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業・製造業でプラス6、3カ月後の先行きを示すDIはマイナス2だった。震災による生産活動の停滞などを懸念し、景気の先行きの見方が大幅に悪化していることが浮き彫りになった。

 DIは、景況感が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。プラス幅が大きいほど景況感は良く、マイナスが大きいほど悪い。

 震災前に回収した大企業・製造業のDIはプラス7、3カ月先の予測はプラス3だった。先行きDIの悪化幅は、震災前回収分が4ポイントだったのに比べ、震災後回収分は8ポイントと2倍に拡大しており、震災後に先行きに対する景気認識が急速に悪化したことがうかがえる。

 大企業・非製造業も、震災後回収分は先行きがマイナス4と、足元のDIのプラス7から11ポイントも悪化。震災前回収分がプラス1から0と1ポイントしか悪化していないのと比べると、大幅に落ち込んだ。

 3月短観の回答率は95.6%で、震災が発生した3月11日までに回答した企業が全体の72%、12日以降の回答は23.6%だった。日銀は1日に全体を集計した3月短観を発表したが、震災の影響を探るため、異例の措置として震災前後で分けて再集計した。【大久保渉】

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