■ 原発事故、現場では作業員不足を懸念
福島第一原発では先月30日、東京電力の社員2人が被ばく限度を超えた可能性があることが判明するなど、復旧にあたる作業員の被ばくが深刻な問題となっています。厳しい作業環境のなか、現場からは今後の作業員不足を懸念する声があがっています。
「(作業員の)絶対数は限られている。どんどん作業できる人がいなくなって、1年やそこらで済む仕事ではない。まだまだやる場所はある」(協力会社の現場責任者) 作業員の不足。その心配を口にしたのは、福島第一原発で復旧作業を行っている協力会社の現場責任者です。 先月30日、東京電力の社員2人が被ばく限度の250ミリシーベルトを超えた可能性が出て現場を離れるなど、作業員がこれまでに浴びた積算の放射線量は増え続けています。 「覚悟しないといけない。普通の状態じゃないから、しかたない。直さなきゃいけない。直さなきゃいけないなら人が必要」(協力会社の現場責任者) 作業員の宿泊所を訪ねると、そこには全国各地から集まった車が・・・ 「全国から集めるしかない。地元の人はほとんどいない」(協力会社の現場責任者) 全国から福島に集まった作業員たち。250ミリシーベルトという被ばく限度が、その後、他の原発での仕事の支障となるため、作業員を集めるのが難しいという事情もあります。 「5年間で積算が250ミリシーベルトなら1年で50ミリシーベルト。(福島第一原発で)2か月作業して50ミリ浴びたら、残り10か月は仕事がなくなる。福島第一原発だけのために生活をつぶして来る人はいない」(協力会社の現場責任者) 被ばく線量を減らすため、福島第一原発では遠隔操作の無人重機を導入していますが、今後、放射線量の高い原子炉建屋内での作業が増えるなど作業環境はさらに厳しくなります。 「これから夏の暑さはどんなものかなと。何か対策を講じてもらわないと(作業も)まともに進まない」(別の作業員) こうした懸念に対し、東京電力は・・・ 「今の段階で作業員が足りないという話は伺っていませんが、被ばく線量の問題もございますので、(交代要員など)確保に努めたい」(東京電力本店、先月31日) 「このくらい(人員が)必要だという判断をするには現場を見ないと。1回くらいは現場を見てモノを言った方が・・・」(協力会社の現場責任者) 完全な「収束」には10年以上かかるとの見方もあります。長い道のりに向け、作業員をどう支えていくか。現場からの訴えは重い。(01日16:18)
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