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【社会】

福島原発事故「津波が原因」 IAEA調査団長が見解

2011年6月1日 14時26分

 東京電力福島第1原発の事故調査のため来日している国際原子力機関(IAEA)の調査団は1日、首相官邸で総括会合を開き、政府に報告書骨子を文書で提出した。マイク・ウェイトマン調査団長は総括会合後、取材団に「今回の事故は、津波が直接の原因だ」と述べ、地震ではなく津波による事故との見方を強めた。

 総括会合では、調査団長が冒頭、「事故の教訓を世界の多くの国々と共有させたい」とあいさつ。政府側代表の細野豪志首相補佐官は「事故の検証に最大限活用したい」と述べた。

 骨子では、改善すべき点として7項目を挙げた。国や東電が津波の危険性を過小評価していたとし、「自然災害の危険性を再検証し、最新の情報に基づいて検証方法も見直すべきだ」と指摘している。

 原子炉建屋で水素爆発が起きて放射性物質が拡散したことを踏まえ「水素の爆発的な発生を抑えるシステムの構築」を提言した。

 このほか、規制官庁の経済産業省原子力安全・保安院の独立性を確保するよう求めた。

 一方で、政府や東電がIAEAの調査に対し積極的に情報公開したことなど、4点を評価。2007年の中越沖地震を教訓として、東電が原発内に設けた免震重要棟など緊急対策施設が情報共有や原子炉状態の計測に役立ったとして、「主要な原子力施設でも導入すべきだ」と提案した。

 保安院の西山英彦審議官は1日午前の会見で「事故収束に役立てるため、しっかり受け止め、今後の作業に生かしたい」と話した。

 IAEAは20日からの閣僚級会合に向け、正式な報告をまとめる。

(中日新聞)

 

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