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復興の響き お寺で再始動 仙台市民オーケストラ

お寺の会館で練習を再開した仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団=仙台市青葉区の東昌寺

 練習場所はお寺です―。東日本大震災の影響で仙台市内の公共施設のホールなどが使用できない中、仙台市を拠点に活動する市民オーケストラ「仙台ニューフィルハーモニー管弦楽団」は、お寺の敷地を借りて練習を再開した。
 仏画や書が掛かる東昌寺(青葉区青葉町)の会館。畳敷きの大広間に、シベリウス「交響詩フィンランディア」や、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ曲が流れる。「作曲者のイメージをくんで」。メンバーに、熊谷仁団長(50)が指示を出す。
 年2回の定期演奏会を中心に活動するニューフィルは、学生と社会人約60人で構成する。震災3日前の3月8日が震災前の最後の練習だった。5月10日、2カ月ぶりに合奏練習を再開した。
 練習再開に時間を要したのは、メンバーそれぞれの事情に加え、50〜60人と大型の楽器を収容する広さと、音が出せる場所という条件をクリアできる練習場所の確保が難しかったからだ。
 練習場だった旭ケ丘市民センターや市青年文化センターなどはいずれも震災の影響で閉館中。そんな中、メンバーの1人が勤めている東昌寺が練習場所として会館を提供してくれることになった。今は毎週火曜の夜に集まっている。
 4月23日に予定していた東京エレクトロンホール宮城(青葉区)での定期演奏会は、同ホールが震災後閉館中のため中止となった。10月の30周年記念演奏会も開催の見通しは立っていない。
 本格的な活動再開に備えて東昌寺での練習が続くが、発表の場となるホールの再開見通しが立たないと、公演の予定を組むことができない。
 熊谷団長は「復興に向けて、市民活動にとっても今は重要な時期。できるだけ早く施設が復旧してほしいし、その見通しも示してほしい」と話す。


2011年06月01日水曜日


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