(2011年5月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
菅直人首相は英フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで、震災は構造改革のチャンスになると強気の発言を繰り返した〔AFPBB News〕
地震と津波、そして原発事故の危機がもたらした喫緊の課題に対処することは、どの総理大臣にとっても困難な仕事だと思われるかもしれない。
しかし、数多くの難問に直面した菅直人首相は、自らが率いる与党・民主党内部からの激しい反発や、参議院を敵対的な野党に支配されている「ねじれ国会」での攻撃にも立ち向かわなければならない状況にある。
それでも首相は、3月11日の震災後初のインタビューで、ただ当面の課題に対処するだけではなく、それ以上のことを政府は目指していると語ってみせた。
具体的には、福島第一原子力発電所の安定化、津波や原発危機により避難を余儀なくされた住民の支援などに努めるとともに、日本は長年の構造問題に取り組み、貿易の自由化を進めたり、農業を改革したりする機会を捉えなければならないと述べている。
特に、壊滅的な打撃を受けた沿岸部の地域社会の復興については――その多くは、震災前から経済の低迷や過疎化に悩まされてきた――単なる復旧で終わらせてはならないとしている。
「以前よりも夢や希望のある新しいコミュニティーをつくらねばならない」と菅首相は語った。
東北を自然エネルギーの一大生産拠点に
特に注目しているのはエネルギー政策だ。沿岸部に太陽光発電や風力発電の施設を造れば東北地方はこの種の電源開発の先頭に立てる可能性があり、津波で生じた瓦礫を燃やすことでバイオマス発電プラントの普及に弾みをつけ、瓦礫の処分が終わった後は地域の森林の間伐材を利用することも考えられるという。
「この地域は1つのモデルになり得る。私としては、ここを自然エネルギーの一大生産拠点にしたいと考えている」と菅首相は述べた。
こうした再生可能エネルギーの促進に加え、原発危機や、経済的に非常に重要な首都圏でこの夏に発生し得る電力不足も、省エネルギーを促進する機会になると認識されている。
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