伊藤和夫『新英文解釈体系』(1964)を読む(16)
昨日は愛知県半田市での講演で、「協同と『学び愛』でよみがえる英語授業」と題してお話ししてきました。 駅の売店ででNewsweek (ニューズウィーク日本版) 2011年 05/25号を見かけたました。 特集は「日本人と英語」。明治以降の日本人と英語との関わりをふまえて、現在の問題点や課題をていきしており、お勧めです。 実はこの特集のために、2月にインタビューを受けていました。 本当は3月末には掲載される予定だったのですが、3.11大震災で地震や原発事故の記事が続き、ようやく陽の目を見た次第です。 掲載された僕のコメントなどは、機会があればご紹介しましょう。 さて、遅くなりましたが、伊藤和夫『新英文解釈体系』(1964)を読む(第16回)をお送りします。 気がつけば、16回にもわたって紹介してきたのですね。 いよいよ最終回で、「第10章 挿入と基本要素の識別」です。 ただし、このあと135頁に及ぶ「解答編」と、23頁の「附録」(前置詞句など)が付きます(これも重要なので、最初の部分だけ掲載します。) 伊藤の英文解釈大系を「挿入」で締めくくることに関して、伊藤は次のように述べています。 「挿入語句をも含めて、修飾的語句の挿入により、文の基本要素の結びつき、すなわちS + V +〔X + X〕の関係がとらえにくくなる場合を考える。これは、第1章でS + V +〔X + X〕という形で文をとらえることから出発した本書にとっては、その最後のしめくくりとなるものである。」(399頁) こうした問題意識はその後も継続しました。 1977年に刊行した『英文解釈教室』でも最終章は「挿入の諸形式」となっています。 そこで伊藤は次のように述べています。 「これまでの各章で強調した英文読解の基本姿勢に対する重要な例外事項を一括してこの書物の最終章とし、同時に例外を通じて原則の再確認を求めたい。」(281頁) 普遍と特殊、原則と例外。 哲学者だった伊藤らしい問題意識です。 以下に、本文を容量の上限まで掲載します。 伊藤和夫は本当に偉大だと思います。 (完)
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