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国産エコカー、燃費表示に「?」 新測定方式義務化へ(2/2ページ)

2011年1月22日15時6分

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 日本に輸入される外国車も日本の試験を受けてカタログに燃費を表示しているが、国産車の方が実際との差が大きくなるのはなぜか。

 国交省関係者は(1)国産車メーカーは試験で良い結果が出るようエンジンのコンピュータープログラムを調整している(2)メーカーが用意した専用のテストドライバーが運転している――ためと分析する。

 輸入車メーカーは自国の測定法にあうようエンジンのプログラムを組んでおり、試験時に必ずしも特別なドライバーを用意しない。このため日本ではいい結果が出ないこともあるが、実際の走行とも大きな差は生じないというのだ。e燃費を運営するイード社の藤原央行(ひろゆき)さん(32)は、「(国産車は)試験対策は上手だけれど、実戦はそれほどでもない」と指摘する。

 トヨタの広報担当者は「カタログ表示はあくまで基準にのっとって算出した結果。走行条件が違えば燃費に差が出るのはやむを得ない」と話す。米国の基準でもプリウスは低燃費1位で、相対的な性能の良さは揺るがないとの立場だ。一方、フィアット側は「燃費は現実に合った表示を心がけている。利用者に誠実であるべきだ」という。

 10・15モードが実際の走行とかけ離れているとの利用者らからの指摘を受け、国交省は2007年、市街地での走行のように加速や減速を複雑に繰り返して測定する「JC08モード」という方式を導入した。今年4月以降の新型車は、新方式の結果をカタログに表示することを義務づける。すでにある車も13年までに表示を順次切り替える。新試験では従来より15%前後は燃費が悪くなり、実燃費との差が縮まる見通しだ。

 一方、国連では13年を目標に、各国でバラバラな試験方法に国際的な統一基準をつくる動きが出始めた。国交省は「統一基準ができれば消費者に分かりやすい。車を輸出するにも試験は一度で済み、メーカーのコスト削減になる」と歓迎。基準づくりに積極的に参加する構えだ。(佐々木学)

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