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国産エコカー、燃費表示に「?」 新測定方式義務化へ(1/2ページ)

2011年1月22日15時6分

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 エコカー人気で「低燃費」競争が激しさを増すが、カタログ上の燃費で実際に走る車はほとんどない。国産車の燃費はとりわけ現実離れしているとの指摘があり、国土交通省が4月から改善に乗り出す。実際の燃費に近い新試験の結果をカタログに表示するようメーカーに義務づける。

 1リットルあたり38キロ。国交省が昨年、「もっとも燃費の良い乗用車」と認めたトヨタ・プリウスのカタログ上の燃費だ。ところが、ユーザーからは異議があがる。実際の走行距離から燃費を算出する携帯電話のサイト「e燃費」では、平均でガソリン1リットル当たり約21.7キロとの結果が出ているからだ。

 e燃費の会員は全国約50万人。うち約10万人から携帯電話で実際の給油量と走行距離を入力してもらっており、車種ごとに「実燃費」を算出して公表している。国内で走る大半の車種のデータが集まるという。サンプル数が少ない車種もあり、限られたデータに基づく参考値にすぎないが、ネット上で一定の信頼を得ている。

 プリウスの実燃費はカタログ値の6割に満たないが、ほかの車の実燃費はさらに劣るため、このサイトの低燃費ランキングでも1位だ。一方、輸入車部門で1位のフィアット500はカタログ値19.2キロに対して16.8キロ(達成率約88%)、2位のフィアット・パンダはカタログ値15.6キロに対して14.3キロ(同約92%)だ。

 実燃費とカタログ値との差が国産車で目立つことには、海外の自動車メーカーからも批判が上がる。この理由を、国交省関係者は「性能テストの内容と、メーカーの取り組み方にある」とみる。

 燃費の測定基準は国によってまちまちで、現在、日本では国交省が定める「10・15モード」と呼ばれる方式を採用している。国の試験場のローラーの上で、決められた一定の割合で加速したり、同じスピードを維持したりして燃費を調べるが、全体的に単調な動きが多い。不規則に加速や停止を繰り返す実際の走行パターンとは異なる。

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