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ハゲタカの脅迫を「市場の声」に偽装する大越健介の情報工作
被災者が11万人も避難所生活を強いられている中で、大義名分のない政局のドラマが盛り上がりつつある。3・11の後、やや気分が落ち着けていたのは、星浩だとか、田崎史郎だとか、浮薄で愚劣な政局屋の面々をテレビで見なくて済むことで、彼らの醜悪なプロパガンダを聞かずに済む日常を送れたからだ。津波は有象無象を一掃し、震災後の政治報道で彼らを半失業状態に置き、彼らの存在の無価値を国民に証明していた。そして、「国民一人びとりが、被災した各地域の上にこれからも長く心を寄せ、被災者とともにそれぞれの地域の復興の道のりを見守り続けていくこと」と訓じた天皇陛下の3/16の言葉が、3・11以降のこの国の暫定憲法として統治していた。われわれはそのプリンシプルに即き、政治と報道の視線は福島と3県の方角を見ていた。被災者の苦難を思いながら、自らを戒めて節電し、原発と電力エネルギーの基礎知識を学んでいた。そういう生活が回っていた。その静穏で反省的な社会の空気が壊されて変わろうとしている。そのことに憤慨と憂鬱を覚える。避難所で暮らす人々が主人公ではなく、永田町の野獣が主人公にカムバックする環境の転換が、私にはどうにも我慢がならない。3・11以前の政治と報道の環境に戻り、背後に退いていた邪悪な連中が前面の舞台に戻り、3・11以前のコードとプロトコルが復活するのが不愉快だ。天皇陛下の言葉がフェイドアウトする状況に苛立ちを覚える。
あの地震と津波が起きた3・11の直前がどうだったかを振り返ると、3月上旬は前原誠司の外国人献金の問題があり、2月下旬は16名の議員による会派離脱の騒動があり、2月上旬は河村新党の注目と名古屋のトリプル選挙があった。その前は、小沢一郎を応援する市民デモの動きがあった。政局が激動していたのであり、小沢一郎からすれば、少しずつ反撃の手を詰めていた段階で、したがって、3/11の東日本大震災の発生は、それをフリーズさせていた不本意なアクシデントと雌伏だったのである。今回、3か月前の「原状」に戻し、自民党の不信任案の手を借りて、強引に震災前の政局に引き戻したことになる。どの時点だったか、菅直人を降ろすには不信任案しかないと言っていたことがあり、その意味では、狙いどおりの目標地点に政局を運んだとも言える。報道では、昨夜(5/31)、鳩山由紀夫が菅直人と会談し、辞任かもしくは執行部の刷新を要求し、菅直人がそれを拒絶したと言う。何か、去年の代表選前の党内抗争の録画を再生して見ているようであり、一瞬で過去に引き戻された感がある。小沢派は50名が採決で造反し、菅直人はこれを除籍処分すると報道は伝えている。小沢一郎は、不信任案の否決と除籍を折り込み済みで、そのまま新党結成に動くのだそうだ。今朝(6/1)、TBSの朝ズバに出演した原口一博は、小沢新党が立ち上がった場合は、自分たちも党を出て連携すると示唆していた。
果たして、本当に原口一博が党を割って出る覚悟があるのかは疑わしい。信用できない。朝ズバでは、両院議員総会を開けと要求し、菅直人に退陣を促す口振りだったが、これは、テレビを利用した脅しであり、取引をしている可能性が大いにある。菅直人に幹事長か官房長官のポストを強請り、政権に止まる思惑なのではないか。この男なら、挙党態勢だとか何とか、その場その場の口先三寸でどうにでも言い訳して凌ぐだろう。菅直人の方も、不信任案否決後の大幅改造を言い、ポストをバーゲンセールして乗り切る作戦でいる。樽床伸二も同じで、狙いは大型ポストであり、菅直人は喜んでくれてやるだろう。一瞥したところ、菅直人には現時点で解散する意図も準備もない。昨年の参院選で敗北し、自らの選挙の無能を痛感しているはずだし、そもそも、立てるマニフェストがない。消費税増税の信を問う選挙を打つときは、必ず自民党と政策連立を組んだ上で、二党間で争点にならないように細工して選挙に臨もうとするだろう。小沢新党が消費税増税に反対し、民主党と自民党が賛成するという対立軸を仕掛け、増税賛成側が圧勝するという算段を描くだろう。その調整と構図が仕上がる前は、菅直人は自ら解散カードは切らない。菅直人の政権戦略の基本は、あくまで増税と復興での大連立であり、小沢一郎の排除と抹殺である。それが、官僚とマスコミと米国に支持され、政権を安定させられる唯一の路線だと知っている。
一方、政局の季節の再来と共に、またぞろ消費税増税のキャンペーンが喧しくなった。まるで渋谷の街宣右翼の騒音を聞かされているようで鬱陶しい。昨夜(5/31)、NHKの7時と9時のニュース、そしてテレ朝の報ステでは、かなり長い時間を割いてムーディーズによる日本国債格下げの件を放送、消費税増税に踏み切らなければ格下げするという脅しを彼らの思惑のまま伝えていた。ハゲタカと財務官僚が連携しての、マスコミを使った悪質な情報操作である。その中で特に際立っていたのは、NW9の大越健介による説明で、ムーディーズの脅迫を「市場の声」だと言って正当化し、神聖な「市場の声」に従えと視聴者に刷り込んでいた。ハゲタカが銭儲けのために意図的に日本の政策を動かそうとして繰り出す発言を、スミスの「神の見えざる手」のような積極表象にスリ替えて偽装し、「マーケットの論理」として日本人に信じ込ませていた手口は、小泉・竹中の時代に白石真澄ら新自由主義ギャルが喚いていた口調を想起させる。彼女たちは、新興宗教の信徒のように、二言目には「マーケットが許さない」を絶叫し、論理を超越したところで、憑依した巫女のように、米国の金融資本の神の託宣を代弁していた。外国の機関を使った消費税増税プロモーションは、OECDに言わせ、IMFに言わせ、S&Pに言わせと、数え上げればキリがない。どれも裏で財務官僚が裏で糸を引き、時機を見て情報工作をやっている。その工作にマスコミの中でも最も熱心なのが、公共放送の大越健介だ。
が、昨夜(5/31)のテレビ報道の中でも、古舘伊知郎の論調は少し違っていて、消費税増税に対してストレートに乗る処理にしていなかった。奈良のアーケード街で和菓子を売っている商店の女性の声が紹介され、消費税が上げられた場合、10円とか15円でも価格を転嫁するのが難しいこと、逆に、原料である小麦粉や砂糖の仕入れが値上がりし、経営が苦しくなることを切実に訴えさせていた。彼女の言葉は聞く者の胸を打つものだった。シンプルであり、何度も中小零細で商売する者から聞いた言葉だが、そこに人の心に届く真実がある。強い印象が残る。売上が10年前の3分の1に落ちていると言った衣料品店の女性も出た。映像に登場した場所は、おそらく近鉄奈良駅近くの東向商店街で、私はあの地味な通りが大好きだ。必ず立ち寄って土産の奈良漬を買う。昨夜は、シャッターが下ろされた店舗の並びが撮され、前に訪れたときより閑散として寂れた気配が漂っていた。奈良で一番の繁華街なのに、奈良が好きな者として落ち着かない気分になる。消費税増税は、この10年以上、ずっと日本の政治の主要テーマだった。マスコミは増税の必要を宣伝し続け、選挙も幾度も行われ、増税は挫折を繰り返してきたのだ。その間、国民の生活は日に日に苦しくなり、消費支出が減り、小さな商売を営む者たちを追い詰めている。経済環境は悪化し続けているのだ。にもかかわらず、消費税増税を強行しようとする官僚とマスコミの操作のため、その事実が客観視されず、世論の前面に浮上しないのである。
大越健介とムーディーズは、「市場が政府に対し、財政健全化を促していると解釈すべきだ」と言っている。だが、この主張は根本から間違っている。日本国債は、ハゲタカが投機目的で商売する金融商品ではない。日本国債を引き受けているのは、郵貯であり、政府機関であり、日本の生保と損保と銀行である。日本の国民の貯金や税金で買い支えられているのであり、日本国民の借金であり資産だ。日本の金融機関、例えば、地銀とか信金とか農協にとって、日本国債以上に安全な投資運用の債券はなく、株や米国の金融商品に手を出して紙屑にするよりも、国債で手堅く回した方がはるかに安心な選択なのである。したがって、公共的な性格を持った国内の金融機関が長期で引き受けるのが適当で、これを無用に外国の投資家に委ねるべきではないし、利殖に飢えた海外の金融資本の儲け道具にする危険を犯してはならない。ハゲタカによる格付けの変動などに一喜一憂する必要はなく、そのような評価は無視すればよいのだ。榊原英資は、S&Pはむしろ米国債を格下げすべきだと直言している。客観的に診断したとき、保有者を外国に持つ米国債の方がリスクが大きいのは当然だ。日本国債にとっての危機とは、財政赤字以上に、ハゲタカやヘッジファンドの投機の餌食にされることである。財務省は、本気で国債を防衛する意思があるなら、むしろハゲタカの国債への介入を阻止し、風説の流布を止めなくてはいけない。いま財務省がやっていることは、普天間問題で鳩山政権を売って米国の国益に奉仕した外務官僚と同じだ。
by
thessalonike5
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2011-06-01 23:30
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東日本大震災
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