韓国独自の技術による宇宙ロケット開発へ(上)

羅老号とは別に、2015年から18年の間に2段ロケット試験発射

21年に韓国型ロケット完成

 人工衛星打ち上げロケット「羅老号」の失敗を乗り越え、韓国は「独自の宇宙ロケット」という新たなチャレンジに乗り出すことになった。

 教育科学技術部(省に相当)は先月31日「韓国型発射体(KSLV-2)の開発をめぐる第1段階(2011-14)事業を主導する事業団長を募集する」と発表した。政府は21年まで3段階に分け、総額1兆5449億ウォン(約1165億円)の開発予算を投入し、アリラン衛星と同じ1.5トン級の実用衛星を地球上空600キロから800キロに打ち上げる3段型宇宙ロケットを、韓国独自の技術によって開発する方針を明らかにした。

 当初、韓国政府はロシアと共同開発した羅老号の打ち上げが成功すれば、直ちに完全国産の韓国型発射体の開発に乗り出す計画だった。しかし羅老号は009年と10年に相次いで打ち上げに失敗し、本来の計画通りでは宇宙開発計画そのものが揺らぐ可能性が出てきた。そのため政府は羅老号の打ち上げとは別に、韓国型発射体の開発に急いで取り組むことにした。

衛星による自力での監視が可能、産業への波及効果も

 09年と10年に行われた2回の打ち上げにいずれも失敗した羅老号は、ロシアと韓国航空宇宙研究院(以下、航宇研)が共同開発したロケットだった。ロシア製の第1段ロケットには液体燃料を利用するエンジン、第2段ロケットには韓国で開発された固体燃料エンジンが使われた。

 韓国型発射体は100%韓国の技術で開発される。その中核となるのは、航宇研が独自に開発中の75トン級液体燃料エンジンだ。最下部の第1段ロケットには75トン級エンジン4基が一つにまとめられ、計300トンの推進力を確保するようになる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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