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【社会】

大震災は警告可能だった 「前震」見極めできれば

2011年6月1日 10時11分

 がれきが残る福島県浪江町請戸地区を歩く防護服姿の住民ら。左奥は福島第1原発の排気筒=5月26日

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 東日本大震災の震源付近で約50時間前に起きたマグニチュード(M)7・3の地震は、直後の活発な余震活動を精査し、前兆的な「前震」と見極めていれば「巨大地震発生があり得る」と警告できたのではないか―。東北大ニュートリノ科学研究センターの林野友紀准教授が1日までに、こんな解析結果をまとめた。

 M7・3の地震は3月9日午前11時45分に発生し、宮城県で最大震度5弱、岩手県で最大60センチの津波を観測。気象庁は大震災後になって「前震」との見方を示した。

 林野准教授は、日本周辺で過去約80年に発生し「本震」と確定した昭和三陸地震(1933年)などM7・0以上の海溝型地震43例について、本震から20時間以内に起きた規模の大きい余震回数を調査。本震との差がM1・5未満の余震は平均0・8回(0〜2回)、1・7未満でも同1・2回(0〜5回)だった。

 これに対し、前震とされるM7・3の地震の余震は、差がM1・5未満のものが7回、1・7未満が8回など過去の地震より際立って多かった。

 林野准教授は「余震活動からみて、3月9日の地震は通常の本震と性格が違うことは明らか。本震なのかどうか疑って、さらに大きい事象が後に控えている可能性を検討すべきだった」と指摘する。

(共同)
 

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