東海地震の震源域にあり菅直人首相の要請で全面停止した中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の周辺住民35人が27日、中部電を相手に同原発の永久停止を求める訴えを静岡地裁浜松支部に起こした。
東日本大震災による東京電力福島第1原発事故を踏まえ、浜岡原発を「予想される東海地震に到底耐えることのできない危険な施設」とし、「運転の永久停止以外に危険を根本的に除去する方策はない」としている。同原発の事実上の廃炉を求めた訴訟は初めて。
原告は御前崎、菊川、掛川の周辺3市の住民。弁護団の大橋昭夫主任弁護士は記者会見で「裁判の中で安全論争をして裁判官の理解をいただき勝訴したい」などと語った。
中部電は「訴訟が提起されたことは誠に残念。津波に対する安全性を一層高めるため防波壁の設置などの対策を実施し、運転再開にあたっては広くその内容を説明していきたい」とのコメントを出した。【沢田均】
毎日新聞 2011年5月27日 22時02分