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[政治]ニュース
浜岡停止 エネルギー政策「脱原発」否定 長期展望は描けず
2011.5.10 08:56
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政府の要請で中部電力が決断した浜岡原子力発電所の原子炉停止。事故でも定期点検でもない稼働中の原子炉を止めることは、原発を主軸に据える国のエネルギー政策にとって極めて重大な意味を持つが、菅政権は浜岡を例外扱いするばかりで、長期的な政策の展望を示せていない。短期的に全国の原発を代替できるほどの電力供給源が見当たらない現状では、一気に脱原発にかじを切るわけにもいかず、政府は原発立地自治体などの動揺を抑えることに躍起だ。
地元に配慮
「(浜岡以外の原発は)安全上、問題はない」
海江田万里経済産業相は9日、経産省大臣室で、全国の電力会社で作る電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)に対し原発政策を維持する“お墨付き”を与えた。枝野幸男官房長官も同日の会見で、「原発政策の基本は変わっていない」と語るなど、政府は脱原発の否定に懸命だ。
政府は地元自治体への配慮もみせる。発電量に応じて配分される電源立地地域対策交付金について、枝野官房長官は「安全性を確保するため運転を停止した場合、平常時と同等に運転をしていたとみなす制度がある」と指摘。「今回は災害が生じたわけではないが、こうした規定などが適切に運用される」と明言した。
全国の原発立地自治体では住民の間に原発への不安が高まる一方、交付金減額や雇用悪化を懸念する声も根強い。何の調整もないまま浜岡の停止を打ち出した政府方針への動揺は大きく、少しでもその広がりを抑えたい考えだ。
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