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[地方]ニュース
相次ぐ発砲・襲撃事件 関係断絶され威圧か 福岡
福岡県内で相次ぐ発砲や爆発物による襲撃事件。建設会社の事業所や社員宅が狙われるケースが多く、工事参入などを企てる暴力団による犯行とされる。暴力団との関係を断ち切ろうとすると狙われる-。業界関係者からは「すぐに犯人を捕まえてもらわないと、暴力団の要求を断れなくなる」との不安も漏れてくる。
「暴力団の関連会社を工事の下請けからはずしたことへの威圧」
建設業界に詳しい関係者の1人は、相次ぐ発砲事件の背景をこう説明する。今年に入り、福岡県内で現場事務所や社員宅などが狙われたゼネコン2社は、暴力団からの下請け参入などの不当要求を拒み、関係を断絶しようとしていたという。
県警は犯行の手口などから、この2社の事件はいずれも北九州市の指定暴力団「工藤会」による犯行との見方を強めているが、容疑者の逮捕などには至っていない。
県警などよると、暴力団は長年、建設や土木、水道業界などに関係の深い会社を持ち、公共、民間の大型工事に下請けとして参入させてきた。「フロント」と呼ばれるこうした会社は、工事代金の一部を暴力団に流し、組織の資金源の1つとなってきたという。
捜査関係者は「特に工藤会は(下請け参入による分け前の大きい)大型工事を資金源の柱にしてきた」と指摘する。
しかし、福岡県では昨年4月、事業者による暴力団への利益供与を禁止した暴力団排除条例が施行され、下請け参入や地元対策費の拠出など、暴力団からの不当要求を断る建設会社が増加した。
「不景気で工事そのものが減った上に、関係企業が下請けにも加われず、暴力団は資金繰りに窮している」(捜査幹部)といい、相次ぐ発砲事件などについては「暴力団の焦りの表れ」との見方もある。
31日に銃弾が撃ち込まれた戸田建設九州支店は、今年2月以降、同社施工の工事現場で工事車両が燃やされたり、社員宅が撃ち込まれたりするなど事件が続いている。
県内の別の建設会社の社長は「暴力団に狙われるのは、関係を持たないようにしている証拠」と指摘した上で、「事件が起きたときには犯人をすぐに捕まえてもららわないと、企業としてはどうしようもない」と早期解決を求めている。
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