2011年05月22日 (日)

1号機 ベントの判断に遅れか

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東京電力の福島第一原子力発電所1号機では、「ベント」と呼ばれる格納容器内の圧力を下げる操作の遅れが水素爆発を招いた原因の一つと指摘されています。東京電力は、爆発の6時間半前にベントに取りかかりましたが、NHKが入手した1号機の運転手順書では、爆発の13時間前の段階でベントを行う条件を満たしていた可能性が高いことが分かり、専門家は「もっと早い段階でベントを行うべきだった」と指摘しています。

福島第一原発1号機では、津波の直後から冷却機能を失って、原子炉を覆う格納容器内の圧力が急激に上がりました。その際、格納容器が破損して大量の放射性物質が外部に漏れ出すのを防ぐため、内部の気体を外に放出して圧力を下げる操作が「ベント」です。NHKが入手した1号機の運転手順書によりますと、ベントは格納容器の圧力が使用上の上限の2倍に当たる「853キロパスカルに達すると予測される場合」に行うと定められています。1号機の格納容器の圧力は、▽水素爆発の14時間半前の3月12日の午前1時すぎに使用上の上限を超える600キロパスカル、▽13時間前の午前2時半には840キロパスカルと手順書の値に迫り、ベントを行う条件を満たしていた可能性が高いことが分かりました。これに対し、東京電力がベントに取りかかったのは爆発の6時間半前の午前9時すぎで、その後、高い放射線量に阻まれるなど、さらに作業が遅れた結果、最終的にベントが行われたのは午後2時半で、その1時間後の午後3時半すぎに水素爆発が起きています。これについて、原発メーカーで格納容器などの設計に携わった元設計士の後藤政志さんは「遅くとも格納容器の圧力が上限の2倍近くになった段階でベントを行うべきで、その時点でベントができれば、格納容器から漏れる水素の量が抑えられ、水素爆発の危険性が小さくなった可能性がある」と指摘しています。東京電力は「格納容器の圧力が600キロパスカルから840キロパスカルに上がった段階でベントを行う必要があったと考えられるが、ベントの判断については検証を行っているところなので、現段階ではコメントできない」と話しています。

投稿者:かぶん | 投稿時間:19:17  | カテゴリ:科学と文化のニュース
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コメント(4)

1号機 ベントの判断については、今後のためにも徹底的に追求してほしいです。
爆発がなければ、かなり汚染は抑えられたはずです。
3号機についても、よろしくお願いします。

投稿日時:2011年05月22日 21:48 | yamakawa

 二号機のベントは二度失敗したと言うことなので、これもその系統(元々使える状態に無い)だったのかも知れません。

 あくまで模式図しか見ていませんが、フィルターと言う言葉が何処にも無く、また原子炉の下部に付いている様にも見え
水素がきちんと抜けるものなのか素人目には疑問に思えました。


 別件ではありますが、原発推進派の方がnhk番組内で提示したコスト比が「太陽電池のみ十年前」だった事、全体的に数年前のデータである事、地熱発電に言及の無い事
蓄電に言及のない事、「安全な原発」のコストが提示されない事、自然エネルギー施設準備期間に言及しながら「原発安全化に必要な期間」に言及のない事
現在「国により太陽光発電に大規模な支援策が取られている事」加えて「原発にメルトダウンや廃炉対策を必須としなかった」ルール作成者本人の言であること
自然エネルギー推進派の方も地熱に言及しないなど押しの弱い方だった事、様々な疑問を持てた良い番組でした。

 しかし、数十年内に別の大地震があると言う状況で、一戸建ての屋根でなければ太陽電池の補助金を出さないというのは、どのような判断なのでしょうね。
電気が必要になるのは都会の方だと言うのに。  素人考えではベランダ発電、窓際発電レベルから補助するべきだと思うのですが……

投稿日時:2011年05月23日 02:21 | TTT

ベントの遅れと建屋破壊に繋がる水素発生との関連性がわかりません。
水素は高温になった燃料棒の被覆管と水が接触することで発生するという原理と理解していました。

この理解にもとずき考えると、ベントをすべき圧力になっていた時にはすでに燃料棒はすべて、制御棒、被覆管もろとも解け落ちてしまっていたので、水素発生のピークはすでに終わっていたと考えられます。

もっと議論すべきは、安全よりも原子炉の損傷を優先する手順があり、緊急炉心冷却系統を手動停止させてしまったことでは無いのでしょうか?
このことにより炉心の溶融を早め、また原子炉建屋内での作業が非常に困難になるほどの放射線が発生し弁の操作を困難にし、建屋の換気も不可能にし、建屋の水素爆発に繋がっているのではないのでしょうか?

それとも、この時点で燃料が再臨界状態にあり、中性子線による水の分解で水素が継続的に発生していたのでベントの遅れで水素の発生が増え、水素爆発に繋がったということなのでしょうか?

理屈に合った解説に期待します。

投稿日時:2011年05月23日 12:45 | KK


今、海水注水中断で問題になってますが、
ベントにしろ、海水注入にしろ、東電は政府の了解をとらないといけない手順書になっているんでしょうか。
最終的にどこが判断することになっているのか、よくわからないんですが・・・。

投稿日時:2011年05月25日 00:07 | gonnbe

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