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十勝毎日新聞社ニュース

被災地から400キロ 漂流物が沿岸に続々と

2011年05月27日 14時32分

 【大樹・広尾・豊頃・浦幌】東日本大震災の津波で被害を受けた岩手、宮城など東北地方からの漂流物が十勝沿岸に続々と流れ着いている。25日には、岩手県大槌町の県立大槌高校のものとみられるバレーボール1個が大樹町の海岸で発見された。同校バレーボール部顧問の三上昌幸教諭は「大槌高校のボールで間違いないのでは」と話している。

岩手県から大樹町に漂着したとみられるバレーボールを持つ大樹漁協職員

「大槌高校」のバレーボール
 バレーボールを発見したのは町浜大樹に住む70代の漁業者。25日に町生花付近の海岸線を歩いているときに見つけた。ボールには「大槌高校」と記されていた。近くには岩手県釜石市の地名が入った空のガスボンベもあり、この男性は「バレーボールとともに岩手から流れてきたと思った」と話す。

 大槌町は太平洋に面していることから津波の直撃を受け、26日現在、死者770人、行方不明者952人の甚大な被害。同校は海から3〜4キロの高台に位置していたため、校舎や体育館は津波の被害を直接受けることはなかった。

 それでは一体なぜ同校のバレーボールが大樹町に流れ着いたのか−。バレーボールは体育館の器具庫に保管され、「基本的に体育館外にバレーボールはないので、津波で海に持って行かれた可能性は低い」(三上教諭)という。三上教諭は、震災後に同校が避難所となり、避難してきた子供たちがバレーボールで遊んでいたことから、「子供たちがボールを持って帰って、その後、誤って海や川に落としたのでは」とも推測する。

 大槌町と大樹町の距離は海上で約400キロ。大樹漁協では「黒潮に乗って流れてきたのかもしれない。東北からの漂着物はあまり聞いたことがない」としている。

 同校バレーボール部は現在、活動を再開し、6月上旬に開催される県大会に向け、練習に励んでいるという。大樹町に漂着したバレーボールについて、三上教諭は「大変驚いている。ボールの今後の扱いは大樹町の方に任せたい」と話している。

流木や漁具
 十勝の太平洋沿岸で、漂流物や流木が相次いで見つかっており、地元の漁業者らが対応に追われている。広尾海上保安署は27日午前、現地調査を始めた。

 豊頃町の長節湖付近では26日、東北地方の養殖漁業で使っていたとみられる漁具が発見された。発泡スチロール製のフロートや、長さ6メートル×直径1メートルほどの円柱が2本つながった構造物で、十勝総合振興局が再漂流を防ぐために構造物を陸側に引き揚げた。浦幌町昆布刈石海岸にはトラックの荷台も漂着している。

 流木については、昆布刈石海岸付近に24日まで約60本の丸太が流れ着き、町と同振興局で詳しく調べている。大樹町でも27日、定置網漁を行っていた漁業者が航路で原木を発見し、危険回避のため8本を陸に揚げた。

 原木の流出については、東日本大震災による津波で十勝港ふ頭(広尾町)にあったカラマツの原木が流されたが、今回の流木と同じものかは分かっていない。

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