もうすぐ22年の天安門事件、当局が遺族に賠償持ちかけか
[北京 31日 ロイター] 1989年の天安門事件から22年となる6月4日を控え、同事件の犠牲者の母親らによるグループが31日、中国の公安当局が金銭的な賠償について、遺族と接触していたことを明らかにした。ただ、謝罪や説明は一切なかったという。
このグループ「天安門の母たち」は、米国を拠点に活動する団体「中国人権」を通じ、母親127人が署名した文書を発表。それによると、今年2月から2回にわたり、公安当局者が犠牲者1人の家族に連絡を取り、「事実の公表や法的な追及、犠牲者一人ひとりへの説明などについては語らず、支払い金額についてのみ質問した」という。
「天安門の母たち」はまた、中国政府は中東や北アフリカで起こっている反体制活動が中国本土にも拡大し、天安門事件のような民主化運動が起きることを恐れていると指摘した。
中国当局はこのところ、国内の反体制派の動きに神経を尖らせており、現代芸術家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏など、政府に批判的な活動家を複数拘束している。
天安門事件では、1989年6月4日、民主化を求めるデモ活動を行っていた市民らに対し、軍が戦車を投入するなどしてデモを弾圧した。犠牲者の数は公表されていないが、人権団体や目撃者によって数百人規模から数千人規模と異なっている。
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