東日本大震災で「九段会館」(東京都千代田区)の天井が崩落した事故で死亡した女性2人の遺族らが12日、会館を運営する財団法人・日本遺族会の会長である古賀誠衆院議員と同会館の吉田藤男総支配人の2人を業務上過失致死傷容疑で警視庁麹町署に告訴した。
告訴状によると、国土交通省が03年と05年に不特定多数が集まる大規模空間の天井の落下防止措置を求める通知を出したのに、日本遺族会などは必要な対策を取らず、事故を招いたとしている。
遺族らは都内で会見し、死亡した専門学校非常勤講師、金子いづみさん(51)の夫家規(いえのり)さん(61)は「起きてはいけない事故であり、(遺族会などの)責任は重大」と指摘した。日本遺族会は4月中旬、同会館を閉館し国に返還する意向を示した。告訴については「コメントできない」としているが「被害者救済に今後も最大限努力する」としている。事故は専門学校の卒業式の最中に起き、女性講師2人が死亡、26人が重軽傷を負った。【小泉大士】
毎日新聞 2011年5月13日 東京朝刊